日別アーカイブ: 2020年8月9日

樫の森の…

【死者に報酬は支払われない】ドイツ・ロマン主義の画家C.D.フリードリヒの作品は、同じくロマン主義音楽のレコード及びCDジャケットに多数採用されている。詩情豊かなベートーベンやシューベルトとの相性はバッチリで言うことなしだが、作者にノーギャラなのは如何なものか (しかし何処へ送金すればよいか)。フリードリヒの名作『樫の森の修道院』を装画に使用した(かざまランドで人気) H.プフィッツナー『人間と自然/生活と歌』のCDもその一例である。

【交霊は不問に付される】吉村宗浩氏はフリードリヒ『樫の森の修道院』に触発され、新作『大地は永遠なりⅠ』を制作したという。春の到来を待っているのか?それとも既に朽ちているのか?不明の刺々しい樹木に絡まるように屹立しているのは、オリンピックの象徴である。オリンピックに明日はあるのか?既に終了の鐘が鳴らされたのかは不明のこの丘に、唯一訪ねてくるのは絶望を伴侶とする冬の旅人であろう。

吉村宗浩さん作『大地は永遠なりⅠ』
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凍てつくような寂寞感、その後からついてくる笑い!

『樫の森の修道院』採用のCD
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素晴らしい題名『人間と自然/生活と歌』の歌詞は、ドイツ語なので全くもって理解不能。
ローゼンベルクvsゲッベルスの文化政策の覇権争いの結果、ゲッベルス優勢となりローゼンベルク派だったプフィッツナーは冷遇される羽目に…。さらに戦後は親ナチだったことが祟り正当な評価を受けられなかった。(定石を踏み外したような変なところが面白いと私は評価)