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とうきょうのおとしもの

レンコンホンポ・ハスだっぺの空き箱に長期保管されていたチラシ『とうきょうのおとしもの』は、平成16年の1年間に警視庁遺失物センターで処理された「落し物」についての報告及び広報のリーフレットである。この観音開き状の警視庁チラシを読むと西暦2004年落し物トレンドが見えてくる!それではさっそく17年前のウッカリ傾向を見てみよう。

〈とうきょうのおとしもの〉
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「遺失物センター」はここ警視庁飯田橋庁舎内にある。

〈遺失物トレンド〉
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★多い落とし物ベスト5 (平成16年中)
1位:傘 (33万本)
2位:衣類 (25万枚)
3位:財布類 (18万個)
4位:カード類(16万枚)
5位:有価証券(15万枚)

1位は納得の傘 (私も頻繁に電車内に忘れる)。5位は意外にも有価証券。普段から手形/小切手/株券などを多量に持ち歩いてる人がいることに驚く。携帯電話がランクインしてないのは当時の普及率が今ほどでなかったからであろう。

〈落し物がこんなに!!写真〉
右:21世紀初頭には携帯電話の主流がまだ二つ折りだったことがわかる。ズラリと並べられたその様はまるで甲虫の標本のようだ。鞄は中年サラリーマン愛用の茶色いビジネス鞄と男物セカンドポーチが多いことが特徴的 (落とした男のポッカリ空いた小脇に隙間風吹くだろう)。
左:ザックリ編みセーターが散見される衣類写真 (流行してたっけ?)『傘、傘、傘…….▼一雨3,100本。』一回の雨でこれだけの大量の傘が!それにしても木の柄の雨傘が多く、ビニ傘が少ないのは驚きだ(既にゴミとして処分されたのか?)。私も今年はビニ傘を廃止しサステナブルな木の把手傘を持とうかな?(高価な傘を持つ緊張感で落し物防止)

★落し物処理状況
遺失物品半数以上(58%)を拾った人がもらってることにビックリ!現金ならわかるけど。(私は封筒入り4万円を拾って届けその後もらった)

。。観音開き内側は次号ご紹介!

ハスだっぺの箱

16年前、陸上自衛隊土浦駐屯地内の武器学校へ一人でふらりと出かけ、武器学校校庭にある予科練史料室と陸自の特殊車両や国内外の火器、自走砲、戦車などを見物した。現在メンテ終了しお化粧直しでピカピカになってる八九式中戦車は、この時はまだ汚い状態でクラシックな風情があり格好良かった。
その帰りに土浦駅売店で購入したのが、昨年末かざまランド忘年会に参加した蓮根キーホルダーと「れんこんサブレー・ハスだっぺ」だ。先日れんこんサブレーの空箱を作業室で発見。中に何をしまったけ?開けてみたらゴミでも宝物でもない警視庁関連の紙モノ蒐集品だった。(特に面白い一枚を後日詳しくご紹介しよう)

レンコンホンポ ハスだっぺ れんこんサブレー
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サブレーは当時のバイト先(スーパー鮮魚部)の皆さんに配布し一枚しか食べられなかったが、バターと蓮根の風味が香ばしく大変美味しいお菓子だったと記憶。また食べたい。

夢のフィヨルド

ピッケルの代わりに彫刻刀を持って挑んだツァウバーベルクは、幾つものピークを越え昨日やっと湖畔の針葉樹林帯まで下りてきた。転げ落ちそうな急峻を彫るときはグッと息を殺して刃先に集中!この連続で脳に酸素が足らなくなったのか(頭がおかしく)就寝中に変な寝言を発し、さらに血行不良で発症した足の凍瘡(シモヤケ)の痒みで目が覚める。(私は山に登らずして山の病になった)
先日の夢では〈キール湾〉について誰かに解説してて、日常では話さないようなドイツ地理の知識を寝言で発表してる自分にびっくりした。「キール湾とはバルト海の最西端にある湾で、氷河時代の最後に生成されたフィヨルドの一つ。鰻の寝床のように細長い形をしている。」

(分け入っても分け入っても)
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どの山がアイガー/メンヒ/ユングフラウ/ヴァイスホルンだか分からぬまま登る。

(人面魚船は謎のまま)
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キール運河沿いにあるズックスドルフという町のノートゲルト。これを調べていてキール湾を知り、そして寝言を言った(ノートゲルトは勉強にも寝言のネタにもなる)。
人面魚船の腹に第一次世界大戦時代の軍艦の名が書かれているので、キール軍港で勃発した「水兵反乱」とドイツ革命に関する図かと早合点したがそうではなかった。このシリーズ16枚全部を見ると、どうやらデンマークvsプロイセンの抗争の物語らしい。

デルタの食卓

183×91.5センチの巨大版木に作業机兼食卓を占拠され、食事の際は落っこちない程度に版木を斜めにずらして僅かなデルタ地帯を確保しそこを食卓とする。

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不注意で障子に穴を開けちゃった。版木の移動は慎重に!

〈1月1日の三角地帯〉
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(ハレもケも無く)元日の晩餐もいつもどおりの備蓄缶メニューで…
四次元ボーヤ(石)とハダリー(アルミ人形)とで新春を寿ぎ激安ワインで乾杯した。

見知らぬ誰かの

『魔の山』の主人公ハンス・カストルプは自分の肺病を証明するX線写真を、まるでサナトリウムの通行手形であるかのように常にジャケットの胸ポケットにしまっている。それは現在のベロンと大きな樹脂製のレントゲン写真ではなく、たなごころに乗るぐらい小さなかわいいガラス板だ。(カーニヴァルの夜に)想いを寄せるショーシャ夫人のガラス板と自分のガラス板とをプレゼント交換することに成功したハンス・カストルプは、ガラスに焼付いたショーシャ夫人の美しいトルソーとそれを蝕む病巣の影を透かして見ては夢心地で悦に入るのであった。
…いいな私もこういう素敵なガラスX線写真(風のもの)を持ちたい!そこで思いついたのが写真用ガラス板を蝋燭のススで焦がし、黒く煤けた面を削って肺の絵を描くという方法で、早速材料のガラス乾板を取り寄せてみた。しかし2ダースの内1ダースは撮影済み、もう片方は未使用だと勘違いして買った「ポートレートオルソ(オリエンタルプレート)」という商品は全て使用済みだった!なんたることか。いま私の手元には見知らぬ誰かの思い出(ネガ)が24枚もある。

(昼も夜も)
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箱に入ってた封筒には「台北市京町三丁目」「晝夜撮影・勝山寫眞館」と書いてある。なのでこれらは日本統治下の台湾の写真なのだろう。写ってる人物の服装から1930年代と推定(ガラス乾板からフィルムに移行した時期は1935年頃らしい)。昼夜撮影とは?何のことか全くもって不明!

(見知らぬ若い人たちの影)
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緑陰に憩う学生・記念撮影をする若者・窓辺でチェロを弾く青年・水辺の子供

おとしだま

今年も姪にお年玉(5百円玉)をあげた。そして自分自身には木製戦車(Mark1)をお年玉として与えた。これは年末にヤフオクで(3千円で)落札し正月3日に届いたのだ。かねてから巨大で重たく鈍いフォルムをした黎明期戦車にはプラモデルの精密さや質感が合わないと思ってたので、そこらへんにある木片や釘で作られたこの素朴戦車を発見して「私が求めていたのはコレだ!」と感激。農民美術の一刀彫りのように簡素な写実が素晴らしい戦車模型を作った昔の誰かさんに感謝。

(知らない誰かの工夫)
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木製の車体を釘/ハトメ/蝶番/ゴム等そこらへんにある材料で装飾。おそらく作者は実物写真をよく見て研究したのであろう、素晴らしい再現力。私もこれを参考に大好きなA7V (シュトルムパンツァーヴァーゲン)を作りたい!

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玄関の置物としても威力を発揮

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今年は5百円玉何枚かな?(ヒントはウィルスの数だヨ)

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます!旧年中皆様からいただいた多大なるご支援に心より感謝申し上げます!今年も何卒よろしくお願い致します。(毎年ここからのご挨拶ですみません…)
年賀状の代わりにただいま人気急上昇!第一次世界大戦時代のロマンチック絵葉書の中から面白くて不気味な一枚をご紹介しま〜す。へんな角度に傾いた三日月が照らし出す若い男女と撃沈された艦体。うっとりと見上げる虚空には攻撃を受ける鋼の船の幻影が…一体どういうこうとでしょうか?左にあるドイツ語ポエムに何か手がかりがあるかも?読んでみよう!

「水兵よ征け!」
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太古より続く静かなる潮騒の音が、今まさに風雲急を告げる。
私たちの胸にそれが届いたのだ「水兵よ警戒せよ!」

この絵葉書ポエムの警告が私にも届く。
私の制作状況は不吉な暗雲の中にあり、脱出するただ一つの方法は「作業をサクサク進める」こと(だがそれがままならない!)。作品制作も感染拡大も風雲急!こりゃマズイね…