月別アーカイブ: 2019年7月

黒部再訪

10月開催の黒部市美術館『コンクリート組曲』の取材と打合せで再び黒部へ。昨年秋は長野県扇沢から黒部ダム見物と立山連峰乗物登山をしたのですが、今回は新幹線:黒部宇奈月温泉駅で学芸員の尺戸さんと合流し、宇奈月温泉駅からトロッコで黒部峡谷を遡上。行程には短時間のトレッキングもあり、登山靴の着用とストックの所持が推奨されていたので、〈まっぷる富山〉誌面の山ガールの服装を模倣して勇み参加しました。が、しかし集合した参加者のうちアウトドア仕様の人間は私だけでした。急峻な斜面に敷かれた丸木の足場から透けて見える風景に怯え(そういえば高所が苦手だった!)しばらくして左足に攣る前兆が走る…!たった30分の登山で私は登山不適合であることを知りました。(秩父のピラミッド・武甲山は遠くから眺めることに決めた!)

(お母さんの登山靴を履いて)
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関西電力案内係の説明をボーっと聞いているところ。

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峡谷沿い20km以上の距離を用途に合わせたトンネルが数本通っている。それは全て水力発電のためで、降雪期に電気関係者が徒歩で連絡するための極めて細いトンネルまであることに驚いた!

(立山信仰)
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宇奈月温泉駅前交番に駐在する「立山くん」なる警察官を発見。この人は今年のナディッフ年賀状「立山さん」に酷似しているが、いうまでもなく私が盗作したわけではない。

体錬歩行路図

最近頻出の「体錬歩行」とは私の造語ではなく、昭和17年に発行された『體錬歩行路圖』からの引用です。この〈関東地方 體錬歩行路圖 ~家族向・第一輯・平野篇〉は、東京近郊を中心とした遠足コース地図16枚が小袋に収められた携帯マップ集で、地図の裏面には利用交通機関と予算/行程/所要時間/名所案内が記されていて、これを眺めていると明日にでもお出掛けしたくなるような気分になります。しかしいくら平坦な地形を選んだ〈平野篇〉とは言え、家族連れで推奨コース16キロ(所要時間5時間)を歩くのは困難と思われ、心浮き立つ遠足のはずが魔の行軍と転ずることが危ぶまれます。

(懐かしの武蔵野)
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石神井公園〜善福寺公園〜井の頭公園を巡る〈西郊緑地帯〉は学生時代に馴染んだ土地であるが、この地図上に帝国美術学校(当時)の記載はない。統制地図なので軍事施設は意図的に消されているが、もちろん美術学校は練兵場でも軍需工場でもない。(そして地図のとおり我が学園は消えた!!)

(多種多様なコース)
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〈村山・山口池めぐり〉山口池=狭山湖には小3の時に遠足で行った。地図裏面には「狭山丘陵は先住民族の遺跡もあり」との有力情報が!先住民族とは縄文人のことである。
〈入間川〉行程のメインは霞ヶ関ゴルフ場の横断であるが、会員証を所持しない平民の私たちがこれを決行したなら、たちどころに不審者と見做され通報されること間違いなし!

物々交換

今週末予定の取材登山(黒部峡谷)を前に挑んだ体錬歩行は完遂ならず。全経路徒歩を断念し、荏原町〜二子玉川区間だけ大井町線に乗って二子玉川から徒歩で帰宅したのだった。
電車に乗ろうと荏原町駅に向かう途中、トイレを借りるため馬込図書館に立ち寄ると、入り口の横に無料古本コーナーが設置されていた。箱の中でひときわボロくて目立つ大型本の表紙(平塚運一の木版画)が気に入ったので、私はこれ一冊を馬込記念として頂くことにした。
この『JAPAN PHOTO ALMANAC 1938』というバイリンガル仕様の戦前の写真集は、日本は文化や経済の発展した一流国ですよ〜と国際社会にアピールするための豪華本で、現在の古書価格を調べたら$999.99、なんと日本円で10万円以上する高額本だった!こんな稀本をタダで入手していいものだろうか?いや私は全くの無償で持ってきたわけではない。300円のビニル傘を図書館の傘立てに忘れてきたので、(フェアトレードとは言えぬが)共用置き傘としてぜひ活用していただきたい。

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さすがは(旧)馬込文士村!放出品の格が違う。
全頁外れ、自動車の落書きなど状態悪く999弗の値段はつかないはず。

(素敵写真満載!)
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皆様ご存知の特急あじあ号
満鉄人はこれではない灯火管制型を採用(どこが違うでしょう?)
他にヴィッカース.クロスレイ(装甲車)の良い写真なども!