マイ五輪塔

未来のイヴことハダリーは、変態博士が用意した地底の楽園に居住している。模造植物で飾られた大広間には人造鳥たちの鳴き声が賑やかに響いているのだが、なんとその音源は博士が地上のパーティー会場でこっそり録音してきたパーティーピープル達の喋り声なのだった…!(リラダン伯爵の小説は、怪奇と冷笑そして皮肉のアラベスク)
そんな地底人への憧れから、長い長い独りきりの沈黙も私にはぜんぜん苦にならない。しかし先日から足を踏み入れた巨大 SNS世界というのは、何億の人類が発する情報の大星雲で、ひっきりなしの賑やかさといったら私の沈黙生活とは真逆だ。この地上の眩しさと喧騒に戸惑い、かざまランドの静寂に今日も逃げる。My五輪塔を買ったりしちゃって!

宇宙の主宰者とはどこに存在するのか尋ねてみたい
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とうとう買っちゃった…五輪塔!
(盗品じゃないよ模造品だよ)

【報告】インスタはじめました

始めてみましたインスタを、一週間前に。
友人が撮った猫と草の写真を見るのにインスタ住民の登録が必要だったので、右も左も分からぬまま見切り発車でSNSの大海へと飛び込んでみました!
少数先鋭の読者諸君と住まうかざまランドという城(井戸世界)から、急に人口億単位の世界へ行ってみて…びっくり。計り知れない無数の個人による活発な発信、その巨大な波にすでに溺れそうだよ。気が向いたら私を探して…

インスタ開始1~2日は肩書きを〈ルンペンディレッタント〉にしてたけど、注意事項に「怪しい肩書きは良くない」とあったので無難なartistに変更(公的な建前だ)。
ルンペンディレッタント、すなわち永遠の貧乏好事家の本懐はこの『窓外の黒化粧』にて遂げるのだ!これからも公益御免の窓黒をよろしくお願いいたします。

今日も埼玉太麺祭り
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地粉ひもかわ×深谷ねぎがんも。旨い!最高すぎる…

IMG_9519極太焼きそばを餡掛けチャンポン風にしてみた。
2年前に賞味期限の切れた沖縄そばスープを使用!(体調に異変なし)

IMG_9521やっぱり普通に付属ソースでの調理が良いね!(お好み焼き却下)
おからコロッケみたいな〈行田ゼリーフライ〉何でゼリーか不明だけど好き。

ヤオコーのない町

「埼玉の町ならどこでもヤオコーがあるはずだ」と思っていたのだが、今日仕事で行った越谷市せんげん台はヤオコー空白地帯だった!

埼玉産太麺の品揃えが最高なヤオコー。ヤオコーのない町なんて…。がっかり気分の帰り道。「でも埼玉のスーパーなら扱ってるかも?」と気を取り直してヨークマートせんげん台店に行き、埼玉色の薄い店内から僅かなメイドイン埼玉麺を見つけ購入した。めちゃ太いうどんやシャクシナ漬物もなく残念だったなぁ…。(うどんの充実をはかり、もっと郷土愛を示して欲しい)
いつかヤオコーの聖地(発祥地:小川町、本社所在地:川越)を巡ってみようかな?

明日は埼玉食品祭りIMG_9490埼玉県産小麦粉ひもかわに深谷ねぎがんもを乗っけて熱々の出汁をかけたい。
こぜにちゃんの行田ゼリーフライ。食べたことない謎食品たのしみ〜
極太焼きそば入りのお好み焼きを作りたい。

LAND HO!

私が初個展をしたギャラリー山口の地下階は、現在、ギャルリー東京ユマニテとして営業しており、そこもいずれなくなるという。そのユマニテとASK?(地下と2階)で本日より開催の『LAND HO』展に私も参加してます。
出品作家6名は今は亡き山口侊子さんにお世話になった旧ギャラリー山口組の皆さんです。あれからもう30年近く経ち、若手作家はみな中高年作家になっちゃった!

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私のニュー松島抜粋はユマニテ(旧ギャラリー山口地下1F)で2点共同展示、ASK?(旧南天子画廊ビル)2階で8点展示してます。

https://mujin-to.us12.list-manage.com/track/click?u=422a9d46e7f6e0525f81f47f3&id=75faad789a&e=adba42814c

 

最高裁大法廷傍聴備忘録

昨日、最高裁判所大法廷で、旧優生保護法の被害者たちが国に賠償請求を求める弁論が行われた。この1日で5件の事件が取り上げられ、私は午後の部3件を傍聴することができた。
今まで本やテレビで知ってはいたが、理不尽な体験をされて現在も苦しんでおられる被害者の肉声は、ハンカチ無しでは聴けないお話しだった。

原告側の弁論が終わり、最後に被告である国側の反論が述べられたが、初めて声を上げた飯塚さん佐藤さんについては「不法行為から20年経過し、賠償の権利が消滅した」ので国が賠償する義務はなく「この件だけ例外にするのは立法府の軽視につながる」と詭弁を展開。他の4件に対しても「当時は合法だった」と言い切った!
思わず私は持ってた消しゴムをそいつの後頭部目掛けて投げつけたくなったが、一番憤慨しているのは、命の尊厳をかけて発言をされた皆さんだろう。

これは「国家主導のジェノサイドと言っても過言ではない」そう私は確信した。

(ドキドキの合格発表みたいなかんじ)IMG_9315
166ある傍聴席の1.5倍ぐらいの人が大行列。抽選になり「ダメかな?」と思ってたら、後ろに並んでたオジ様とオバ様が「140あったよ」と私より先に掲示板の番号を見つけ「よかったわね!いってらっしゃい」と送り出してくださった。
被害者支援会のお二人がハズレて、野良研究者の私ごときが当選し申し訳ない…しかと見届けてきます!

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読み返すのもつらいメモ…(弁論の詳細は新聞記事などでご確認下さい)
次のページに書いた小島さんの「札幌でタクシーの運転手をしていたとき、丸山動物園に行く子供連れの家族を乗せた日は、望めない夢を思って泣いた。」というお話しを聴いて落涙…
1950〜60年代は優生手術推進キャンペーンが全国に広まり、各自治体でノルマが定められ手術件数を競い合う状態だったという!(ダントツ1位は北海道で、暴力的に不妊手術をされた小島さんは競争の犠牲者)

兵庫県〈不幸な子ども生まれない運動〉と宮城県〈愛の10万人運動〉は、この裁判で初めて知った官民あげてのディストピア運動だ。

悪魔の法律(1)

いよいよ明日29日。最高裁で旧優生保護法の被害者による弁論が行われる。
1940年、大政翼賛会の新体制下に発布された〈国民優生法〉をそのまま継承するかたちで1948年から施行された〈優生保護法〉は、驚くべきことに1996年まで普通に法律として存在し、2万5000人以上に優生手術(不妊手術)を強制し続けた。国民優生法の被害者を加えたら、どれだけの人数に膨れ上がるか分からない。

優生思想を『ディスリンピック2680』のテーマにし、独自取材(古本集め)をした私としては、この裁判の行方が気になるところだ。違法どころかズバリ国家による大犯罪であるのに、どうして声を上げにくい弱い立場の人達が苦労をして訴訟を起こさねばならないのか?不条理でしかない。
この悪魔の法律がどのようなものか、古本を手掛かりに少しばかり紹介しよう。

IMG_9304左: 「優生保護法」東京母性保護医協会/昭和54年発行
右:「週報」情報局/昭和16年6月11日号[国民優生法解説]
断種手術の社会的意義とその対象が示された啓発宣伝誌の内容は、ショッキングでグロテスク…。

「優生保護法」第1ページIMG_9297
第二章 優生手術/第三条には、成人の該当者からは本人の同意が必要「但し、未成年者、精神病者又は精神薄弱児(原文ママ)については、この限りではない。」と記載されている。
なぜ被害者の多くが少年少女の時に「盲腸」と騙されて手術されたのか、その理由がこの条文にある。同意の必要がないあいだに施術しておきたかったのだ。

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生まれてはいけなかった人間の烙印を押される絶望(こんな広範囲に…)

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〈優生手術申請書〉遠足か修学旅行の申し込み用紙程度の簡易さ(残酷すぎる)

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ディスリンピック右翼は選別と排除の物語
(…次号では戦前の優生学資料をご紹介)

デイブレイク、その前に

孤独な二つの魂の邂逅と解放を描いた夜ドラ『VRおじさんの初恋』が木曜の夜に終わってしまった。

仮想空間の列車のなかで「銀河鉄道の夜みたいだ。どんな話しだっけ?」「あのお話しは…」と言いかけてカムパネルラの運命が脳裏によぎり、2人の会話がふと途切れてしまった場面で、すでに悲しいお別れの鉄路は敷かれていたのだけど…寂しい。

2ヶ月のあいだ物語に寄り添ってきた美しい歌〈ハートビート〉と〈旅人〉が頭の中で響き鳴り止まぬまま、人っこ一人いない外に出ると、虹色の輪っかを纏った月が光ってた。異世界みたいな夜空はまるでドラマの続きのようだ。

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偶像の瞬間

気怠いA面から軽快なB面へと何往復しただろう?こちらのグラント・グリーン『IDLE MOMENTS』自作カセットは、30年前に繰返し聴いてたヘビロテ.テープです。
つい最近までこの英語タイトルの意味を「偶像の瞬間」だと信じて疑わなかったのだが、この前なんとなくスマホで調べたら「暇な時間」という全く違う意味だったのでびっくり。インデックスカードも「偶像の瞬間」をイメージして作ったのに何たることよ!

私は「暇な時間」よりも「偶像の瞬間」のほうが詩的で断然ステキだと思うけどネ。これからも今までどおり「偶像の瞬間」を採用するよ(そう、私だけは)。

フェルナン・レジェ〈沐浴する女〉を部分使用IMG_9212
HMVやWAVEでCDを試聴し、良いと思ったら図書館で借りてテープにダビング。そして手作りカードでカセットを装飾するのが当時の貧乏ミュージックライフ。
レジェの絵は美術館のチラシから切り取ったもので、生カセットテープは父の部屋から無断で持出。なので制作費はゼロ円

火山とカエルとリーゼント

前号の黒天鵞絨ジャケット期写真は1994年撮影で、ちょうど公募展〈PARCOアーバナート〉でいっぺんに2つ賞を貰った年のものだ。
ビギナーズラックとしか言いようが無い変な受賞作品は『終わりで始まり』というタイトルでテーマは〈永劫回帰〉。ニーチェに傾倒した22歳の私がニヒルを気取り、アーバンなアートに挑んだデビュー作!
左の中央には「エンドレス」と英語で記されており、これはクラフトワークの『ヨーロッパ超特急』からの影響で、これまた音楽に感化されやすい若者の特徴を表している。

※当時のラジカセには裏返さなくてもA面B面が繰返し聴ける便利なリバース機能があった。そう、エンドレスにね。ミュージックノンストップ永劫回帰で!

(URBANART#3 図録より)
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全部があの世とこの世、死滅と再生がモチーフになってるんだヨ 。なんだか怖いね!
経歴欄には〈PARCOゴメス漫画グランプリ1993/岡崎京子賞〉とある。どうです立派な渋谷系でしょ?

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えーっと、左上は火山噴火とカエルとリーゼント集団です…【なんでだ?】

【答】これはヨミガエルを意味する。
ザ.タイガースの傑作『ヒューマン.ルネッサンス』の物語 (
ポンペイの栄華と滅亡、そして復活)にインスパイアされた!

版画の青春

1930年代プロレタリア美術運動と時を同じくして、版画界にも大衆化ムーブメントがやってきた!その運動が一望できる展覧会『版画の青春』展は国際版画美術館(町田)にて開催中。本日(19日)最終日なので興味のある方は急げ!
私は学生時代から藤牧義夫推しなので、小野忠重はちょっと・・・だけど、各作家の作ったポスターの数々は軽快でかっこいい。
「やっぱり藤牧ステキ♡」とオタマジャクシ集合の絵を眺めてたら左の足の裏が攣って、そのあと階段を降りようとしたら両ふくらはぎが同時に攣って激痛が走る。これは…大学版画展の呪いか?5分ほど無表情で悶絶…独りよがりな版画の青春がいま蘇る!

「おまえ、まだそこにいたのね」
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ほろ苦い青春の思い出を映す大玉…

(版画の青春は奪われない)
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私にとって版画の青春とは何か?

(ハートに火をつけて)
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学生時代からエディションのルールを無視して1点しか刷らない私は版画大衆化運動の裏切り者だ。〈版画のできる女スパイ〉を標榜してた当時の私。地下教室でポスターを刷り校内に貼り出す…版画オルグ暗躍中!