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銀色に輝くモノグラフ

ただいま東京都現代美術館で開催中「TCAA受賞記念展」は受賞作家が受けるサポートの三本柱の一本で、もう二本は海外活動支援(渡航援助など)とモノグラフ(非売の作品集)の制作及び刊行です。このモノグラフは定められた判型さえ守れば如何様にも造本することが可能で、私の場合はキラキラと光り輝く銀紙が張られた斬新で美しい表紙が特徴的な本になりました!

この素晴らしい装丁と本文デザインをしてくださったのは、昨年2月無人島個展のセメントDMを作ってくれた吉岡秀典さんで、編集は『予感の帝国』刊行に尽力してくださった朝日出版の綾女欣伸さんです。そして経歴や作品情報を逐一チェックしてくれたのはチーム無人島、略してチー無の皆さんです。(私の記憶は曖昧で頼りにならない)
皆さまのお陰で完成したこの本は、残念ながら販売されませんが、展示会場(最後の部屋)で閲覧することができます。表紙の銀紙は非常に指紋がつきやすいので、来場者がこの本『Magic Mountain』を手に取ってくれたかどうかは表紙に脂がついてるかどうかで判断できる。ちなみに「銀張る」とは歌舞伎用語で顔面の白粉に脂が浮いた状態のことを言うらしい。銀張り表紙が銀張っているか(みんな見てくれたか)確認しちゃおう!

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『Magic Mountain』ロゴが凹凸だけで表記されてます。湖面に山脈の鏡像が映り込む新作「ツァウバーベルク」をイメージして鏡のような銀紙を張ることにしました。

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背面は壺も映っちゃうほどツルピカ

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見返しのブルーは前と後ろで濃淡があります

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「肺の森」下絵。どのように変化したかは会場で完成品を見てみよう!
図版左下のかっこいい数字は吉岡さん考案。

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お友達の写真家・朝海陽子さん撮影の「かざまランド」そのほか色々なカット掲載。私はこの写真がとても気に入ってます!

新旧作品群がタダで見れちゃう展覧会(於MOT)
ト-キョ-コンテンポラリ-アートアワード受賞記念展

間に合った!(見てネ)

東京都現代美術館に於けるTCAA受賞記念展は、皆様にご心配をおかけした展示準備が無事に間に合い本日20日より開会します!展覧会は静謐で穏やかな下道さん会場から、見るだけで騒々しく禍々しい私の版画群へと展開。学芸員も空間のプロも介入せず、作家が自由に会場を設営したので、個々のセンスが反映された面白い展示になっているのが特徴です。出品物を決める全権を委ねられ(なんでも飾ってもよく)この際だからかざまランド自慢のグッズも多数陳列!原発PRセンターあぶらとり紙/プルト君ボールペン/東京大使キーホルダー/ナチス本などなど、多分みんなが見たかった魅惑の品々を見に来てくださ〜い!(むろん作品も)

〈魔の山コーナー〉
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ようやく結合されたツァウバーベルクは、照明(山本さん)の技術により暗がりにボーっと浮かぶ演出に成功。非合理の山脈がさらに非現実的な印象に!

(QRコードで読もう!!)
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新作コーナー入口壁には読書感想文『魔の山考』抜粋が掲示され、その横にはこのようなQRコードが貼られている。書くのに夢中になりすぎて1万2千字に及ぶ作文となってしまった『魔の山考』は新作制作時間不足の元凶であるが、その(読むのが面倒臭い)長大感想文は情報技術によってコンパクトな幾何学的暗号となり皆さんに流布される(読んでね)。

トーキョーコンテンポラリーアートアワード受賞記念展
下道基行/風間サチコ
3月20日(土)〜6月20日(日)
会場:東京都現代美術館1F
入場無料!!!

間に合ったかな?

東京都現代美術館におけるTCAA受賞記念展(下道基行さん展と私のマジックマウンテン展)は早くも20日オープンと間近に迫る!!私の作品は間に合ったかというと…実は間に合ってない。現在も美術館内で新作「肺の森シリーズ」を制作中で〜す。もうすでに私の会場は過密な(作品多すぎ)状態なのですが、更に新作を多数追加。観覧後の皆さまの口から「現代美術でこんなに胃もたれするとは」という感想とゲップが聞こえるようなシツコイ内容になることでしょう。お楽しみに〜!(なんと!!入場料はロハです)

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昨日はこの「ディクショナリースタンド」なる約100年前の米国製アンティーク家具に低い鼻を削ぎ落とされそうになった!本を置く木製台のバネが異様に固く、力ずくで開いてもちょっとした刺激で元の姿に閉じようとするのだ。それは高速でバチーンと両手のひらを打ち合わせるような勢いで凶器に近い(おそらく前所有者の呪い)。なので展示中はぜったいにこれに触っちゃダメだよ。

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終わらない作業を見下ろす神々よ
制作所要時間の計算ができない愚かな私を救い給え!

新橋派

新橋派とは、私が武蔵野美術学園3年生のとき決起した一派で、ドイツ表現主義のグループ〈ブリュッケ〉にリスペクトを捧げ「新=ネオ、橋=ブリュッケ」をグループ名にした。だがしかし特にメンバー募集も勧誘もしなかったので私一人での単独活動となり、グループの体を成さぬまま約一年で(飽きちゃったので) 終了〜。
新橋派の活動内容は…キルヒナーの木版画を模写、バイト代を高額洋書画集につぎ込む、表現主義映画(カリガリ博士)を観るなど極めて内向きで、ブリュッケの諸先生(キルヒナー/ヘッケル/ロットルフ/ペヒシュタイン他)に顔向けできるようなものではなかった。
あれから26年。無意味かつ自己完結と思われた表現主義自主トレの成果を発表する時がきた!私が習得したブリュッケ模倣技術をできうる限り注いだ新作『サナトリウムにて』は、見すると「おや、百年前のドイツ版画かな?」と錯誤させる(それっぽい)作品となりました。

〈サナトリウムにて〉
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T.マン/O.クレンペラー/E.L.キルヒナーの三者を似顔絵にしたヨ(似てるかな?)

Komponist Klemperer (1915/16)
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(鬼才キルヒナーによる奇人クレンペラーの肖像画)当時のサナトリウムは結核患者の治療だけでなく心疾患の療養も行なっていた。キルヒナーとクレンペラーはメンタルを病んで療養所で出会った。

魔の山考(菩提樹によせて)目次

来春のマジック・マウンテン展に向けて、一ヶ月以上前から小説『魔の山』について論考を書いていたのだが、どんどん文章が長くなり1万3千字超の「超ロング読書感想文」となってしまった!これが公開されるのはまだ先なので、出版見本のように今日は目次だけご紹介しよう。そして興味を持った諸君は長い長い小説『魔の山』を読んでみよう!

魔の山考(菩提樹によせて)
【1】ドイツ渡航中止【2】水瓶座と魔の山【3】リモート登山開始【4】魔の山あらすじ
【5】教養小説と煉獄山【6】茫洋とした時間の川面に差す光の竿【7】感染症とモラトリアム
【8】世界苦悩百科事典【9】山上の空論【10】菩提樹によせて
【11】考察の破片etc.
〈国際サナトリウム〉〈予感・ウイルス〉〈カリスマの登場〉〈ホワイトアウト〉〈大戦とオカルティズム〉〈マンとワーグナー〉〈ダヴォスに死す〉〈物語再生(百年前から百年後の世界に)〉

シューベルト歌曲集『冬の旅』の〈菩提樹〉は物語の重要なモチーフ。
私のシューベルト版画に〈菩提樹〉は登場しなかった(代わりにこれを…)

歌曲集『白鳥の歌』より
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〈セレナーデ〉

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〈ドッペルゲンガー〉

夜と蒲団とナパーム弾

17年前(2003年)に人形町エキジビットスペースで開催の個展『夜と蒲団とナパーム弾』の資料が見つかりました!この「子供と空襲」をテーマにした幻の展覧会では、やったことがないインスタレーションを見切り発車で決行して、自らの無謀さで背負った労苦によって初めて円形ハゲを発症するに至りました。以降断続的に制作ストレスで小さい円形ハゲが出たり消えたりするように…。その記念すべき(第一回脱毛発症)展覧会の記録写真をどうぞご覧あれ!

(虎のように)
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仄暗い千人針写真はDM用に旧かざまランドで撮影。
〈虎は千里往って千里還る〉の故事に因み、兵士の果敢な働きと、無事に早く帰還することを祈念した虎柄千人針は、見知らぬ誰かが願いを込めて玉留めを縫ったものではなく、私がステンシルで(虎のように早く)あっという間に仕上げた複製品だ。

(ギャラリーにお布団を敷いて)
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防空迷彩/灯火管制/防空頭巾/伝単/千人針/ゼロ戦/二重橋など、制作当時にいだいてた戦時下イメージをふんだんに盛り込んだ稚拙なインスタレーション。

(悪夢の子供布団)
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(上)B-29、グラマンなどの機影が映る子供用布団
(下)オネショに現れた東条英機(この布団は気持ち悪いので捨てた)

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ゼロ戦ぬいぐるみと戦争柄防空頭巾は私の手作り

(床に撒かれた紙の爆弾)
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リノカットで再現した「伝単」は10種類(各20枚)
合計200枚の伝単は絵柄も地獄、刷るのも地獄!

千里眼の魂を飛ばす

発売中の文芸誌『kotoba秋号』に、昨年(初日に台風19号襲来!!)の秋に開催された黒部市美術館〈コンクリート組曲〉の取材記事が掲載されています。この『見えないアート案内』という川内有緒さん執筆の連載は、目の見えない1名と目の見える3名のグループが美術館巡りをする紀行のレポートで、見に来てくれると聞いた時は「どうやって見るのかな?」と少し不思議でしたが、記事を読んで納得!見える人が見えない人に作品の視覚情報を「言葉」で伝えて、イメージを仲間同士で共有し、作品について語り合う鑑賞方法だったのでした。なるほど、そのように図像を説明して見てくれるのなら、私の情報過多な(ネタ尽くし)作品は有利だなぁと、ミニマルや抽象のような静謐さのないゴチャゴチャ絵画にも取り柄が一つ発見されました。

見えないものを情報で肉付けしていくという点では、忘却の暗黒書庫から古本を引っ張り出し、情報を集めてネタにしている私の手法と似ているとも言える。そしてその情報収集は、この正方形の小部屋にてリモート(ヤフオク、アマゾン等)で行っているのだ。『未來のイヴ』人造人間ハダリーのように地底の人工楽園に住まい、暗黒の甲冑体から千里眼の魂を飛ばして「居ながらリサーチ」するのも新コロナ時代にはよかろう!と思う。

〈見えないアート案内〉
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とても興味深い内容です。詳細は伝えきれないので書店で見かけたら是非!

〈kotoba秋号:ベートーヴェン特集〉
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ベートーヴェンの秘密情報が満載で〜す
第九の流行はワーグナーの功績と書かれてる。大晦日は二人の天才に感謝!!

無事に終了しました!

22日をもちまして日産AA展と大阪高島屋展が終了しました。ご高覧&応援ありがとうございました!日産パビリオンは噂によると、新車見学者でパビリオン入場がごった返して大変だったそうですが、そのような関所を越え(ぜんぜん混んでない)ギャラリーまでお越しいただいた奇特な皆様に感謝いたします。
新型コロナのせいで一時は開催が危ぶまれた日産AA展も、無事に最終日を迎えることができて何よりでした。ディスリンピック巡業(ドサ廻り)はコロナで2件中止となり、日産展でやっと巡業5回目…。第6回は来年3月の東京現代美術館(マジックマウンテン)展の予定です。第7回は是非とも夏季オリンピックと同時開催したいところですが、どうなることやら…幻の(ディス)五輪ピックは!

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ありがとうございました!

本日は・・・

【本日18日】
東京都美術館で開催中『都市の見る夢』展の関連イベントトーク『都市計画は誰の夢?』にて建築家の藤村龍至さんとトークをします。こちらのトーク会は無観客でオンライン配信のみです。興味のある方は展覧会ウェヴサイトにある配信URLからご覧ください。建築家の方とお話するのは初めてでドキドキしますが楽しみです!
詳細コチラ→『都市計画は誰の夢?』トーク配信 9月18日(金) 18:00〜19:30

【22日まで】
日産アートアワード・ファイナリスト展及び、大阪高島屋メトロポリス展は9月22日までです!こちらもよろしくお願いいたします!

(本日も…)
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〈世界の紙幣研究会〉より今日も届いたノートゲルト
下は不気味なハーメルンの笛吹き男、中央は何かよくわからない飛行機。
上の大型ノートゲルトは悲壮感漂う貧困家庭の絵!!
超インフレで大量の紙幣が宙に舞う…このように世相を赤裸々に描いた紙幣(それが許容された社会)に興味津々!どんどん集めちゃおう!(散財しない程度に)

大阪高島屋メトロポリス展は明日から

今年1月のタカシマヤ賞授賞式では、本番を前に控室で重役の皆さんと顔合わせがあり歓談をしました。「生まれて初めて強烈な印象を受けた絵画作品が、幼少期に見た玉川高島屋1Fエレベーターの扉の絵だった」ことと「プール型噴水の円形ライトが点滅し不気味だった」ことをお話しすると社長さんたちも心なしか懐かしそうでした。
その印象深い絵というのは、三台のエレベーターの扉に壁画風に描かれた作品で、不思議な植物の生えた丘に大勢の若い男女が集い、乗馬をしたり寛いだりしてる中世ヨーロッパのような雰囲気の絵でした。漆黒の背景に暖色系で描かれた植物や人物はデフォルメされ、植物の枝葉は模様でビッシリ埋まり、装飾過多な感じが子供の私には異様に見えました(それはヤン・トーロップの絵を初めて見たときの感覚に似る)。この扉がとても気になり、家族からふらっと離れて一人でボ〜っと眺めてた記憶があります。

【明日9日から】大阪高島屋6F美術画廊〈メトロポリス2020〉9/9(水)〜9/22(火)★
以上のような文化的原体験を提供してくださった高島屋。先の日本橋店に続き、大阪高島屋にてグループ展〈メトロポリス〉が巡回開催されま〜す。関西地方の皆様はぜひお立寄りくださいませ!(僕の代:額装バージョン出品です)

(玉川湯)
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これは私が高校生の時に撮影した二子玉川の風景。
現在のキラキラなニコタマからは想像できない、古い銭湯の似合う町だった。(白黒だから大昔に見えるけど30年前だよ)