日別アーカイブ: 2020年11月13日

新橋派

新橋派とは、私が武蔵野美術学園3年生のとき決起した一派で、ドイツ表現主義のグループ〈ブリュッケ〉にリスペクトを捧げ「新=ネオ、橋=ブリュッケ」をグループ名にした。だがしかし特にメンバー募集も勧誘もしなかったので私一人での単独活動となり、グループの体を成さぬまま約一年で(飽きちゃったので) 終了〜。
新橋派の活動内容は…キルヒナーの木版画を模写、バイト代を高額洋書画集につぎ込む、表現主義映画(カリガリ博士)を観るなど極めて内向きで、ブリュッケの諸先生(キルヒナー/ヘッケル/ロットルフ/ペヒシュタイン他)に顔向けできるようなものではなかった。
あれから26年。無意味かつ自己完結と思われた表現主義自主トレの成果を発表する時がきた!私が習得したブリュッケ模倣技術をできうる限り注いだ新作『サナトリウムにて』は、見すると「おや、百年前のドイツ版画かな?」と錯誤させる(それっぽい)作品となりました。

〈サナトリウムにて〉
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T.マン/O.クレンペラー/E.L.キルヒナーの三者を似顔絵にしたヨ(似てるかな?)

Komponist Klemperer (1915/16)
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(鬼才キルヒナーによる奇人クレンペラーの肖像画)当時のサナトリウムは結核患者の治療だけでなく心疾患の療養も行なっていた。キルヒナーとクレンペラーはメンタルを病んで療養所で出会った。