八九式活動写真銃改二

二月の終わり頃。新井卓さんの写真展会場にて、いつのまにか五歳児に成長した知人のお嬢さん(おぐちゃん)と一緒に長椅子に座り、B25から無数のカボチャが次々と投下される映像作品を、カボチャの形体や(編集で)消えるカボチャの謎などああだこうだ言いながら楽しく鑑賞する。そしてその晩は日中の記憶を反映した下の図のような夢をみた。
どこかの書店の二つの書架に挟まれた細い通路で、女店員が匍匐の姿勢で銃を構えている。ガラス張りの窓外に照準を合わせている最中で、おおよそ木の枝にとまっている小鳥の連続写真でも撮影しようとしてるにちがいない。私が「その写真銃はどこで手に入れたのですか?」と尋ねようとしたら夢は終わってしまった。
この銃は同時開催の展覧会に飾ってあった珍しい銃型カメラで、名前を八九式活動写真銃改二という。帝国海軍が航空機に搭載した機関銃の射撃訓練用(弾道を連続写真に記録するため)に開発されたものらしい。おもしろい形だったので「ちょっと欲しい」と思ってたら早速夢に登場したという訳。こんな物欲がダイレクトに現れる夢より、その日に見たラルティ—グの写真みたいなフワフワしたロマンチックな夢が見たいなあ。

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鬼子展情報

明後日12日より青山の岡本太郎記念館で開催の「20人の鬼子たち」展に参加します。毎年岡本太郎美術館で発表されるTARO賞の20周年を記念した展覧会です。私は10年前に優秀賞と百万円をもらった。そして有難いことにその事実を10年間をも忘れずに今回の展示に招いて下さった、という訳です。 若手から中堅ベテラン作家までいろいろと展示されます。是非お立寄りくださいませ!

サバ
「サバ景圖」部分
山水および林泉の勉強を騙ってお皿や石を購入(浪費)した成果がこの絵に出てるかな?それは実物を見たあなたが判断してくれたまえ!

【展覧会情報】
TARO賞20年—20人の鬼子たち—
岡本太郎記念館(東京/青山)
3月12日〜6月18日 (火曜休館)

※11日 14:00〜内覧会その後レセフ°ション

四次元ボ—ヤ

「君は磨く派?磨かない派?」と訊かれたら無論私は磨かない派!というのは石の話で、野老さんとのト—クショ—でも議題にあがった水石加工の問題。野老さんは青森で出会った愛石家が毎日石を磨く姿に感銘を受けたこともあって疑いもなく磨く派だ。そして底切りに関しても寛大で、私のアンチ加工と相反する立場であることが判明。底切りというのは自然石の底を切り落として座りを良くし、山などの景色を作り出す作為的行為のこと。さらに磨いたり削ったりして山の稜線を強調させた石にいたっては「それって工芸品じゃん?」と私は思っているのだが…。しかし私の否定論も野老さんと同じく昨年暮れに行った盆栽水石店主人の影響で、ご老人の指南する養石(風雪に曝す時代付け)も広義で加工かもしれない。自然の縮図を石の姿に観たいというのは、石鑑賞において回避出来ない欲望であることに変わりないのだから…

そして「無闇に石は買うまい」と自制してきた石購入をこのほど解禁!府中市美公開制作中に沖縄料理屋で酒を片手に(ヤフオクで)落札!酔った勢いでクリックしたけど買って良かった〜私と四次元ボ—ヤのフィ—リングはヒ°ッタんこで—す。

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こちらが四次元ボ—ヤ(もちろん無加工)
足寄川石特有の甌穴が仄暗い地底王国(かざまらんど)から仰ぎ見る天体のようでもあるが、具象的対象を見出すのも退屈なほど美しい(と思う)。

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〈不動のツ—トッフ°〉ハダリ—&四次元ボ—ヤ。決めた決めたお前らと道連れに!

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本家四次元ボ—ヤは杉浦漫画に登場する未知の存在

 

十円玉で買える幸運

もしかしたら本を借りている間に出店されたのかもしれない。行きには気がつかなかったのだが、図書館の帰りに10円均一ショッフ°を薄暮の路肩にみつけた。白いブロック塀の裾をふちどるコンクリ蓋の縁石に丁度乗る大きさのこれら魅惑の商品…ミニ草鞋/ティッシュカバ—/枯れた茎が数本生えた品種不明の植木鉢/謎の球体おもちゃ/おまじないトロ—ル人形が陳列販売されている。オ—ル十円ホ°ッキリの良心的価格!そのうえ性善説に則った無人販売システムときた。が、しかし私にはまったく不要な品々であることと、極彩色の毛髪を逆立てた親指大のトロ—ル人形がヘ°ア—で目玉をギョロつかせているのが怖くなり、ろくに物色せずに早々とこの店を立ち去ることにした。それにしても、あんな不気味なお人形がほんとうに幸運を招くのだろうか?

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〈10円ショッフ°!!〉走り書きされた黄色い看板が目印

憂愁の断面

紙にインクを落とし二つ折りにして、再び開いた時に現れる左右対称の図像に何を見出すか?ロ—ルシャッハテストによる回答には、被験者の性格や心理が投影されるという。
(そしてテストは突然に…)テレビに映し出された最近巷で流行中のお弁当、わんは°くサンド「萌え断」の左右対称に開かれた断面から私が見出したものは憂愁の顔である。明らかに多すぎる紫キャベツから溢れる不安と、その下で抑圧されたゆで卵の疲れ切った眼差しだ。
(我が子に野菜をたべさせたい)薄い食ハ°ンの間にこれでもかと詰め込み過ぎた親心は、食品用フィルムで緊縛されたのち切断される。子供が萌えよろこぶ断面がそこに現れたら段取りは成功(これは成功なのか?)わんは°くサンドの断面に不安を見たあなたも私も疲れているにちがいない。

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室内アンテナでテレビの視聴が可能に!

【お礼】
昨日26日をもちまして府中市公開制作の会期が終了いたしました。
遠路遥々ご来場くださった皆様、お菓子やお土産をくださった皆様、帰りに一緒にお酒を飲んでくださった皆様、沢山の応援をいただき本当にありがとうございました!
早起きがつらく体調に異変をきたしましたが…また夜型に戻ってがんばりま〜す

 

中年は氷島をめざす

昨日の野老氏との対談というより寧ろ放談だったト—クイベントは、一時間30分愉快にしゃべって無事に終了。お集りいただいた聴衆の皆様ありがとうございました!府中市美公開制作の行事もこれが最後で、26日会期終了まで作品展示されるのみとなりました。入室可能日は25、26日だけですが、ご高覧の程よろしくお願い致しま〜す(私は不在です)
そして昨日19日はmy誕生日でもありました。とうとう四捨五入して50歳の年令に…紛う事なき中年です!トホホ〜。しかしそう悲観してばかりもいられないので、若かりし頃に読んで「この詩集は年をとらないと共感できないなぁ」と思ってた萩原朔太郎「氷島」を購入。もちろんカッコいい復刻版を!題名「氷島」は私のスロ—ガンでもある「南風のもとに生きるよりも氷上に生きるに然ず」というニ—チェの言葉に由来すると憶測します。現に初期の恋愛詩に対する小解で「我の如き極地の人、氷島の上に独り住み居て、そもそも何の愛恋ぞや。過去は恥多く悔多し。これもまた北極の長夜に見たる、侘しき極光(お—ろら)の幻灯なるべし。」と自虐の弁を吐露しているので間違いない。…過去は恥多く悔多し(笑!)左様、若気の至りに赤面することも多いが、きっとこの先には更にデッカい恥が私を待っているであろう。ドンマイ朔太郎!私は恥の大河も溺死必至で渡る覚悟だよ。そして悔恨の涙にうるむ極光オ—ロラを見るのだ!

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「ザ.アイスランド」これは大学ノ—トを模したデザインが美しい詩集「氷島」
「自己愛にあふれた悲壮」という二十代当時の感想は、萩原朔太郎がこれを書いた年令と同い年になっても変わらなかった…それはそれで良い。

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「箱も良い」出版社名のロ—マ字がびっちり並んだ包装紙風デザインも芸が細かい。

19日はト—ク!

すでにずっと以前から活躍されている氏を、このようにご紹介するのはかえって失礼な気がしますが…。秀逸なオリンヒ°ックエンブレムを制作された野老朝雄さんと19日(日)府中市美術館にてト—クをしま〜す!昨年11月から始まった公開制作最後のイベントとして相応しい(それ以上の)ゲストをお招きしての公開対談です。
一昨年の青森ACAC滞在中に、青森の色々な文様を発掘するというフィ—ルドワ—クの拠点をACACに置いていた野老さんと出会いました。八甲田山の森林奥深く隔離された施設にて、下界でのテンション以上にしょっちゅう飲んで喋って親睦が深まりました(終電知らずの最高の飲み会)清浄な空間でヘ°ットボトル入りの燃料みたいな安ウイスキ—を青森の水道水で薄め、エンドレスに飲んだ日々が懐かしい!
という経緯で友人になった野老さんと放談(私はノ—フィア—だ!野老さんは…?)する予定です。予約不要で観覧料はタダ!皆様ぜひともご傾聴のほどヨロシクおねがいいたしま—す!

☆ア—ティストト—ク「たゆまぬぼくら」☆
場所:府中市美術館/講座室
日時:2月19日(日)14:00〜
予約不要/無料!

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版木も展示中(公開制作室)

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人間ヒ°ラミッド大成功!(これも展示中)
20人募集のところ9人のみ集まった先鋭参加者陣と築いた正三角形は大成功をおさめた!
各自2人の分身と私の分身が3人。頂点で闘志をむき出しているカザマ配下には参加者自画像をはじめ悪魔/犬/猫/骸骨/母親/娘など、自画像という指示に忠実なある意味で自己の分身が大集合!

府中は今…

先週末から公開制作の展示(成果発表)を開始する予定でしたが、事前に決めてたノルマ達成ならず大幅に遅延してしまった…。がしかし!やっとやっと昨日完成し展示しました!ガセ情報をもとに見物に来て下さったお客様、誠に申し訳ございませんでした。
今日から26日まで公開制作室に展示されてます(土日のみ入室可能)私自身もまだ観に行けていない本展「魅惑のガラス絵展」とあわせてご観覧くださいませ!

【報告1】
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作業はたゆみなく敢行した(ハズだ)が苦戦…
木版画『決闘!硫黄島(近代五種麿参上)』
アルミ箔フスマ『人間富嶽』
その他に今回は特別!版木も展示してま〜す

【報告2】
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過日2月9日明治記念館にて「創造する伝統賞」という立派な賞の授賞式がありました〜これは金屏風を背に魚の皮のような盛装姿で賞状を授与してる場面(どう振る舞えばよいか分からず、前に授与された青木先生の所作をマネをして、来賓各位に賞状を見せびらかしている)創造する伝統!私にとって創造は虚無であり、伝統は反逆精神である!

【急告!】
明日は府中市美術館ワ—クショッフ°〈だが参加者少数の危機!〉
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参加者不足が恒例となってしまった私のワ—クショフ°(もちろん今回も同様だ)
本日中に府中市美術館に参加希望メ—ルを送れば間に合うそうです(急げ!)
この図の若人達(ヒトラ—ユ—ゲント)の妙技に負けないような人間ヒ°ラミッドをみんなで作ろうではありませんか!

府中市美術館ワ—クショッフ°〈木版画で参加!夢りんヒ°ック〉
2/12(日)午後1時〜5時 創作室にて(小学5年生以上)参加費100円

おしらせ2つ

【おしらせ1】
本日29日で府中市美術館の制作場面公開は終了です。もとい、公示日程では本日終了。ぜんぜん作業が終わんないので来週の平日も行くことになるよ。とほほ…。今日ご来場されたお客様は、真顔の下に焦燥感をひた隠しバレン片手に仕事をする(本当はマジであせってる)美術家の姿を見学できることでしょう。終日刷り作業の予定!いちおう2月5日から展示(間に合うかな?)

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このように自宅で必死に彫っているが間に合わず!

【おしらせ2】
1月30日から神田神保町の文房堂ギャラリ—で開催される、ムサ美関係のグル—フ°展に参加します。初日はシンホ°ジウムがあり私はマジメなことをしゃべる予定!

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シンホ°ジウム「版画と社会」会場:文房堂ギャラリ—
1月30日(月)16時〜18時(その後レセフ°ションあり)

私の息抜き

公開制作や新作の制作等がのっひ°きならぬ状況に陥り、今年もまだ一ヶ月も経たぬうちに早くも息切れ状態の今日此頃ですが、そんな時こそ深呼吸と息抜きが必要です。といってチョットお散歩という余裕もないので、家から出ないで楽しめる気分転換の方法をあみだして実行しておりま〜す。

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小石(盆石用)をならべて遊んだり

漫画(杉浦茂)を読んだり
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短編〈砂の星〉より
「最近では「モノリスこそ全宇宙人類の『輪廻転生』への発源体であろう」と…….」「ややっあれは?」「ええっドッタノ?」〈おわり〉

え〜?!核心に触れそうな展開でまさかの〈おわり〉….
ドッタノ?とはこちらが訊きたいところだが、出来事というのは間断なき事象の連続の一部でしかなく、たとえ前後がなくても全体は存在する(漫画だってそうだ)敬愛する唯一者杉浦先生がヘ°ンを置かれてもお話しは異次元で継続中にちがいない!

それから名前に濁点をつけてみたり
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「ガザマ″ザヂゴ」と書いてみて間(マ)だけ濁れないことに気付いた。
この図は「間″」の形体から連想し描いた。先ほど登場のモノリスみたいな石板型の鑑賞石に雨(濁点)を降らし一条の滝ができたところ。