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旧作総動員の季節

【大本営発表】日仏友好160年を記念し昨年パリで開催されたジャポニスム2018は、総動員数300万人を超えたという。かたやオーストリアと日本の国交樹立150年を記念したジャパン・アンリミテッドは、終了を待たずに外務省から公認撤回されたので、たとえ前例を上回る動員数があっても発表されることはないだろう。首相っぽい人物登場の映像作品がウィーン展公認撤回の一因になったそうだが、もしまたジャポニスム展のような官邸主導のイベントがあれば、私は幻のアニメーション『リトル妖怪くん』を是非とも提供したい。この鉛筆画アニメは岸信介と安倍晋三、祖父と孫の絆を描いた愛情物語なので、きっと首相も好意的態度で機嫌良く鑑賞してくださるはず!

お蔵入り不穏当アニメ『リトル妖怪くん』の上映機会は(永遠に)巡ってきそうにありませんが、他のいろいろな初期作品を国内外で展示中で〜す。いずれも不穏かつ不吉なドス黒い風景画ばかり(それが何故か今になって人気)。ご高覧の程よろしくお願いします!

★初期作品展示中の展覧会情報★

2001年制作『ガソリンで見た夢』出品
コンクリート組曲
2019年10月12日– 12月22日
会場:黒部市美術館、富山

2005年『風雲13号地 (下絵) 』出品
・メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020
2019年10月11日– 1月26日
会場:JAPAN SOCIETY、ニューヨーク

2000年制作『ピクチャレスク』出品
 ・Japan Unlimited
  2019年9月26日 – 11月24日
会場:frei_raum Q21 exhibition space/MuseumQuartier Wien  ウィーン

1999年制作『逆算の風景』出品
開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために [1]
2019年9月14日– 12月19日
会場:金沢21世紀美術館、石川
1999_estimation_all_KeiMiyajima_逆算の風景のコピー

告知し忘れ(ウィーン展)

物忘れの一環でうっかり展覧会の告知をし忘れてました。ただいま話題沸騰中!ウィーンで開催の『Japan Unlimted』に私も参加してま〜す。会田さんやchim↑pomがまたしてもネット民の槍玉に上がり、その「民意」に過剰反応して先手を打ったような〈在オーストリア日本大使館が公認を撤回〉との報道を昨日の朝ヤフーニュースで知りました。ヤフコメ欄は「反日エセ芸術家うせろ」という罵声で賑わっているが残念ながら私はそこに含まれていない模様。批判の対象にならなかった理由は、展示物が地味で目立たず、不親切な(解りづらい)作品だったからでしょう。
それにしても、既に展示回数を重ねた有名作品を今になって批判したり、なぜか開催から一月以上経ってから公認撤回したりと全くクールでなく、クールジャパンが虚偽であることが今回のことでまた露呈し、政府と大衆への過度な配慮が「日本はおかしな国です」という対外アピールに…。(我々は痛くも痒くもないけど)

これが出品作品
2000年制作〈ピクチャレスク〉シリーズより『カゴシマ』
ピクチャレスク:カゴシマのコピー
(ネット民に解説してあげよう)
これはヨーロッパの植民地趣味を模した日本のゴルフ場を、さらにヨーロッパで流行したピクチャレスク(観光絵画)風にした木版画で、支配階級や政府によって占領された国内各所に存在するプチ植民地(原発/基地/ゴルフ場など)を揶揄した作品の一つだ。

 Japan Unlimited
  2019年9月26日 – 11月24日
会場:frei_raum Q21 exhibition space/MuseumQuartier Wien  ウィーン/オーストリア

黒部WS報告

昨日の黒部市美術館ワークショップは(珍しく)参加者多数、要員に不足なく実行されました。富山マラソン出場を棄権して参加、仕事の予定を変えて参加、早朝まで火祭りの男達を労う役目を果たしてから参加など、各人それぞれに熱意を持って集合した皆様(9名)の力で『黒部ダム曼荼羅』は時間内に無事完成し成功裡に終了!
(私は四角いものを描くのが好きだけど)ダム及び発電所が一般的に好まれるモチーフとは思えず、WS内容検討当初から不安がありましたが、皆さんが画題に戸惑いながら懸命に取組んだ結果、フレッシュな印象の現代の信仰画が誕生したことを嬉しく思います。ありがとうございました!

(準備中)
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WS前日から美術館で準備。私の描いたドローイングにダムや発電所の写真コピー紙片を貼付けておき、参加者は好きな場所の紙片をペロっと剥いで下絵に利用する(という段取り)。

(さあ彫りたまえ)
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各自選んだダム/発電所/温泉/カルデラ等の下絵を描き、それを元に木版画を制作。

(さあ刷りたまえ)
IMG_6600のコピー
インクを盛った版木をドローイング下絵の上に再配置し、長〜い障子紙を乗せてみんなで刷る。
こんなことをするのは初めてなので内心ドキドキだが、参加者に悟られぬようこの笑顔。

(完成品は小展示室で見学できるヨ)
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みんなでドローイング下絵をペンでなぞって長さ2.5mの巨大曼荼羅が完成!
翌日こっそり美術館へ行き、表装(学童の工作レベル)を施し展示して私は去る。

(黒部の皆様またいつか会おう!!)
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最後に「乗りたい」と学芸員さんにせがんで昇降機に乗らせてもらった(もう心残りはない)。
北陸地方の皆さん次は金沢で!

ダム曼荼羅を作ろう

〈ガソリンで見た夢〉の原画に使用した絵葉書を捜索した結果、15点中たった2枚しか見つからず、他の13枚はどこへ消えてしまったのか?おそらく林道の写ってる絵葉書のみ引抜きコピーしたあと、元の絵葉書集タトウに戻さずに放置し散逸してしまったものと推測。それにしても捨てるわけないので、もしかしたら絵葉書箱は3個以上あって、どこか忘却の彼方に第4第5の箱が存在してるのかもしれず、はぐれ絵葉書はそこで18年の眠りについているのかも。(何の夢を見てるかな?)

〈ガソリンで見た夢の断片〉
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中央の2枚だけ発見された(これを使用した作品は何処にあるでしょう?会場で探そう)

〈資料コーナー〉
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クロベゴルトのために収集した資料(絵葉書/栞/本)も展示
27日(日)のワークショップでは、このような絵葉書を参考にして立山曼荼羅のようなダム信仰絵図を参加者みんなで作る予定。たぶん定員に空きがあるので一緒に作りたい人は是非(富山へ)

コンクリート組曲開催中
於:黒部市美術館(富山)〜12月22日まで

日曜美術館:20日放送予告

凄まじい最凶台風19号の残していった爪痕。その被害の甚大さと土木技術でも制御できない自然の威力に絶句するばかりです。奇しくも治水と治山による新秩序建設がテーマの『クロベゴルト』展示中のコンクリート組曲展も、水害の影響による北陸新幹線運休で、遠い富山県が更に遠い場所になってしまいました。1~2週間で復旧の見込みとの報道も希望的観測のように思え信じがたい…。
まさかのこの事態に「新幹線動かないしもう見に行かなくてもいいや」と諦めてしまったそこの君に朗報です!なんと20日放送のNHK日曜美術館〈アートシーン〉コーナーで我がコンクリート組曲が(数分)ご紹介される予定!この番組コーナーをチラっと見て、時間の無い諸君は展覧会を見物した気分になってもよし、高徳な皆様は頑張って足を運ぶ機運を高めてもよかろう。

KUROBE GOLD
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秘境・黒部峡谷の闇をいざ拓かんと深い谷間に光の矢が刺さる第一幕
縦に細長い字で黒部ゴルトとわざわざ書いて何かの表紙っぽくした。帯状の鳥瞰図は(株)日本電力の絵葉書袋からの引用。特に皆さんに知っていただきたいのは、黒い面を真っ黒く刷るのに10時間も要し、インクを丸一本(100ml)使用したということだ。乾燥時間を考慮してこれを最初に刷ったら、まだ5点も残ってるのに腕がビリビリ痺れ太郎になってしまった!

三たび黒部へ

サロンパスを貼り100円黒サポーターで締め付けてもなお、ビリビリと痺れの走る右腕に「あと少しだよ」と言い聞かせクロベゴルト仕上げ作業は無事に完了。一人では抹殺する勇気の出なかった新作『ゲートピアNo.3』の朝鮮人労働者の姿も、無人島のみんなに見届けられ彫刻刀で粛々と削り取ることができた。(どんな作品なのかは会場でご覧になるか後日解説を待たれよ)本日出品作品全て集荷輸送され、明日から展示作業で三度目の富山県黒部市入りです。

北陸地方の皆様にもぜひ観て頂きたい第四回ディスリンピックのドサ回り興行並びに、ご当地黒部にちなんだ新作『クロベゴルト』と旧作『ガソリンで見た夢』『ダイナマイトは創造の父』も展示。はて、展覧会タイトル『コンクリート組曲』は一体どこに?とお思いの方もおられようが、ラインゴルトがニーベルングの指環の〈序夜〉であるように、クロベゴルトをコンクリート組曲の〈序曲〉と捉えていただいてよろしい。クロベゴルトに描かれた黒部川には、あたかも神のように自然をデザインしていく近代的な新秩序の栄光が輝き、水底には蹂躙された者の嘆きが沈んでいる。水や土砂を堰き止めるダム建造を可能にしたコンクリートが新秩序を建設してゆくのである。

(絵葉書箱は3個もある)
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『ガソリンで見た夢』原画のスーパー林道絵葉書も資料として展示しようと蓋を開けたら毒々しい絵葉書集、地獄めぐり/秘境!西表島/地獄の全貌が…これらを全部開封し捜索するのはまさに地獄。
もし発見できたら林道絵葉書も出品する黒部市美術館『コンクリート組曲』は12日より開催で〜す!

刷れた〜!

特注サイズの版木に苦心した新作『クロベゴルト』(KUROBE GOLD/ローレライ/ファゾルト&ファフナー/侏儒の王国/新秩序/ヴァルハラ) の計6点が一昨日やっと刷り上がり、本日から無人島に作業場を移して仕上げに取り掛かる。どうにかディスリンピックの悪夢再来とならずに済んだ!

(刷れた!!!)
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作業室を占拠し乾燥中

(執務室より作業室を臨む)
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いつもの事務机では小さいので、グラグラ揺れるテーブル型電気コタツの上で無理やり刷り作業を強行しているところ。
版木上には和紙/自作見当板と水石とスプーン/自作バレン/画集が置かれている。水石とアルベルトオーレン画集は文鎮代わりで、途中で紙がズレないように押さえる役割を担っている。この観賞石はすごく重たくて役に立ったが、酷使し疲労蓄積した手で扱うのに危険が伴った(指を挟んだり足に落下させる恐れが)。ご覧の通り、私は27年前に作った手作りバレンとスプーンだけで全作品を一人で刷っているのだ!(6m以上あるディスリンピックも)。

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地獄と煉獄山のような『新秩序』も刷れた!
里香さんとかっきーがUKの音楽グループ・ニューオーダー好きらしいので私もこんど聴いてみよう(テクノでは無いと言う)

告知タイム

新作の数が多過ぎたのと、切羽詰まった状況下でもやったことのないことに手を出す悪い癖で(いつもどおり)個展準備が危険水域に!そのせいで丸ハゲにやっと生えた貴重な毛がゴッソリ全部抜けた(なんたることよ!)というわけで、取り急ぎ展覧会情報だけでもお伝えします。黒部市美術館は新作出品の個展で、他の展覧会は旧作で参加で〜す。

コンクリート組曲
2019年10月12日– 12月22日
会場:黒部市美術館、富山

開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために [1]
2019年9月14日– 12月19日
会場:金沢21世紀美術館、石川

The 33rd Ljubljana Biennale of Graphic Arts
2019年6月7日– 9月29日
会場:International Centre of Graphic Arts、リュブリャナ、スロベニア

・メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020
2019年10月11日– 1月26日
会場:JAPAN SOCIETY、ニューヨーク、アメリカ

〈逆さピラミッド〉
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台風の雨漏り跡を逆さに見ると(あらふしぎ!)ピラミッドに見えるヨ。
みなさん、これを吉兆と見做そうではありませんか!

ローレライ

「日本にウンザリしているので、もうそろそろ地底人がUFOで迎えにきてくれてもいい頃だ。」そんな愛国心の欠落した私でも日淡(日本産淡水魚)が魚界で一番かわいいと思っている。
現在製作中のクロベゴルトシリーズ『ローレライ』という絵には、昭和初期の猫又ダムとそれに付随する流木路と魚道が描かれている。魚道はヘアピンカーブの連続する長い階段状のスロープで、本来の自然環境なら直線で行けるところを、このような長距離を一段ずつジャンプしながら遡上しなければならない小さな魚の労苦を思うと私はダムが憎い。…だがこの異様でかっこいい構築物はすでに現存しない、何故なら平成7年の大豪雨で大量の土砂が谷に流れ込み、埋もれてしまったからだ。
この天災で想起されるのは《ラインの黄金》最後の「呪ってやる!呪ってやる!呪ってやる!」というラインの乙女(水の精)3名の合唱と、この呪詛のとおり没落と終末を迎える《神々の黄昏》の大洪水と大炎上の大円団だ。しかし作品にはラインの乙女でなくローレライが登場し、しかも人体モデルは風間ランドのハダリーで、彼は乙女でも水の精でもなく〈地底人〉である。

(現在の猫又堰堤)
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10mもの土砂が流れ込み川が埋まったので、掘削工事で川床が整備された。残存するゲートピアと堰堤は発電所を往来する橋梁として利用されてる。

(ローレライの呪い)
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112年も生きた「ビッグマウスバッファロー」という大味な名前の淡水魚個体を米国で発見!のニュースを見た。この長寿の種もダムに遡上を阻まれ繁殖困難となり少子高齢化が進み危機的状況だという。(日本の少子高齢化はダムのせいでは無い)

美わしの黒部峡谷

連日の猛暑に「来年の今頃はオリンピックかぁ、この暑さじゃ死者が出るな!」と不穏当な予感に苛まれつつも(それどころでなく)、10月開催の黒部市美術館「コンクリート組曲」準備に躍起になっている今日此頃です。新作『クロベゴルト』は、黒部における治水、治山の近代史に、ワーグナー楽劇《ラインの黄金(ラインゴルト)》の物語を重ねた6点組作品で、人間の似姿をした神々による新秩序創造を描く(予定)です。
時間が無いのに壮大なテーマに着手してしまった私は、もはや宿痾となったムクミと円形ハゲに悩まされながら日々格闘しています。しかしその姿は第三者の目に「一日中ぼんやり写真や絵葉書を眺めているヒマ人」と映ることでありましょう。むろん写真や絵葉書は作画資料で、けして遊びで見ているわけでは無く、その証拠に黒部峡谷の資料写真をちょっとだけ皆様にお見せしましょう。

7月5日:黒部峡谷鉄道トロッコツアー
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〈新柳河原発電所〉
なじかは知らねど心わびて…と口ずさみたくなるこの光景はライン川河畔の古城ではない。

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〈水道橋〉

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〈出し平ダム〉

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〈欅平付近の堰〉

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〈宇奈月ダム〉
これらの人造湖および川の不思議な翡翠色は、山から流入した花崗岩の粒子を含有する水質に起因する。