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展覧会レビュー&作品解説(よもう!)

ただいま竹橋の国立近美で開催中、近美コレクション展と棟方志功生誕120年記念展に関するテキストが美術館ニュース『現代の眼』ウェブ版で先日公開されました。
美術課研究員の横山さんが執筆してくださった〈セメント・モリ〉の解説文はとても分かりやすく的確で、現在でも不可解なセメント・モリがより難解になるであろう後世においても一級のガイドになること間違いなしです。

私が執筆の展覧会感想文『メイキング・オブ・ムナカタを観て』は、私と棟方志功の時空を超えたわだかまりが溶解した瞬間について書いてあります。とんでもなく視野が狭い東京人の祖父が残した近視眼(嬉しくない遺伝と先入観)から解放された民藝館での出会い…詳しくは『現代の眼』で読んでみよう!

展覧会は12/3まで
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↓美術館ニュース『現代の眼』記事はコチラ↓
≫読む眼/新しいコレクション 風間サチコ《セメント・モリ》横山由季子
≫読む眼/展覧会レビュー「メイキング・オブ・ムナカタを観て」風間サチコ

かざまランドへようこそ

個展準備で荒れ放題となったランド作業室および執務室だが、来訪者のために急いで清掃(大量の物を見えない場所に移動)して、今は仮初めのスッキリ部屋になっている。
3日前には国立近美による動画撮影、昨日は出版社のインタビューと撮影で両日たくさん喋り…たぶん喋りすぎて編集にご迷惑をかけてる。(変な置物への質問に全て答えると本題よりも長くなる)
出版社からの取材ご依頼は、学童向けの職業指南書で〈現代アートの作家〉として私を紹介したいとのこと。現在に至るまでを振り返り、早々にドロップアウトした子供時代のお話しなどを披露した。掲載する自分史年表に「中2の通信簿がオール1に!」と記入するが、この最低な成績を取るのは通常は難しく、美術家になるために必要な条件ではない。(良い子は参考にしてはいけない)

いらっしゃいませ!
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皆様に大人気のトリちゃん。モコ太郎(ニシキアナゴ抱き枕)も可愛いので自慢したいが、薄汚れてクタクタになってきたので非公開。

明日より4日間AWTバス運行!

無人島プロダクションは都現美から徒歩24分、住吉駅/菊川駅/錦糸町駅からは9〜12分と私としてはたいして遠くない場所にありますが、たまに「駅から遠いから行きたくない」という声も聞きます。
そんなふうに歩くのが面倒くさいと言う貴方に朗報です!明日11月2日~5日までのアートウィーク東京開催期間中、特別に路線バス(無料)が運行され、無人島プロダクション前に仮設バス停(人間)配置で徒歩0分で見物可能です。この機会に是非徒歩0分で『ニュー松島』をご覧ください。

無人島P停留所はB路線【B7】
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アートウィーク期間中は10:00~18:00営業
3日(祝)も休まず営業します

無料路線バスについてはAWTウェブでご確認ください↓
https://www.artweektokyo.com/bus/

FL0W再び

先週末の『ニュー松島』OP会にお越しいただいた皆様、お忙しいところ誠にありがとうございました。初日に来られなかった皆様は12/3までと会期が長いので是非ともご高覧ください。(無人島は土日も営業。月火祝休廊)
展覧会内容は、昨年の石巻リボーンアートで展示のニュー松島作品群に新FLOW2点を加えたニュー『ニュー松島』です。不可解で不気味なFLOWシリーズの謎解きは、無人島窓口に置かれた解説ファイルを見てみよう!私の汚い文字で書かれた作品資料で余計に混乱すること間違いなし!

これがそれだ(現物は会場でみよう)
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「FLOW(沖つ国/不老山)」の解説書
要約すると…防潮堤で分断された旧名所・不老山を常世と現世の境界を守る門番と見立ててみたよ。イメージと題名は万葉集(おそろしきもの3首の内3888番)から引用「沖つ国 うしはく君の塗り屋形 丹塗りの屋形神の門渡る」屋形船は近世の軍船・安宅船や補陀落渡海の船を模してる。

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これは岩窟が不気味な雄島の光景「FLOW(雄島/誰まつしまぞ)」
右の見仏上人(木版画)を刷ってから版木を彫ったり塗ったり細工して松尾芭蕉(版木)に変身させた。この解説書では見仏上人が持ってる蛇腹が法華経(6万部)だということと、題名の出典は雄島の芭蕉句碑「朝夜さを 誰まつしまぞ片心」でこれが旅行前の慕情だと説明。(中央の五輪塔(空)(風)(火)(水)(地)の解説は後日)

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旧北上川の歌枕を描いた「FLOW(袖の渡り/涙川)」石の小舟=袖の渡りの左右には和歌4首が流れている。右①みちのくの(の←巻石)袖の渡りの涙川 心のうちに流れてぞ住む(相模)②涙川あさき瀬ぞなき陸奥の袖の渡りに淵はあれども(藤原行家) 左③とこもふち 淵も瀬ならぬ涙川 袖の渡りはあらじとも思ふ(清少納言)④しるらめや袖の渡りは時雨して 道の奥まで深き思ひを(寂然)
川下りの舟で棹をさす船頭さん(中央)は、おくのほそ道の序文から〈船頭=旅の住人、すなわち時間の概念〉という意を汲み往来可能な時間の象徴として登場。

皆様に告ぐ(ニュー松島情報)

展示に間に合うか地獄の業火をくぐり抜け昨日で設営3日目に突入。そして九割くらい作業を終えて何だかもう大船に乗ったような心地になりプレ打ち上げ(吞み)モードとなる。さっきの居酒屋さんで岡田監督の好物パイン飴をもらい気分は上上!そう、阪神タイガースとニュー松島の勝利は目前にあるのだ!オープニングは明後日28日(土)、墨田区江東橋の無人島プロダクションで皆様のお越しを私は待っている。

ただいま設営中
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無人島チーム総力に加え、スーパー助っ人・松田修氏の協力により完成に近づきつつある会場。何でも出来る皆さんのお力添えに感謝!

(夢の関西対決)必勝祈願のパイン飴
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兵庫県在住のマブダチが生粋の虎党なので私も便乗して応援!でも28日の初戦は個展opで観れない…

いよいよ明後日から!
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風間サチコ個展『ニュー松島』
会場: 無人島プロダクション(墨田区江東橋)
会期: 10/28(土)〜12/3(日)
⭐︎オープニングレセプション 10/28(土)18:00-20:00

展覧会内容及び作品紹介など詳しい展覧会情報は
コチラ→https://www.mujin-to.com/exhibition/%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e6%9d%be%e5%b3%b6/

有限地獄

仏教宇宙の参考書『須弥山と極楽』によると、天上界に最も接近する須弥山頂上は成層圏に届くような標高にあり、我々が住まう閻浮提の地底に存在する地獄はマントルに届くほど深いという。その地獄というのは8段階あり、一番深い場所に位置する無間地獄は休憩時間が全くない最悪の地獄だと本には書いてある。

人生の凡そが休憩時間の私が今直面してるのは「展覧会初日に間に合うのか?地獄」で、どうしてあの時サボっちゃったんだろう?という後悔と、円形ハゲ&蕁麻疹に苦しんでいるのだよ。(こんなくだらない告白より先に作業をしなさい)

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版木を彫って見仏上人から松尾芭蕉に改竄中〜

変なドラゴン

10月の朝日新聞論壇時評挿絵に登場させるドラゴンの資料を室内で探すと、古絵葉書コレクションの中にそれらしきものを発見。この仏国製アンティークカードに印刷されてる変な奴は「タラスク」という名の伝説上の怪物で、当然これは実物ではなく(ねぶたのような)お祭用の造り物だそうだ。
クレージーキャッツのハナ肇に似た風貌は、イメージしてたドラゴンとは違い参考にならなかったのでドラゴンは不採用となった。

(空想の産物)
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ハナ肇似の顔を見て未見の映画『馬鹿が戦車でやって来る』を思い出す。見覚えのない変な戦車が農村を破壊してゆく異様な予告編を見て、いずれ本編を鑑賞しようと思いました。(登場する愛國87号という戦車は、除雪車を改造した造り物で実車ではないという)

数えるの禁止令

個展用新作「FLOW(雄島/誰まつしまぞ)」「FLOW(袖の渡り/涙川)」の完成と、朝日新聞挿絵〆切、棟方志功展感想文などの複数案件で、時間との闘いが続く今日此頃。地味なストレスにより頭髪が大量に抜け、繁忙期恒例の円形ハゲが複数発生しちゃった!これ以上のハゲ増産をストップする為、残された日数とハゲを数えるのを禁止しようと思う。

先月の朝日新聞挿絵下絵より
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初めてマンモスを描いてみたヨ
掲載後に牙がへんな所からはえてることに気付いた(けど円形ハゲ防止のため細かいことは気にしない)

黒い船頭さん

黒ベタ箇所が広大な新作「FLOW(袖の渡り/涙川)」の刷りに徹夜で15時間もかかってしまった!中断できず不眠でインクローラーとバレンを動かしながら「万ちゃんは長屋を改造してまでプレス機を置いたのだから、私もカザマランド(借家)に導入しちゃうか…プレス機を!」と手作業から機械化への移行を夢想する。
万ちゃんというのは絶賛ロス中の前回朝ドラ〈らんまん〉の主人公。らんまんの影を追って大泉・小石川・都立大に行きた〜い!けど今は忙しくて行けない。そして牧野博士生誕地(高知県)は遠くて行けない。

歌枕「袖の渡り」と卓上の雄島
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石巻の名所「袖の渡り」は旧北上川にある舟形の石積みで、昔は渡場だったという。袖の渡り+涙川のセンチメンタルな組合せが好まれ、似たり寄ったりの和歌が数首残されてるが、それらを詠んだ京の歌人は実際に東北を訪れたわけではなく、語感の良さから行った気分で詠んだらしい。陸奥は遠くて行けまい!
(船頭さん半分の秘密は完成品をみたら分かる)

どうか神様仏様!

(恒例の) 展示に間に合うか?地獄に突入し、それと並行して五輪塔ブームも盛り上がっている。今は非常に忙しくて書けないが、五輪塔の魅力その詳細については後日ゆっくり記そう。

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先日、棟方志功展の感想文を書くための取材で国立近美に行き、お土産コーナーにて五輪塔カンバッジ(五百五拾圓)を購入。世界のムナカタも五輪塔ファンか?

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刷られる順番待ちをしてる僧侶(見仏上人)の背後にも五輪塔。なぜ半分なのかは完成品を見ればわかる。無事完成するよう信心を持たない私でも神仏に祈る!