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店じまい

チリチリ事故パーマを施した美容師のお兄さんが「あ、治ってきてますね」と指摘したのは、当該チリパーではなく10円ハゲのこと。ディスリンピック事業で新規出店したニュー10円ショップ3店舗は、夏の到来とともに静かに閉店しつつある。気がつけばディスリンピック(愚民の祭典)の開催も残すところ1ヶ月。すでに黒いサポーターは外され、サボる口実はもうない。
5月21日付毎日新聞夕刊のディスリンピック記事には「右手首には黒いサポーターが巻かれていた。けんしょう炎になったそうだ」と記述され「そこまでしないと人をぎょっとさせるものは作れない」と私のコメントが書いてある。ぎょっとさせるための代償、その証である黒サポーターは、スタン・ハンセンみたいでかっこいいけど、あせもになりそうだから夏は巻かない。

〈10円ショップ実店舗も閉店〉
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私が最後に見た10円ショップの商品陳列(エンドーマメ双葉)
その後、オモチャ/雑貨/植物等の品々と料金箱、手書き看板も撤去され閉店す。

〈5/21毎日新聞夕刊より〉
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「偉大な事業は狂気に端を発し、狂気によって完成する」とニュルンベルクの歌の親方も歌ってる。社会の狂気照らす私自身も狂気と無縁ではない。
(毎日新聞記事はネットで閲覧可能です→「アートの扉」


【告知!!!】
安冨歩さんと対談『過去、そして未来ー幻のオリンピックをめぐって』は
明日6/9(土)午後2:15より開催
丸木美術館にぜひいらしてください!(展覧会は7/8まで!)

ディスリンポスのYはヘソ

夏に刊行予定の作品集では、出版界で活躍するハイセンスなデザイナーさんとお仕事するので、私の不気味な作風もオシャレ偽装できるかも?と淡い期待を抱いていたのですが、打合せで「表紙の文字は手書きレタリングの版画でいいでしょう」という流れになり、まだまだ暗黒路線続行の予感。そして本のタイトルはまだ決定していないけど予約受付継続中〜(注文書をかざまランドに送付してくれる友人もいるが私も処置に困っているよ…どうにかする)

〈3つの秘密〉
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「ディスリンピック2680」中央部
ディスリンポス・トレーニングセンターのサイン〈DYSLYMPOS〉の秘密とは?

(その1)   造語 DYSLYMPOSの語源であるオリンポスの本当の英語綴りは~POSではなく~PUS。でも読みやすいと思い(勝手に) UをOにした。
(その2)  DISではなくDYS。俗語のディスる、ではなくディストピアのディスだから。
(その3)  正確な左右対称の構図を描くために、9文字奇数の真ん中に当たる「Y」の字(垂直棒部分)を中心を示す標柱にして、そこを基準に測りながら下絵を作成。

〈ダンケシェーン!〉
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これは丸木展初日の朝に撮られた写真。不眠不休のせいで酔っ払いみたいに上機嫌でヘロヘロの私とマリオさん。母国ドイツの文化はもとより、日本の歴史と文化にも造詣の深いこの友人が、ディスリンピア展をネットで紹介してくれました。

〈アート-カルチャー〉↓展覧会紹介コーナーはこちら!
http://art-culture.world/articles/kazama-sachiko-dislympia-2680-hiroshima-panels-maruki-museum/

注文書

丸木美術館に入館するとまず物販コーナーがあり、丸木夫妻の画集や平和を希求する図書が多数販売されています。ディスリンピア会期中はその一隅に、ぼんやり階級トート/高級創作コケシ/絵葉書2種など黒い悪意を発するグッズが陳列され、その傍らには(すでにお気づきになられた方もおられよう)注文書という用紙の束も置かれています。この注文書が何かというと、「なんと!」苦節20余年の画業を収めた本が7月下旬(予定)に刊行の運びとなり、その(タイトル未定)作品集の予約申込み書なのです。まだタイトルも発売予定日もはっきりしない本の注文書は、記入後どこに預けたり送ったりすればいいのか、それもはっきりわからない謎の注文書で(私もどうすればいいか知らない)それでも注文してくださった方に感謝!
…で、この作品集に、漫画ディスリンピックを「すこしだけ掲載しても良い」と編集者さんから許可を得たので、図々しくも載せる気満々でいるわけです。(野望というのはこのことでした)

ディスリンピア開催中〜!
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会場入口の文字は窓黒題字と同様、手書きでレタリングしてリノカットで制作したロゴです(なのでバランスがちょっと変)

解説コーナー(3)

悪夢の内容が進展し、昨晩は彫りの作業から刷りに進んだ!がしかし、接合箇所のインク濃淡が合わずに焦っている辛〜い場面が再現され、悪夢であることに全く変わりがない。故障した手はペンを持つとしびれるので暫し休養(サボる)。その諸悪の根源『ディスリンピック』解説は愈々第三弾!

★モニュメントと祭り★
ディスリンピック開幕式典におけるモニュメントと祭りを説明しよう。
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●高架橋
左右対称に配置された高架橋は、国家建設の厳格な秩序を表し、また建設途中の高架橋は高度成長期における成長神話のシンボルでもある。(しかし分断された形体は去勢を予感させる)

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●左側高架橋の弓兵
古代武人(弓兵)の英雄的彫刻三体は、1940年前後に皇紀2600年を奉祝した美術作品の流行スタイルを模している。バードセレモニーで放たれた白鳩の群から灰色の土鳩を見つけては射落し駆逐するゲームを演じており、これは単一民族の堅持をアピールするプロパガンダの一つ。

●左下の人間大砲
戦前の博覧会で催された「人間大砲」と同様のもの。ここでは最優秀遺伝子に選ばれ「国民の弟」と称される日出鶴丸クンが弾丸となり、国家秩序と栄光を象徴する太陽(=卵子)に向かって男性的な大砲から発射された瞬間が描かれている。太陽神への生贄『血の祝砲』はストラヴィンスキー「春の祭典」のように観衆の原始的な興奮を呼び覚ます残酷なお祭りだ。

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●二六八〇人文字
1940年、皇紀2600年のこの年に奉祝行事として開催予定された「東京オリンピック」は、日本の国際的立場の悪化から頓挫し「幻のオリンピック」となった。奇しくもあれからちょうど80年経つ2020年(皇紀2680年)に東京オリンピック開催!これを祝してディスリンピックの同時開催が決定された。1940年は「国民優生法」が制定された記念の年でもあり、2020年は「国民優生法」制定80周年にあたる。

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●石女の像
この像はパルテノン神殿の破風に飾られていた「アテナ神誕生」の石像が元になっている。子供を産めない女性のことを「石女(うまずめ)」というが、その字のとおり石にされた女たちの姿である。石灰岩で造られた手足、首の欠損した石像は、強制的に不妊手術を施され「石女」となった人たちを象徴する。アテナ神の持つメドゥーサの盾の中の行き場を失ったヘビ、メドゥーサの表情が石化の慟哭を代弁し、石灰岩のコロシアムはギリシア悲劇の題材「子殺し」を上演する劇場のようでもある。

解説コーナー(2)

説明すればするほど更に理解が遠のく巨大版画『ディスリンピック2680』の解説第二弾!

(以下会場解説より)
「ディスリンピック2680」は優生思想によって統制されたとある国のとある都市=ディスリンピアにて、近未来2680年(西暦2020年)に開催予定の国際体育大会である。今作ではその民族の祭典ディスリンピックの開幕式典の様子が描かれている。
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●トラックとフィールド
このトラックとフィールドは、大きく3つに分別されたチームによって式典のパフォーマンスが行われている。左側は知力体力に長けた青年たちの『甲チーム』、中央は性別的に二番手である乙女の集団『乙チーム』、右側は優生学的に排除の対象になった者たちの『丙丁戊チーム』

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『甲チーム』
優秀な人材として育成された彼らであるが、ディスリンピック建設奉仕決死隊の学徒として出陣するところだ。健康も知力も優れた青年が犬死させられる不合理と矛盾!この光景は、1943年の神宮外苑、国立競技場における出陣学徒壮行会の隊列と、ナチス党大会の記録映画『意志の勝利』の作中に見た、ツェッペリン広場にスコップを掲げて集合する国家労働奉仕団の大隊列を参考にして描いた。

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『乙チーム』
二六八〇の人文字マスゲームを演じている彼女たちは、国家の構成員として中庸の心構えと従順さを持つ優秀な分子である(その証拠に分子模型のようなプロポーションをしている)。規則正しい肉体鍛錬により、国家の未来を担う「母性の保護」に勤しむことを誓う巨大モニュメント『ディスリンポス山』には煉獄のごとき(変な体操の)修行によって心身をステージアップさせ、山頂の地上の楽園=民族の花園を目指す少女たちの彫刻が見える。民族の花園には国際優生学学会、ユージェニクスのシンボルツリーがそびえ立ち、民族浄化と国民の健全を祝福している。

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『丙丁戊チーム』
戦前に制定された国民優生法、そして戦後の優生保護法にある「断種」対象の人たち(どんな障害のある人か)を具体的に描くことが大変に苦しく難しいので、遠回しに徴兵検査の劣等に該当する「丙丁戊」の漢字で表現したことをお許しいただきたい。
ここではまだ基礎工事が行われている。セメント鉱山から製造された生コンクリートで打設工事の最中であるが、健全な世界への立ち入りの禁じられた(出生前の)魂が高架橋からブルドーザーによって押し出され、地上では選別機がフルイにかける作業をしている。これら大量の排除された魂たちは、橋脚の足元に掘られた巨大な穴に生コンとともに流し込まれ埋められる。この競技場と大会開催の無事を祈願する『人柱』としてディスリンポスの神々に捧げられるのである。

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人気No.1キャラ「くちマスク」登場!
前列3名(ならず者風)男達も推しメン。

解説コーナー(1)

彫版の悪夢から解放されない夜はまだ続く!その呪縛の原因である巨大木版画『ディスリンピック2680』に何が描いてあるのかご説明しよう。会場にも解説が張り出されている(はず)ですが、あまりにも長文なので(私なら)読む気がしない。なのでここ窓黒にて小出しに解説しまーす。

(巨大版画でハゲ3つ)
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高さ2・4m、全長6・4m 巨大版画の全容!
これを手で彫ってバレンで刷ったのだから、腕の一本犠牲になっても仕方があるまい。

以下会場解説より)
★ディスリンピック競技場★
このスタジアムは、ダンテ「神曲」の舞台である地獄、煉獄、天上界の形状を元にデザインされている。天井は太陽系を模した宇宙、観客席はすり鉢状の地獄が象られ、中央には煉獄山を模した「ディスリンポス山」という名のトレーニングセンターの巨大モニュメントが飾られている。

ドーム型の天井は、1851年ロンドンに建造されたガラスと鉄のパビリオン『水晶宮』をイメージし、大阪に存在する水晶宮似の廃墟『なにわの海の時空間』の画像を元に描いた。(ロンドン万国博覧会の遺構である『水晶宮』を見学したドストエフスキーは、そこに功利主義などの近代悪の勝利と、計算に基づかれた未来を見出し、水晶宮を近代合理主義の権化とみなした。体育競技における成果主義や優生思想も然り、と私は思う。)
新古典主義の秩序とロマン主義の熱情。この二つの異なる主義の出会いがファシズム(特にナチス)の高揚感を生み出すのではないか?と考え、競技場建設にはこの二つの要素を組み合わせてみた。

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観客席(左)
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観客席(右)

●観客席
向かって左側は、現在建設中「新国立競技場」の建設現場、右側は石灰岩(セメント)の採石場の風景写真を元にしている。この二つの風景は形状的に古代ローマのコロッセオに酷似し、奇妙なことに建設資材の原料、建設作業中という完成前の段階ですでに「廃墟」に見えるところが大変に興味深い。これは権力の偉大さを証明するために「廃墟の威容」を予感させる巨大建築を建造する意義を唱えたナチスのお抱え建築家、アルベルト・シュペーアーの『廃墟の価値理論』を思い起こさせ、新国立競技場のデザイン選定の際にうたわれた大義「レガシー」という言葉とも符合する。

急告☆

いよいよ丸木美術館『ディスリンピア2680』は今週土曜28日からスタート!くだんの新作は完成したのかというと…勿論まだだ!しかし、遠路はるばる足を運ばれ木戸銭九百円を払って入場するお客様をガッカリさせぬよう、己の義理に命を懸け急ぎ製作中〜
初日のトークでは、睡眠・食事・入浴のいずれもままならずボロ雑巾のようになった私の、おぼつかない喋りが見物できるよ。ぜひきてね〜(時間がなくメール出せないので、これを読んでくれた諸君は是非!)

ディスリンポス山=煉獄トレーニングセンター
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総動員された忠良なる民のせいで私は地獄を味わった
6.4mの無謀な挑戦の結果は…美術館で君の目で確かめてくれ給え!

☆美術館の情報はこちら→丸木美術館HP
★オープニングトーク
4月28日(土)14:15〜

ボツの惑星

(バビロンまで何マイル?)ここから埼玉県東松山市まで何マイルか不明だが、埼玉展オープニングまで27日しか残っていないという事実は、残念なことに如何ようにもしがたい現実であり「完成が間に合わないかも?」という逼迫した危機に私は直面している。この大遅延は下絵に時間を費やしてしまったことが大きな要因で、いまさら大量のボツ原稿たちの存在が恨めしい!…そう、これら時間泥棒の星辰たちも!

(ボツの惑星)
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この浮遊する太陽系下絵は、太陽/水星/金星のみ採用で、その他の惑星は戦力外となった。

(とりあえず告知)
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『ディスリンピア2680』展
4月28日〜7月8日
於:丸木美術館(埼玉県東松山市)

*4/28 オープニングトーク
6/9 ゲストトーク(安冨歩さんと)あり!

告知(顔と抽象展)

「すべての葉っぱの裏に暗示が潜んでいる」黒々と執拗に描かれた樹木になんともいえない胸騒ぎを覚えたのは、渋谷区松濤美術館で河野通勢の風景画をみたときのことで、たぶんそれは10年も前の話になる。3日前その河野通勢の油絵の隣にわたしの木版画が展示してある、という報告が写真付きで突然届き、あの北方ルネサンス風フロム長野・ペトル河野通勢先生の横に飾られたこともさることながら、全く知らないうちに展覧会に参加していることにとても驚いた!

(左:河野通勢 中:田中角栄 右:有島生馬)
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 高橋コレクション 顔と抽象———清春コレクションとともに展
 山梨県 清春芸術村にて 3月18日– 5月6日

比較対象

予定より2日遅れてトレースが終わった〜!拡大コピーして不鮮明になった画像から、線を拾ったり修正したりしながら絵をなぞる作業は、緊張と退屈が連続する地獄ですが、今回は「風雲13号地」の倍サイズ、縦2.4m× 横6.4mなので地獄度もズバリ倍!(労働奉仕団の学徒隊列とブルマ少女団の人文字の版では、動員人数過多すぎて職場放棄の危機が…)そして恐ろしいことにコレを彫る作業が次に待っている。だがしかし私は、無人島P社長からもらった魔法の言葉『大したことない』を復唱し、6mなんて大きさは現生ホホジロザメの体長と同等サイズで、メガロドンと比較したらたったの三分の一に過ぎない。と古代鮫の巨大さと作品サイズを比較することで「なんて小さい作品を作ってるのだろう!」と頭の中で事実を矮小化しまーす。頑張れ!かざまランド!

【メガロドンは18m】
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この黒光りする物体は巨大古代鮫メガロドンの歯の化石(の半分)
鮫は軟骨なので歯のみ化石で残る。なので体長は歯の大きさから推測されたものだという(単に歯が異常にでっかい普通の鮫だったりして…)

【トレース終了〜】
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石化した女が悲劇的なディスリンピアの右端部分