月別アーカイブ: 2021年12月

麺2021

3年前に立山黒部アルペンルート山腹で食べ損なった立喰そば〈立山そば〉を平地の支店(富山駅店)でリベンジするぞ!と秋に意気込みを書いたまま報告せずに年越しそばを食べて年越しとはきまりが悪いので〈立山そば〉報告写真で本年を締め括ろうと思う。
10月4日夜、金沢市から富山駅に移動し閉店間近に入店すると所望の「白エビかき揚げそば」食券は既に売切れ…。仕方なく「山菜とろろそば」にすると、アツアツのつゆが冷えた体と空腹に染み渡る旨さだった(立喰そばという名のオアシス!)。若干未練の残る白エビかき揚げは、幸運にも翌日行った魚津
〈海の駅 蜃気楼〉で食べることができ、蜃気楼は見えなかったが望みの麺を食した満腹感から、爽風に波立つキラキラの日本海に向かい「美味しかったよーありがとう海!」と叫びたい気持ちになった。

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山菜とろろそば (立山そば/富山駅店)
かわいい立山かまぼこ入り

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白エビかき揚げうどん&かにミニ丼セット
(海の駅 蜃気楼/そば処 はまちょう)前夜そばだったのでうどんにした。これで¥1000とは安い!旨い!

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牡蠣そば (石巻/ 蕎麦と酒おもたか)

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海鮮塩ラーメン (松島さかな市場)

〈ご愛顧に感謝 2021〉
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今年も存在意義
不明な当ブログ(窓黒)をご愛読いただき誠に有難うございました!引続きこの調子で一方的に発信する予定ですので2022年もよろしくお願い致します。読者の皆様、良いお年をお迎えくださ〜い♪ 

蟹2021

「香箱ガニ」は毛ガニを使った季節料理をさす固有名詞だと思っていたがそれは全くの誤りで「香箱ガニ」とは金沢港で水揚げされるズワイガニの雌の流通名だということを最近知った。しかし居酒屋で「香箱ガニください」と注文すると蟹本体ではなく、バラバラに解体された蟹の足肉、臓物の各部位を甲羅内にコンパクトに収め直した料理が出てくるので、「香箱ガニ」を料理名と言ってもあながち間違いではないような気がする。(無毛の蟹を毛ガニと誤認した原因は不明)

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香り箱の寿司 (金沢市内のローソン)
香箱ガニをイメージした模造蟹使用のコンビニ寿司

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香箱ガニ&白えび唐揚 (金沢おでん赤玉本店)
空いた甲羅で日本酒を飲むと旨い!

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紅の蟹弁当 (駅弁たかの/金沢駅購入)

科学教育ヱハガキ浮出し写真第二彈
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〈に か〉
岩の陰にカニがひそんでゐます。時々目を動かしてゐるやうですが今に匍つて行つてしまふかも知れません。これもロンドンの動物園の水族館で海底と同じやうに造つてありますから自然の生活を見ることができます。(青赤メガネが無いと浮出し効果が見れないので残念)

庭2021

今年最も印象的だった庭は、金沢市の和洋折衷な不思議ムード神社・尾山神社の旧金谷御殿庭園。大きな池に琴や笙などの和楽器をモチーフにした大小の橋が架けられたこの庭は、音階を踏むように飛石や橋を渡りながら水上散歩が楽しめる池泉廻遊式庭園で、庭全体で古典音楽を表現しているという。(だがしかし) 橋が苦手な私にとっては、美しさと恐怖が煩くせめぎ合う近現代音楽的な不協和音の庭である。

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尾山神社/旧金谷御殿庭園(金沢市)
池の背景に造られた滝や山がワイルド!野趣と雅趣が同時に味わえます。

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兼六園(金沢市) 宇宙を感じる石灯籠

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瑞巌寺/中庭 (松島町)

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円通院/雲外天地の庭 (松島町)

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鈴木大拙館/水鏡の庭 (金沢市)お天気雨で乱れた水鏡

夢の射幸心

巨大宝くじ売場の大行列に加わって順番待ちをする夢を昨晩見た。ようやく自分の番になり5枚購入しようと思ったのだが、窓口でお金を支払う直前で止めてしまった。なぜ止めたのかというと夢の年末ジャンボ宝くじは一枚700円と高額だったから。700×5=3500円と計算し不確実な夢を買う代金としては高過ぎると夢の中で判断。
全く興味のない宝くじを買わない変な夢を見て「吉夢は逆夢として現れることもあるという。ならば買わない夢は幸運の予兆なのでは?こりゃ縁起がいいや!」と解釈。俄然購入意欲が湧き起床後すぐに調べて見たら、現実の年末ジャンボ宝くじは一枚300円、そして販売期間は〈24日終了〉…もう売ってないものは買えないので吉夢への期待は空振りに終わった。

(夢の窓口)
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出張みやげ(3)

過日18日、金沢21美トークイベントにご参加の皆様ありがとうございました(手土産ありがとう)。先週末の金沢出張が事実上の仕事納めとなり、残された2021年は多忙な今年の置き土産=荒廃した室内の片付けにあてる予定です。
ラスト出張のお土産は写真の〈能面カンバッジ〉。こちらは金沢21美の近くある「金沢能楽美術館」の一階(物販コーナーは入場無料)で購入できる能グッズです。ほかにはマグネット/絵葉書/小さい能面(高額)/実物大能面(高額)などが販売されてます。
この美術館では能楽知識が学習可能で私は驚きの事実を色々と知った!例えば大道具の「作り物」が上演直前に作られ、終わったらすぐ解体されるということ。作り物とは、山・塚・井戸・舟・牛車・輿・岩・釣鐘といった物語上不可欠なモノを抽象的な輪郭線で表現した造形物で、竹で作られた立方体や台形、円錐の骨組みに、包帯のような白い布をグルグル巻きつけた物体です(点滴注射のときに寝台に腕を固定する棒に似てる)。実物の質感とは無関係に全て真っ白な布巻き棒は舞台上でも異質で、極めてミニマルな造形は観客の想像力を試すかのよう…。やけに簡素な作りだと思ってたけど、まさかその場限りのインスタレーションだったとは、びっくり!
…能の清々しさはどこから来るのか?それは下ろしたてのYシャツ、プレスのよく効いたスラックスに通じ、伝統の歳月から生じる古色を払拭する折り目の美しさ、なんども再現される新品感と刹那感にあることをここで学びました。

(ノーマスクを主張するものではない)
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Noh-maskカンバッジは110円と安価だけど能面はウン十万円する。幅広い価格帯の物販コーナー

(金沢能楽美術館)
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[営業中]と大書きされた大胆な入口は、作り物と同様に解体される工事現場で今現在の仮の姿だ。

(1階展示室は撮影可能)
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私が使ってる彫刻刀にそっくり!砥石は横に溝を掘れば良いのか〜なるほど勉強になる。
撮影禁止の2階には、戦時中の問題作「新作能 皇軍艦(みいくさぶね)」と「新作能 忠霊」の貴重な謡本が展示されていた。(ヤバいお話の能楽をみてみたい)

トンネルを抜けると

大宮駅を通過したあたりで後ろの席から「富士山が見えるね」と会話が聞こえたので、(まさか、東海道じゃないんだから見えるはずがない)と私は疑ったが、北陸新幹線車窓に広がる田園風景のはるか向こうに見える白い台形はまぎれもない富士山であった。
荒天の兆候を微塵も感じさせない細長い青空は延々と続き、窓から見える山が富士山から妙義山に変わってもまだ続いていた。「ほんとうに雪降るのかな?」という疑問は碓氷峠を貫く長い長いトンネルを抜けた瞬間に吹っ飛んだ。え?白い!…ゆ、ゆき?
ブッシュドノエルのデコレーションみたいに新雪で化粧された山裾の民家にびっくり仰天、にわかには信じ難いメルヘンチックな光景…長大トンネルが見せた手品に狐につままれたような気分になった。(これぞマジック・マウンテン)

桶川富士
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富士山前の看板「大宮マシナリー」で検索したらここは桶川市だった(埼玉県)

土木妙義
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建設用土砂山の向こうに妙義山の奇岩が見える(群馬県)

新雪千曲
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千曲川も雪化粧(長野県)

超高速冬の旅
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天候の境界線は峠(トンネル)にあった!

大雪と大拙

金沢2日目は早朝から轟く雷鳴で目を覚ます。明らかに遠足向きの天気ではないので小松に行くのはやめて金沢見物をすることにした。そう決めてホテルを出たものの、たちまち風雪とメガネの曇りで視界不良。さらに融雪散水でグチャグチャになった雪に足を取られてしまい徒歩5分の場所にあるバス停すら発見できず、予想以上の難渋を強いられ、目的地の鈴木大拙館まで通常であれば30分で移動できたのに1時間20分もかかってしまったのだ。吹雪→晴→雨→晴&雪→雷→雨とめまぐるしい空模様に翻弄されながら漸くたどり着いた谷口吉生建築の清々しい佇まいで、今までの不安はスッと晴れた。

館内は禅の哲学者・鈴木大拙の功績をたどる資料展示とそのほかに関連図書コーナーがあり、本棚の本は自由に閲覧して良い。私はお天気雪の舞う中庭を眺めながら『学習まんが 西田幾多郎』を手に取る。(その漫画はこんなお話のようだ)
…野球チーム内の一人が最近どうしたことか元気がない。見兼ねたコーチが部員たちを連れて禅寺を訪ねると、穏やかそうな外人住職の歓待を受ける。住職は問題選手を見るなり彼の悩みを言い当て(コーチが事前に相談していたものと推測)そして「私はクリスチャンですが禅に目覚めたのです」と言い襖をガラっと開けると、畳の上で座禅を組む横浜パームズ(架空球団)の外人選手の姿が…。憧れの有名選手が瞑想している様子を眼前にし、禅への興味が俄然湧いてきた彼等に向けて住職は哲学者・西田幾多郎の半生(漫画の本題)を話しだす。日本初の哲学者の存在と〈自分を無にする〉という生きるヒントを知って、迷える若者は再び元気を取り戻したのでした(おしまい)。

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君は〈自分を無にする〉のと〈自分以外を無にする〉のとどっちがいい?

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どっちも容易なことではない。

明日金沢で(大雪予想)

明日18日は金沢21世紀美術館でトーク(鼎談)をします。内容は現在開催中フェミニズムズ展にまつわるものと予想されますが、私は全てのイズムを否定する予定。

しかし北陸地方は現在大雪で、明日も交通機関の影響が予想されています。2019年台風19号で北陸新幹線全車両が水没し富山で足止めを食らった前例もあり、再び新幹線不通の災禍とならぬよう神に祈るばかりです。(だけどトークではイズムと宗教を否定する予定)

今年も円形ハゲが多数発生するほど頑張った自分へのご褒美に、金沢出張に小松市遠足のオマケをつけて久しぶりの戦争遺跡見物をする予定です。しかし悪天候そうなので小松に移動せず、金沢に留まり鈴木大拙館見学に旅程変更しようかな?と思案中。(宗教を否定しつつ禅を学ぶ予定)

(幻の虎の衣)
Kazama_1998_TigerRobe_KeiMiyajimaのコピー
1998年の初個展以来倉庫に眠ってた〈虎の衣〉も展示
フェミニズムズ展関連プログラム↓詳細コチラ
アーティスト・クロストーク3・青木千絵 × 風間サチコ × 碓井ゆい
14:00~15:30(事前予約制:定員50名)

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富山県・黒部市美術館で開催中
山下麻衣+小林直人『蜃気楼か。』は明後日19日最終日でーす!

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ここ生地海岸に設置された巨大なMの秘密…
(雪で見られないかもしれないが) 蜃気楼∞のチャンスはあと二日!

橋が苦手なんです。

定時制高校卒業記念の修学旅行の行先は、4年生全員の投票で四国に決まり、四国/広島/岡山を周遊した。安芸の宮島では私だけ犬と鹿の喧嘩に巻き込まれ、鹿の後脚から繰り出された強烈なキックを上腕部に食らったがこの珍事の目撃者はなく、痛みに耐えながら先を行く級友たちに追いつき「さっき鹿にキックされちゃったよ〜イテテ…」と面白ハプニングを報告したが、誰一人関心を示す者はいなかった。

四国での一番の思い出は高松市にある『四国村』で、このテーマパークは四国を回らずとも四国観光ができるというミニ四国だが、四国周遊を目的で訪れたのに、ここ一箇所で事を済ますような見物の意図は今も不明である。園内には徳島県に実在する祖谷のかずら橋を縮小し再現したミニかずら橋があり、これが私を恐怖の谷底に突き落とした(実際は落ちなかったけど)!一歩踏み出そうにも粗く編まれた蔓から透けて見える川面に足がすくみ、「怖いよ〜渡れないよ〜」と私は涙をボロボロこぼし渡ることを拒んだ。19歳にもなって泣いて駄々をこねる恥ずかしい姿を、級友たちは冷ややかに傍観しつつ次々と恐怖の橋を渡って行ったことを今も忘れない。

〈再びの恐怖・松島〉
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200円払って長い橋を渡り福浦島へ。
「歩いているのは道路だ、橋ではない!」と暗示をかけて渡るも、薄目の両端に海面が見える…

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怖いけど来て良かったと思える景色

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朝とは思えない薄暗さは不気味な夢の中のよう…

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木々に覆われた散策コースを歩く者は私一人しかいない。心細さを紛らすため『波浮の港』を歌いながら山を登った。
♪島で暮らすにゃ乏しゅうてならぬ、伊豆の伊東とは郵便便り、下田港とはヤレホンニサ風便り…

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瑞巌寺五大堂を見るのも橋〜OMG!!
しかもスケルトンタイプだし

ニュー松島

石巻市街地→網地島→牡鹿半島→石巻→松島を巡る視察出張を終えて東京に戻る。旅行中、視察団一行と別れ単独で行った松島では遊覧船で念願の松島見物ができた。
残念ながら朝から薄暗い曇天で、カラー絵葉書に見るような爽快さはないものの、眼前に展開する盆景のような島々に自ずと胸が高まる。まずは橋で渡れる(が有料200円)福浦島を散策し、それから予約してた(株)ニュー松島の中型船で出航!船着場で同じ船に乗るカップルの女が「こんなショボイ船じゃイヤ!!」とゴネて男を困らせていたが私には立派な船。甲板から写真を撮るのが目的で、私には客室の豪華さなど関係ないのだ。

愛用のPコート着用で英国漁師を気取り(寒くて誰も外に出ない)甲板を独占。船は予想以上に速く小島は次々と視界から去ってゆく。私は小さなスマホカメラで必死に追うが、寒風とエンジン振動でスマホが海に落ちないよう確と構えた手が冷たく「ひえ〜もう限界」と思ったところで約50分のクルーズは終了。その後、松島さかな市場に向かい「絶対に食べよう」と心に誓ってた牡蠣バーガーをアッサリ変更し熱々の海鮮しおラーメンを食べて暖をとる。

(たぶん兜島か鎧島)
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かわいい!波頭そっくりの驚異の造形

(仁王島)
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船内放送によると「ベレー帽をかぶりパイプをくわえたお洒落な仁王様の姿」だそうです

(鐘島)
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親に勘当裸島は見つけられなかった

(目を疑う光景)
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「小舟でないと接写は無理だなぁ」と古絵葉書みたいな理想的構図を諦め海上を凝視してると、小さい板に立ち乗りし、櫂を持ってスイスイと海面を進む人がいた!!!! 信じられない、ここは沖だよ!