夏の日も耐えて忍んだ忍草

暑過ぎ&長過ぎで時間の経過があやふやになってしまった感のある2024年夏秋。気がつけば、もう10月。
主人である私がぐったりと怠けている間に、My植物たちはスクスクと成長!特にシダの巨大化が著しい。
大好きだった朝ドラ『らんまん』に登場した悲運のシダ愛好家・田邊教授。物憂げな教授の影を偲んで忍草…なんて感傷とは裏腹に、逞しく育った我が羊歯をご覧あれ!

[5月上旬]
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庭から盆栽鉢に引越したツワブキ先輩とシダ後輩たち
青の鉢は〈イノモトソウ〉
細長くてカッコいい胞子葉と、笹みたいな栄養葉の2種が一緒に生える面白い草w
ターコイズ色の鉢は〈イワヒメワラビ〉
そこら辺によく生えてて雑草扱いのシダwww

[5月下旬]
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庭から苔を剥いで根元に敷いてみたヨ

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ツワブキ先輩は暑さのせいで茶色くなり、旧葉っぱ陣が次々とリタイア…。最近ようやく新しい葉っぱが芽吹いてきました。
すごく丈夫な普通のシダ(イワヒメワラビ)はあっという間に巨大化!!

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最後の旧葉っぱを除去。
可愛くなってミニツワ君からの再スタートです!

総括『虎に翼』

モデルとなった三淵嘉子さんが実際はどんな人物かは知りませんが、『虎に翼』で描かれたヒロイン像が最終的に「寛容な態度だけど、じつは狭量な似非ヒューマニスト」みたいになってしまったのは至極残念でした。

中盤から「視聴者のこっちが〈はて?〉だよ!」と腑に落ちない場面が多く、終盤でも〈はて?〉頻出。
特に変だったのは、少年法改正の会議で意見した部下が寅子に「立場をわきまえず意見して申し訳ございませんでした。」と謝罪すると「いいのよ。正しくない意見でも最後に判断するのは私だから。」というセリフ。え?せっかく勇気を出して発言したのに〈正しくない〉と決めつけて聞いてるのか!すごい傲慢…。物分かりの良いサッパリした上司風の態度が余計に怖いし。

随所にこのような傲慢さが散見され、結局のところブルジョワ家庭のエリート族が〈下々に寄り添ってますよ〉という偽善で取り繕ってるように見えてしまった。
少年犯罪の凶悪化のくだりでは、いつものように寅子が猪爪ファミリーを居間に招集し「皆んなが知ってることを教えてちょうだい」と巷の非行少年に関する情報を募る(いや現場で見てきなよ…)。この定番の家族会議シーンは、小ちゃい民主主義ごっこを見せられてるみたいで正直げんなりです。

女性の社会進出は「地獄」と大袈裟に表現してきて、現実の(人間社会の)地獄からは敢えて目を逸らすのが寅子のスタンスか?
例えば、少年ライフル魔事件と永山事件。真逆の放任家庭が生み出した地獄とか、戦後の時代を象徴する殺人事件を拾い損なって、死刑の問題にも触れず、ふっとお疲れ顔をして「大変だわ…」で済んじゃった!

また、大きなテーマとして原爆被害者の訴訟も扱ったけど、判決文で国側の非を認めつつ結局は棄却。史実なので仕方ないが、司法の正義を示した画期的な判決、という見せ方に疑問が…。
泥を被らない、責任を回避する判決で、その後もズルズルと裁判が続く地獄。原告が力尽きて諦めるか、老いて亡くなるのを待ってるように私には思えます。弱い立場の人が裁判に人生を費やさねばならない残酷さ。原爆も公害も旧優生保護法も冤罪の再審も…

明日はいよいよ最終回。大円団に向かいそうなムードの今日「法律は万人が幸福な人生を送るための舟だと思います。」と寅子が言った。裁判制度のせいで人生を棒に振る人もいるのに?随分と楽観的だなぁと。まあ最後の一回、ちゃんと見ます。

鎌田慧セレクション第1巻『冤罪を追う』皓星社より発売
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なんで無限に控訴と上告が可能なのか?再審制度の地獄

本日午後、袴田巌さんに無罪判決。もう終わりにして!もし検察が控訴したら…私は呪詛するよ。

夏痩せの逆を行く夏(おそらく終了)

「今週末に暑さ終了」という噂は本当か?
この夏の殺人的暑さを言い訳にして大いに怠けまくり、そのせいで手付かずの仕事と体脂肪を大いに増やしてしまった!やる気は減退するのに、食欲は減退しないのは何故だろう?私のために料理をしてくれる私が、ビールもどき飲料と安ワインにピッタリの晩ごはんを用意してくれましたよ。

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キノコ/ツナ/アンチョビ/ケッパー/ブラックオリーブ/ドライトマトにパセリとニンニクと唐辛子を大量に。好きな食材をおもいっきり投入パスタ。

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お好み焼きにチーズたっぷり(半分は翌日の昼食)

IMG_0513グリーンカレー、この日は素麺で。

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トムヤムクン炒飯

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甘唐辛子と茄子と厚揚げ味噌炒め

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ラタトゥユとクスクス

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ゴーヤとキムチのチーズチヂミ

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(おやつ)
★眩しくて忙しないインスタ世界の発信、まだ頑張って続いてます。見ることが可能な方は是非見てね!

虎に翼にモヤモヤ

バーチャル神田で戦前の雰囲気を醸し出し、市井の人々の姿も描写してたので「良いドラマになりそう!」と大きな期待を寄せた『虎に翼』だったが、戦中辺りからすっかり心が離れてしまった!「はて?」と腑に落ちない箇所が多すぎてモヤモヤ…こんなかんじに↓

●体裁の為に結婚した寅子を戦後もずっと許さないヨネ●お父さんが娘婿の戦病死を半年間も隠蔽●親切心で家庭教師の仕事を紹介してくれた恩師に対し「はて?法曹界に導いたのは先生ですよね?」と怒り心頭。ずっと根に持つ寅子●日本人になったヒャンちゃん、何故か寅子に塩対応●戦災孤児の不良リーダーを自宅で保護。「道男」「ともこ」と馴れ馴れしく呼び捨て合う仲に。それから猪爪家にパラサイト●甘味処を継ぐことになった梅子。店主夫妻に伺いを立てることなく、甘味処で道男の寿司を提供することを独断で即決●問題が起きる度にすぐ「ごめんなさい」と頭を下げる寅子。他の登場人物も同様に「ごめんなさい」を連発(変に神妙な謝罪で何だか白々しい)などなど…。

最初こそ世相を意識したドラマだったが、中盤から外の世界が無い内輪な〈室内劇〉になってしまって超がっかり。LGBTQ/夫婦別姓/更年期障害/認知症など今風な問題も取ってつけた感が否めず…

昨日の回では1969年の東大安田講堂事件が取り上げられ「若者達の社会に対する不満が爆発」みたいなナレーションにも違和感。で、もうそんな時代?というか安保もベトナム戦争も永山事件もスルーして69年に来ちゃったのか!
戦後の復興から高度成長期へ。光と影のコントラストが強まる時代の影の部分を象徴する少年犯罪が永山事件だと思う。家裁判事が主人公のドラマとして、少しは(ニュースを見る場面とかで)触れておいた方が良かったのでは?

最終回まであと数日。数々の「はて?」がすっきりするような展開に期待です!

高度成長期の暗い影…青春残酷詩1970
IMG_0505あしべつひろし『狂っちゃいねえぜ』
田所久詩『死刑(リンチ)』
不幸な出自、貧困、差別、無知、思慮の浅さ…無軌道な若者たちが破滅に向かって真っしぐら!つたない絵が救いの無い不条理物語を際立たせる。
1970年刊行のこれらの漫画は、永山事件にインスパイアされたのだろうか?

グーグルに記憶を尋ねて

「パズルみたいで具象でも抽象でもない、アール・ブリュットのようでそうではない絵を描いてる人って誰だっけ?えーっと名前が出てこない…」と記憶力減退が顕著な今日このごろ。私が思いついた解決策は、うろ覚えの絵の似顔絵を描いて写真を撮り、グーグルフォトの検索機能で探してもらうという方法だ。

パズルの寄せ集めみたいな黒い輪郭線にたまに縞々、の似顔絵を描く→検索。
答え「ジャン-デュビュッフェ」でした。
そして新たな謎。じゃあ私がデュビュッフェだと勘違いしてた黒いバサバサした輪郭線の画家の名前は?似顔絵→検索。答え「ビュッフェ」でした。

超便利!しかしこれは似顔絵の再現力が問われる方法だ。試しに他の画家でも検索してみたよ。当たるかな?

「私は誰でしょう?」
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 デュビュッフェ君でした

「では私は誰でしょう?」
IMG_0326ビュッフェさんでした

「あなたは誰のつもり?」
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ロットルフの木版画のつもりでしたが、検索結果は✖️
むしろ枝野幸男氏に似てる。

「あなたは?」
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ヘッケルの木版画を思い出して描いたけど微妙な結果。
棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子が検索結果に出てくる。なぜに?

「あなたは?」
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ペヒシュタインの素描のつもりで描いたが全然ダメ。
ていうか、元の記憶が間違いで、ペヒシュタインでなくヘッケルの絵だった!

(ブリュッケの画集より)
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記憶はこの女の子でした。ヘッケル作です。

交通事故と美術の鑑賞

昼食後のコーヒーを飲みながら心静かにCD(ニーチェ歌曲集)を聴いていると、窓の外から「グワシャーン!ガガガがガー」とただならぬ衝撃音が!え何?事故かな…と障子を開けたら、横から自動車に突っ込まれて停車する東急バスの車体が塀越しにあり、オロオロと頭を抱えて右往左往する乗用車運転手の姿が見えた。

「やっぱり人間はピンチに陥ると頭を抱えるんだなぁ」と変な感動を覚えて私は外に飛び出した。そして、運転席側面がベコっと凹んだバス/バンパーがべろっと捲れた自動車/続々と集まる小学生野次馬をしっしと追い払う婦人警官/通行止めをくらった後続車の列を見る。
幸い怪我人は無く、バスの乗客たちはゾロゾロと降りてきて、呑気に壊れた車を見物してるのだった。事故現場には涼しい風が吹き長閑…。

「こんな爽やかな日はお出掛けをしなくちゃ!」とふいに思い立ち、会期終了が迫る須田国太郎展を観に行くことにした。家から世田谷美術館まで徒歩30分でちょうど良い。

「1階は撮影OK!」と受付で撮影を勧められた。 IMG_0410遠慮なく撮影。いい絵たくさん!

IMG_0412ほんと良いよね。イヌワシ

IMG_0427こういう油絵を描きたい。油絵具もってないけど。

IMG_0422めろんとかぼちゃ (訂正: めろんと西瓜でした)

IMG_0430砧公園。こういうどうでもいい風景を描いてみたい。

 

雨に唄えば

雨足とはよく言ったものだ。本当にバタバタと遠くからこちらへ近づいて来るのが足音のようによくわかる。
遠方の台風(のちに熱帯低気圧)から千切れ飛んでくる雨雲の通り道となった我家の上空には、何度も何度も雨雲が来ては去り、時折り不気味な雷鳴も連れてきた。こんな忙しない荒天の日は(たぶん雨音で声が掻き消されるから)家で演歌を存分に歌おう。大声で!

おれは河原の枯れススキ♪同じお前も枯れススキ♪
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藤圭子『人生・昭和を歌う』CD全21曲をフルコーラス!
おとなしい観客の諸君。私の十八番、網走番外地/かえり船/船頭小唄/裏町人生はいかがだったかな?

雨にぬれても(台風10号余波)

一昨日の深夜は、枕崎のライブカメラの配信に夢中。それは暴風雨に晒される一本のヤシの木の姿なのだが、倒れそうで倒れないヤッシー君の奮闘ぶりから目が離せず何時間もボーッと視聴した。
昨日の深夜は、多摩川が増水する様子を定点カメラで何時間も観察。幼少の頃より親しんだ二子玉川の川原がどんどん水で埋まっていく状況にハラハラ!よく登って遊んだ兵庫島という名の小山は、水位が6mを超えて氾濫注意報が出た頃に本当の島になった。

「水に浮かぶ兵庫島が見たい!」この抑えきれない欲望を実行すべく、目覚ましを5時に設定し、田園都市線始発に乗って駅のホームから見ようと計画。
そして早朝に目を覚まし枕元のスマホで二子橋の現状を確認。紫色の薄明りに映えるたっぷりと水を湛えた川面を眺めて何だか満足してしまい「雨降ってるし止めよ…」と二度寝を決め込んだ。こうして不謹慎の誹りを受けそうな行動は無事に回避できた!

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島になった兵庫島

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雨が止んだので商店街へ。豪雨に打たれ続けた果てにMAXブヨブヨになったコーラグミが落ちてたよ。3
倍以上に膨張した巨大グミを君はみたことあるか?

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雨に濡れたRも落ちてた。もちろん拾った。
雨に濡れても…ロバート・レッドフォードのRかな?

平和と丸腰ダンス

〈パリ五輪大会の新種目ブレイキンを見て〉
円形ステージで対峙する2人。睨み合い一触即発の雰囲気(え?ケンカ?!)…という小芝居を披露。そして「じゃあ俺から」と阿吽の呼吸でダンスが始まり、DJの即興音楽に合わせクルクルと背中で高速回転したり、宙で足をビシッと静止させたりを繰返す。敵は傍らで見守りながら時折「ほら今ミスった」と床を叩いて揚げ足取り。そんな嫌味な挑発行為をしてたのに、両者の演技が終わると「お前やるじゃねえか」とハグをして讃えあう…。
この様式化された一連の所作に「お相撲みたい」と感心した。バトルであっても平和に終わるお約束は儀式のようで後腐れなく清々しい。

私は30年前に漫画『空手バカ一代』にハマって、大山倍達が戦後の空手を「空手ダンス」と揶揄し憤慨する姿に共感していた。寸止めのカタを競う空手なんて骨抜きされたパフォーマンスだと・・・しかし今回の丸腰ダンスを見て、非暴力の意義をあらためて実感「一撃必殺を実践したらいけない!」
空手もブレイクダンスも柔道もフェンシングも命を賭けるものではない。ましてや国など背負ってやるものでもなく、民族文化の盗用など騒ぐのもナンセンスだ。
空手ダンス上等!世界のあらゆる抗争を「闘争的小芝居からの和解」という様式美を尊ぶスポーツにしたらよい。

ギャングスタ、それもポーズ。
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MONEYネックレスは四半世紀まえに福祉バザーでゲット(¥200)

3度通過する金曜日

「けこぼ坂上で下車だ」と、バス車内の電光掲示板と車窓を注視していたのにうっかり見落とし通過…終点の目黒駅ひとつ前の「権之助坂」まで来ちゃった。

目的の青山目黒からずいぶん離れてしまい「どうしようかな」と、炎天下の路上で目を泳がせていると、目黒区美術館のポスターが見えた。
「武井武雄展をやってるのか」と、絵本でみた左右非対称のこわい顔を想い出しちょっと気が引けたけど、偶然(失敗して)近くまで来たので観ることにした。『地上の祭』という不気味で素晴らしい銅版画の本は、原画ではなく資料写真の展示で残念だった。

それから徒歩で大小の坂を上り下りして青山目黒に着いた。巷で大評判の展覧会〈なくなる〉を楽しく拝見。言葉のセンスに斬り殺されそうになったが、青山さんが作品の紙をくれたので生き返り、ホクホクした気分で帰りも行きと同じ路線のバスを待つ。

「パクチーを買って帰ろう」と、乗ったバスは私の町を迂回して隣の町に着いた(また失敗)。売切れのパクチー以外の買い物を抱え、谷山浩子の『地上の星座』という寂しい歌を歌いながら夜道をトボトボと歩いてたが、スマホが発する大音量のアラートに驚かされ立ち止まる。
震度3の地震は私の知らない間に地上を通過した。バスは目的地を2度通過した。合計3度も通過した1日だった。

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