月別アーカイブ: 2020年3月

ご来場ありがとうございました

昨日8日をもちまして、無事に『セメントセメタリー』展が終了いたしました。思えばオープニング当初は「北京市で宴会禁止令発布」との報道を聞いても、ウイルス感染拡大の騒擾はまだ海の向こうのお話しのような楽観ムードでしたが、会期中あれよあれよと日本はウイルス汚染当事国となり、不気味な非生物が席巻する動乱の世の中に変わってしまいました。
このような不穏な時局にあっても美術鑑賞を諦めずご来場くださった皆様に、心より感謝申し上げます!本当にありがとうございました!不安要素しか見当たらない世相ですが、恐ろしい中にも滑稽さを探して制作及び発表を続けるつもりで~す。(美術は変だったり面白かったり怖いものが良い)

(皆様ありがとう)
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展評:毎日新聞
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展評:読売新聞
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無人島に来られなかった貴方は、新聞の展評を読んで展覧会を観たつもりになろう.
(セメント展は芸術新潮展覧会レビュー、共同通信社配信記事でも紹介される予定)

セメント展★本日最終日!!

本日いよいよセメント展最終日です。今回は初のNEW無人島展でしたが、ギャラリー建物の下部構造物に転用された大横川護岸(コンクリート堤防)と、私の作品との相性があまりにもピッタリだったので「展覧会のためにわざわざ堤防をこしらえたのか〜」と早合点されるお客様が複数名おられるほどでした。室内で異様な存在感を放つ土木遺産と美術作品とのコラボレーションを見ることができるのは (たぶん) 無人島プロダクションだけ!
戦争遺跡ファンの間で有名な、大阪の高射砲塔転用住宅が (私のように) お好きな方にオススメの『セメントセメタリー』展が見物できるのは今日が最後です。(お越しの際は、世界的脅威COVID-19に対する防御を抜かりなきようお願いします。)

(たぶん今日で見納め)
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おそらく取り壊される運命の捨てコン墓を見よう。

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5人の掘削亡霊戦士が諸君の来場を待っている

風間サチコ 展「セメントセメタリー」
本日最終日!!!午後5時終了〜!
会場:無人島プロダクション

魔ノ山ノボレ

お正月に今年の課題図書はトーマス・マン『魔の山』と決定してからどれだけ読めたかというと、上巻下巻の計1233ページのうちの260ページしか読んでない。(富士山で例えると2合目ぐらいまでしか魔の山を登ってない換算になる)。私は以前、ドストエフスキー『悪霊』を上巻で挫折し、その後再び読もうと思ったが内容をすっかり忘れたので諦めてしまった経験がある。挫折の一因であるあのペラペラと饒舌なピョートルのお喋りに付き合う気力はもう無い。
『魔の山』にもピョートルと負けず劣らず饒舌な人物〈セテムブリーニさん〉が登場するが、この同じ服ばかり着てる啓蒙主義者の喋るお話は軽妙かつ意味深長なので、若いハンス・カストロプ君が思索のヒントがあるのでは?と傾聴を心がけるように、読者の私も聞き入ってしまう魅惑的な語り口だ。(だが油断は禁物)今は好感度の高いセテムブリーニさんだが、彼の西欧合理主義の一端を見てガッカリし、またもや読破できず途中下山の恐れも否めないのだから。

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『魔の山 』(上/下) トーマス・マン作
関泰祐・望月市恵訳 岩波文庫

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途中下山の危機が訪れても内容を忘れないように記録することにした。
「ドイツのモラトリアム青年ハンス・カストルプは、結核に侵され将校の夢を中断された従兄弟ヨーアヒムを訪ねて、スイス高地の高級国際サナトリウムへと旅立つ。初めて目にする病人の楽天地に異様な興奮を覚える。40p」「孤児ハンス・カストルプは、幼少期より裕福な親族に養われ品位を重んじているが、性質はニュートラルで単純である。56p」などなど
ショーシャ夫人との関係、ヨーアヒムとセテムブリーニさんの安否、結末がどうしても知りたくて、このように飛ばし読みをしている。(ヨーアヒム君は天に召され、徴兵で下界に降りたハンス・カストルプの運命は、戦場で死神の管轄に落ち安否不明…終。)

セメント展★最終週

〈本日月曜は休廊〉無人島プロダクションで開催中『セメントセメタリー』展は、今週末8日(日曜)で終了となります。大勢のお客様から祝福を受けて華々しくオープンした本展でしたが、中国伝来の新型ウイルスの猛威と比例するかのごとく客足が激減!平時なら駆け込み需要が見込まれる最終週も、今回だけは寂しいものとなりそうです…。集会の自粛が要請されてますが、無人島の人口密度は無人島だけに高くなく(少ない)ので濃厚接触に関しては心配無用です。ただし公共交通機関を利用して来るお客様はどうぞ防疫対策を万全にしてお越しください。(密室を避け屋外を歩いて来るのが一番安全と思われますが、おそらくどこからも遠い) 無理して来てネとは言いませんが…よろしくお願いいたしま〜す!

(ビニル袋に封入されたこの物体は)
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吉岡秀典さんがデザインし、無人島女性陣の手で一つ一つ千客万来の願いを込めてセメントを付着させた素晴らしいDM。この労力に見合う展覧会になるよう私も注力した展示でしたが…ウイルス禍に巻き込まれ残念!(皆さんの無人島チャンスは8日まで!