日別アーカイブ: 2022年3月10日

不老山を探して(1)

信仰の島・雄島の見物を終え、次の目的地である東松島市の野蒜地区に行くため、私は松島海岸駅から仙石線に乗った。津波の被害を受け高台に移設された新しい野蒜駅に到着すると、案内をお願いしてる野蒜出身の春海さんが約束どおり改札で待っていてくれた。
彼女の名前は「春の海」なので3月か4月生まれかな?と思ってたら意外なことに5月生まれだという。聞けば東北では5月はまだ春の範疇とのことで、5月を初夏と認識する東京はなんだか季節を急ぎすぎているような気がしてきた。

私がここを訪れた目的は、野蒜石とその石切場、不老山、野蒜築港にまつわる遺構と運河の視察である。8月の石巻展(リボーン)の展示会場「石の蔵」と同じ野蒜石で作られたミニ石の蔵を見ていると、遥かかなたから轟音が聞こえ、会話をかき消す「ゴーーーーーーー」という爆音とともに一文字型のブルーインパルス編隊が我々の頭上を一直線に通過した。そして青空に巨大な「0」を一つ描いて何処かへ飛び去り、機体が残していった「0」の飛行機雲もあっという間に消えた。

IMG_3156-1
凝灰岩の一種「野蒜石」で作られた蔵がモニュメントのように佇む。

IMG_3159
高さ20m以上ありそうな野蒜石の砦

IMG_3167
垂直に切り出された巨大な岩壁の威容!
ここで薪能を上演したら良さそう(岩と松で幽玄を演出)

IMG_3168
かつては仙石線の線路だったという切通し