日別アーカイブ: 2020年7月18日

1936年のローエングリン

トーマス・マンが1933年にミュンヘン大学で行った講演『リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大』をまとめた本を読み始めて、この講義のあったナチス政権時代の演奏はどんな感じだろうか?と気になり『伝説的ワーグナー歌手1930年代』という2枚組CDをヤフオクで買ってみた(¥760)。
さっそく聴いてみると、厳格かつ精密な現代指揮者のオーケストラに慣れてるので、昔の楽団演奏はのんびりしてて面白く感じた。歌唱も現代のように繊細なテクニックを要求されてないようで、演奏より歌声が大きく際立ち、特に合唱部分はオペラというより儀式的な祭典を思わせる。そして付属冊子に掲載された当時のテノール歌手(写真)の風体が面白いです。

(新旧:聖杯の騎士)
IMG_0115
ph
左:フランツ・フェルカー(1936年のローエングリン)
右:ペーター・ホフマン(1982年のローエングリン)
フェルカーは元.銀行員で指揮者C.クラウスにスカウトされたという。
ホフマンはドイツ連邦軍の落下傘部隊出身。