大宮駅を通過したあたりで後ろの席から「富士山が見えるね」と会話が聞こえたので、(まさか、東海道じゃないんだから見えるはずがない)と私は疑ったが、北陸新幹線車窓に広がる田園風景のはるか向こうに見える白い台形はまぎれもない富士山であった。
荒天の兆候を微塵も感じさせない細長い青空は延々と続き、窓から見える山が富士山から妙義山に変わってもまだ続いていた。「ほんとうに雪降るのかな?」という疑問は碓氷峠を貫く長い長いトンネルを抜けた瞬間に吹っ飛んだ。え?白い!…ゆ、ゆき?
ブッシュドノエルのデコレーションみたいに新雪で化粧された山裾の民家にびっくり仰天、にわかには信じ難いメルヘンチックな光景…長大トンネルが見せた手品に狐につままれたような気分になった。(これぞマジック・マウンテン)
桶川富士
富士山前の看板「大宮マシナリー」で検索したらここは桶川市だった(埼玉県)