コワいトーチカ

富山トーチカ2基目を見つけるため、同じく南砺市内の城端という地区に向けてジムニーを走らせる。野焼きの煙、巨大な堆肥の山が発する臭気や、路上で車座になって休憩する労働者グループに行く手を阻まれながらも、カーナビ誘導で「たぶんこっちですよね」と畝った道を進入。すると路上のオジさん衆が見せた(あっちに何の用が?)という怪訝な顔の意味がわかった。その先は立ち入っても無意味なループ状奥の細道で、仕方なくターンをして再びオジさん衆の邪魔をして戻る。

地図(まっぷる)や市の観光HPで「ファミリー向け散策コース」と案内されていた監的壕周辺地域は、辿り着くと野獣出没の注意喚起のされている山林で、想像していた環境とはまるで違う…。そんな不穏な気配漂う林道のカーブに丸山監的壕は佇んでいたのだ。冷徹な薄眼でこちらを見てる!その深くえぐられた銃眼から放散される視線の冷たさに怯える私は「さっきのはかわいいトーチカで、こっちはコワいトーチカですね!」と見たままの感想を同行学芸員さんに告げるのであった。


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(かっこいい) 段々が深く刻まれた銃眼はコンクリートの堅牢な厚みを物語る。

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このようにデカい。そしてなんかコワい。

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背面にある90cm四方ほどの鉄扉の隙間から内部が見えた。
C字形のベンチがある。ここに座って銃を構えたのだろうか?

かわいいトーチカ

先月の富山視察2日目はトーチカ見物に始まった。以前の戦争遺跡遠足といえば、まず図書館の史跡研究書で目的の戦跡を探し、そこに記載された案内図と県別ロードマップを見比べて、ザックリ書かれた案内図の地形や道路に該当する場所を絞っていき、そのロードマップをコピー機で複写。それを旅のシオリにして出掛けたものでした。だが今は違う。グーグルマップに遺跡名を入力するだけで場所がアッサリと判明!しかも、今回は素敵な学芸員さんの運転するジムニーで楽ちんドライブです。
どちらかというと能登半島の付け根に近い南砺市の福光地区。GPSを頼りに「本当にこんなところにあるのか?」と疑うような長閑かな田園地帯をキョロキョロしながら車を走らせてると…。キャーッあったよ!こんな可愛いトーチカ見たことない!雲ひとつない碧天、枯草の眩い丘の上の異様に丸いコンクリート塊がみせる超現実的な光景に狂喜しました。(この後にコワイ感じのトーチカを見物)

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嘘のような青空と巨象のような監的壕

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夢みたい。でも夢じゃない。
形も大きさも素晴らしいトーチカは立野原陸軍演習場跡に在る。

夢が叶った!

いつ出るのか?そして記念展に間に合うのかと各所で心配された『予感の帝国』はギリギリ刊行され、そのナディッフ展も昨日無事に終了いたしました。今日は展示の撤収に行き、会場に置かれた芳名帳で多くのお客様にご観覧いただいたことを知りました。記帳された方もされなかった方も皆様有難うございました!

私は予てより作品集が出たら「中村宏先生に献本したい」という夢を持ち続けていたのですが、先週土曜日にその夢が(アッサリ)叶いました。折良く先生の個展最終日に伺うことができ、直に手渡ししました (ヤッター!)。我が『予感の帝国』の表紙をご覧になった先生は「ほ〜んと、笑っちゃうよナ!」と仰り実際に笑ってました(よかった〜)。私が如何に先生を尊敬しているか実証するため、新アイホン5のピカピカ画面に移動した〈入間基地壁紙〉をお見せしたところ、「どこでこの写真を?」と驚かれ「後ろの航空機が良いねェ」「マシな顔に撮れてるな」という感想をいただきました。この写真は約30年前の美術評論誌『機關15』中村宏特集で書かれた〈自筆年譜〉に添えられたアルバム写真で、ほかにも赤ちゃん先生や垂直の岩山を登る先生など貴重なお写真が多数掲載!
…帰り際せっかくなので、先生と一緒に記念撮影をしましたが、すごく緊張して変な硬直顔に…この写真はいつかまたの機会にお見せしましょう。

〈1978年、山小屋を建てる〉
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私のアイホン5同様すでに生産終了した国民車と46歳の先生
練馬から八ヶ岳山麓まで完走したワーゲンは、アウトバーン以外の悪路でも走行可能であることを実証したと言える。

ナディッフ展9日まで!

先月9日から『予感の帝国』先行販売と同時に開催された、恵比寿・ナディッフアパートに於ける〈予感の帝国展〉はいよいよ明9日終了となります。次回はいつどこで展示できるか未定の『九軍神』『漫画ディスリンピック』など、お見逃しなきよう御高覧の程よろしくお願いいたします!漫画に関しては「完成したらアメリカで出版したい」という米国の漫画研究者のありがたいご要望をいただきましたが、完成目標は80pぐらいなのに、あれから1pも描いてなく未だ6p止まり!版画や他の作品をやりながら漫画を終わらせるのはまさに至難の技。しかし中途半端はいけないので頑張る(つもりです)。続きが描けたらまたお見せしましょう(いつになるのか?)

ナディッフ店内ではナディッフ謹製グッズ(Tシャツ/缶バッジ/大型シール)のほか、ドジョ戦記グッズ、ぼんやり階級トート、絵葉書も販売中!そして〈窓黒ブックフェア〉も続行中!しかしこれらは会期限定コーナーにつき9日以降は撤収!『予感の帝国』と合わせてこちらもお買い逃しのなきようヨロシクお願いしま〜す。

〈風間グッズコーナー〉
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多種多様なお品を揃えております。

〈お土産にいかが?〉
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丙・丁・戊の各人肖像のミニ缶バッジ

〈朝日新聞/書評欄でご紹介〉
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「前近代的で、土俗的、呪術的でもある木版画」と書かれている。そんなちょっとコワい木版画多数掲載の『予感の帝国』は恵比寿ナディッフにて絶賛発売中〜!

惜別まだらスマホ

昨年の夏、私の不注意によりビールでビチョビチョになって以来、白とグレーの斑紋を顔に浮かばせ、不調を訴えながらも必死に頑張ってきた我がまだらスマホと、この度お別れをする決意をしました!バッテリー故障でしばしば暗転、稼働停止しても、私が古い小型アイホンに固執し、尚もしつこく愛用しているのを見かねた妹が、同機種の在庫がある店舗を探し出し「希少なので来年には入手不可になるよ」と早期購入をすすめてくれました。先日のダム写真の失敗もあり「しょうがないか…」といよいよ重い腰を上げたわけです。
昨日午後3時に妹同伴で携帯ショップに行き、店員の説明を受け購入。それから妹の家で1号機の電脳情報を丸ごと2号機に移植する作業に入るも、全ての移行完了したのがなんと午前1時!それというのも、私は電子機器操作が不得手なため、ほぼ毎日送られて来る〈アップデートしてください〉〈200週間バックアップされてません〉などの通達を購入から4年50日のあいだ一切無視。その結果アイホンが未学習のまま放置され、情報を移動させる能力や余力が失われてしまった(らしい)。可哀想な私のまだらスマホよ!累積したインストール怠慢のツケは深夜に及び、私は終電を逃しました。

〈ダム展望室にて〉
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(鏡を利用して)撮った一枚が、君と最期のツーショット。

〈入間基地視察中の中村宏先生は〉
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この斑ら画面内で不快だったであろう…
先生もピカピカの新画面に無事お引越しできました!

黒い渓谷

先日の「新幹線で富山県に行き」そして「標高3000メートル越え(の立山)を登頂」という既報は私の誤認であり、「新幹線で長野県まで行き」それから乗物登山しトロリーバスで「立山中腹の標高2400m付近貫通のトンネルを横断した」というのが正確な情報でした。よく考えたらド素人がそう簡単に霊山立山を制覇できるはずがなかった!
私の富山県の地理感覚の無さが露呈した形となりお恥ずかしい限りですが、この急な富山視察旅行は、来年晩秋に黒部市美術館で発表予定の『コンクリート・スイート(組曲)』と題した新作のための取材だったのです。…新しい神(人間)による(コンクリート)築山造園を巡る新しい神話というのがテーマです。そこでまず黒部と聞いたらコンクリートの神殿・黒部ダムの見学必至だろう。となったのですが、立山黒部アルペンルート入山は11月までで、12月から来春まで閉鎖されると知り、急遽立山連峰を訪れ人工の山岳美を鑑賞し写真に記録 (するつもりが、途中でブラックアウト…)。スマホが謎故障する直前の写真がこれで〜す。そして写ルンですにはあと7枚残があり現像に出せずにいます。(何を撮ればいいのか?)

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「ダム〜〜!」
積雪の影響で展望台が立入禁止 (展望室から撮影)

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聳えるコンクリートの神殿(ケーブルクレーン基礎)

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ダム湖上空、飛翔する昇り龍のような雲を発見す。
これを吉兆と見傚したのだが…

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人工の山と渓谷に感動し、これら全景を切り取れる位置を見つけ、いざ撮影というタイミングで故障…というマヌケな顛末は前述のとおりである。

一本刀土俵入り

「何故ナディッフで歌謡浪曲が?」トークで来店した私は、今時居酒屋でも流れない奇妙な楽曲を訝しんだ。落ち着いてよ〜く耳を傾けるとそれは二葉百合子の歌う〈一本刀土俵入り〉で、私が先日預けた厳選CDを、BGMとしてちゃんと流してくれていたのでした。それが終わったと思ったら次はザ.レジデンツ〈Die In  Tellor〉この何とも混沌とした選曲を家の外で聴いてみて、かざまランドでは自覚しなかった異様さを感じ、これを会期中なんども聴かなければならない店員さんは、さぞかし辛いだろうと想像する(スミマセン)
しかしこのお店提案の演出のおかげでアウェー感なくリラックスでき、足立さんとのトーク会では珍しく固有名詞を忘れずペラペラ喋ることができました (もっと足立さんの話が聞きたかった、という感想に申し訳ない気持ちです…) 木戸銭の返却を求めるお客様の声もなく、無事にトーク&サインの会が終了し安心しております。ご参加してくださった皆様、誠にありがとうございました!

〈任侠股旅演歌ベスト〉
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「男度胸をつっかい棒に やくざ渡世に命をかける任侠道、唄ってみようよ男唄」
男ではない私の愛唱する股旅モノは三橋美智也の『流転』(みんなも唄ってみようよ)

(業界の事情により)
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『潮来笠』は橋幸夫『花と竜』は村田英雄と相場が決まっているが、他社所属歌手の歌唱楽曲は使用できないため、このキングレコード自社の(あまり有名でない)上手な歌手が代わりに歌っている。(いわゆる本人歌唱ではない)

刊行記念トーク会(本日18時)

先日お知らせしたとおり、本日夕方6時より恵比寿ナディッフ店内にて刊行記念トーク会開催です。未だ定員に満たないため当日(すなわち今日)じかに会場に行っても入場可能と思われます。買った本にサイン及び変な絵記入を希望される方には喜んで書きますので遠慮なくお申出ください。サイン用ポスカ(銀色のみ)を忘れずに持参していきま〜す。

〈マイ死刑宣告〉
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トークでは展示作品の解説も予定されていますが、漫画ディスリンピックは6Pしか描けてないのに、長編あらすじだけは完成しこの話をするとすごく長い!なのでほどほどにしておきます…。
研究者・足立さんとの貴重な対談なので、私はこのような古本を持参し「反逆と美術」について専門家のお話を伺いたいと思います。

『予感の帝国』刊行記念トークイベント
12月1日[土] 18:00-20:00(開場17:45)
足立元(視覚社会史研究者)× 風間サチコ

会 場:NADiff a/p/a/r/t 店内
定 員:70名
入 場:1,000円
予約制:TEL. 03-3446-4977
*詳細→NADiff a/p/a/r/t

土曜日はトーク会

ただいま開催中〈予感の帝国展〉は12/9までで、会期はあと10日ちょっととなりました。そしていよいよ今週末12月1日(土)は、足立元さんとのトーク会が開催されます!
対談のお相手をしてくださる足立さんは、35歳の若さで良著『前衛の遺伝子』を世に送り出した視覚社会史の研究者です。埋没した日本のアヴァンギャルド史を発掘し綿密に研究したこの本で、私も戦前のアナキストと美術の動きについて詳しく知ることができました。(プロフィールで私より五歳も年下ということが分かりビックリ!) その著者の足立さんに初作品集の論考を執筆していただき、さらにトーク会に登壇していただけるとは…奇妙な巡り合わせに感謝です。どんな対談になるかドキドキですが、今回は木戸銭を徴収するイベントなので、聴衆皆様から「金返せ」との声が上がらないように、1000円に値する対談が出来ればと意気込んでおります(たぶんまだ残席があるから) 観覧ご予約お願いしま〜す。

〈前衛の遺伝子〉
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恵比寿ナディッフで欠品することなく取扱い続けている『前衛の遺伝子』は美術書店推薦の一冊!

『予感の帝国』刊行記念トークイベント
12月1日[土] 18:00-20:00(開場17:45)
足立元(視覚社会史研究者)× 風間サチコ

会 場:NADiff a/p/a/r/t 店内
定 員:70名
入 場:1,000円
予約制:TEL. 03-3446-4977
*詳細→NADiff a/p/a/r/t

写ランのです

次回作のためのダム&トーチカ視察は、昨日、長野県扇沢から北アルプスに(バスで)入山し、トロリーバス/ケーブルカー/ロープウェイとあらゆる登山乗物を乗り継いで、標高3000メートル超の白銀の峰を登頂し、そして難なく立山を(バスで)下山。そして今日トーチカと黒部市美術館訪問で無事に終了しました。
…と言いつつ無事でなかった出来事もあり、視察最大の目的地であった黒部ダムの堤中央付近で、いつものスマホ故障が発生し撮影不能に…。画面は真っ黒、頭は真っ白!なんたることよ (やはりスマホを買替えるべきだった)。急場凌ぎで描いた鉛筆スケッチの筆跡は、アクシデントの動揺が反映し非常に弱々しい。これではさっぱり役に立ちそうにありません。次のロープウェイ駅で発見した『写ルンです』の懐かしい姿は、絶望の中で神々しく輝いて見えたのでした。(つづく)

(たぶん山とダム)
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ここは記録したかった(落涙…)

(山から海へ)
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石、石、石…生地(いくぢ)の海岸は黒部渓谷から流れて来た丸石でまるで河原!
かわいい石を拾って昨日の失敗をケロっと忘れる。(学芸員さん撮影)