カテゴリー別アーカイブ: 活動関係

灰色の老兵

妖精のようにお茶目だった高齢同級生のNさんも、あれから23年経った現在ご存命かどうか定かではありません。そしてNさんと木版画を学んだ懐かしい母校〈武蔵野美術学園〉は、昨年春に突如閉校したという。(詳しい経緯は不明)
5年間在籍した版画科を卒業する際、事務室から廃棄処分される事務机を譲り受け、今でも作業机として愛用しています。満身の力を込めて天地左右と圧をかける刷りの作業は、灰色く重たいスチールのボディを徐々に歪ませ、いつのまにか天板下の引出しは不動となり、開かずの引出しとなってしまいました。(金閣寺のポスターや洞窟の絵葉書、劣化した色鉛筆などツマラナイ品が出せない)

(取材陣に大人気のMy事務机は…)
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一昨日(3/6)発売。本と漫画愛好家向けの雑誌『ダヴィンチ』の推薦本コーナー《一目惚れ大賞》にて机の天板のみ登場!一目惚れ大賞に選ばれたのは、もちろん机ではなく作品集『予感の帝国』です。私が喋った記事も掲載(そのページは後日紹介)。
他にも現在発売中『版画芸術』と、3/10発売 世界のデザイン誌『アイデア』の新刊案内でも紹介されてま〜す。

ディスリンピック津々浦々

昨年の12月下旬に受けた共同通信社によるインタビュー取材の記事は、1月17日付から全国の地方新聞に配信され、北から南に、秋田さきがけ新聞/山形新聞/日本海新聞/茨城新聞/埼玉新聞/千葉日報/信濃毎日新聞/大阪日日新聞/徳島新聞/長崎新聞/沖縄タイムズ…と多数の新聞に掲載されました。
爆笑顔の私とディスリンピック画像の掲載されたその記事には、人間の愚行に憎悪する反面、基本的にトーチカとか戦車の形体が好きなことなどが書かれています。
文中では「トーチカ (コンクリート製の防御陣地)」とカッコ付きで丁寧な注釈がついているので、トーチカ予備知識を得た全国の皆様は、日本各地に残存するコンクリート製の不思議な構造物を見て「これがトーチカか?」と興味を持たれることでしょう。

(行ったことのない見知らぬ土地で)
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掲載された新聞の数は合計11紙!

(時には虚偽のポーズで…)
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『マカロニほうれん荘』に登場しそうなコミカルな風態のカメラマンの要望で、作業机に向かい何か描いているフリをしている私は、過去に「きんどーちゃんに似ている」と言われたことがある。

WSの朝に…

〈昨日夢の中で〉小池都知事が差向けた刺客から逃れるために偽装入院 (なぜか吉祥寺の母校が病院) していたが、潜伏場所がバレていよいよ追っ手がそこまで迫って来た。ベットの下に身を隠していたが、これではすぐに見付かってしまうので、裏口から抜け出し西荻窪に向かって逃走する。駅前の雑踏に紛れ「これで大丈夫」と安堵していたら、背後から「風間さんですよね」と声をかけられ振り向くとカジュアルな服装の男が二人…!腕を掴まれ拘束されそうになった刹那、私は周囲の人々に大声で訴えた「私は風間サチコという美術作家です!都知事に拘束されそうになってます!助けてください!ネットで私を検索してください!私は無実です!このような弾圧は許されません!…」必死に叫んでいる場面で枕元のスマホが鳴り、母からの電話でこの悪夢は中断した。

悪夢から救ってくれた朝8時のモーニングコールは、国立新美術館でのワークショップ『ぼんやり階級名刺を作ろう』の仕事に遅刻しないように母に依頼していたもので、おかげで都知事の手下に捕まる前に目を覚まし、約束の時刻に間に合い、無事に講師を務めることができました。

(素晴らしい皆様のぼんやり名刺)
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(12時の位置から時計回りに)
処理済/呑んだくれネコ/ジェラシティガール/ドキュメンタリー/修活中/博士中期課程/マイッカ同盟/水玉作戦/ビギナー/家ぽん族/ケバブ/最速おっとり/あまアシ/めぐろ女子/マイゴ21/MAZIME/兄/策士/ネコトレ/鬼ぐんそう/白髪祭/TANUKI/担当p/住処不定/殺人願望
….実用向きの名刺から実用不向きの名刺まで総数25点の作品ができました!

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味わい深い「白髪祭」と「鬼ぐんそう」は素敵なレディたちの作品(こんな銘柄のお酒がありそう)

凡T(シャツ)販売中!

2/9より開催の森美術館:六本木クロッシング2019に、私が芸名を与えた毒山凡太郎君が参加しています!建築デザイン事務所(だったかな?)に勤務していた見るからにカタギのさわやか青年が、何故こんな浮き草稼業(美術界)に転身を?と初対面のときに受けた不可解な印象から〈毒山凡太郎〉という素晴らしい名前を思いつきました。
普通(=凡)の好青年という外見を、いい意味で裏切る「毒」を持って欲しい…。命名に託した期待通りの活躍を見せ、この度いよいよクロッシングという大舞台に登場!これを祝しTシャツ用文字を作って毒山君にプレゼントしました。この文字使用の不穏なムードのコラボTシャツは、会場出口付近のショップで販売中です。売り上げは (一切私の収益にはならないが) おそらく毒山君の作品制作の飛行機代などに使用されるはずです。

(凡と毒を象って…)
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「凡」の字は凡庸なる大衆=細胞をイメージ
「毒」の字は金正男暗殺の実行犯が、手からVXガスを発散させながら逃走する様を描写。

クブシュ

先日のトークで述べた「形体の優れた物体ほど高度な魂を所有する。デュシャンの便器も然り。」という不可解な持論で提議したかったことは、あの世の芸術家と死没100年後の鑑賞者をつなぎ、交感を可能とさせる〈永久機関〉となりうる作品の徳性、物体の発するアウラの有無の問題である。かざまランドのマスコットボーイ・四次元ボーヤも、この高度な魂とアウラの所有者であると私は確信している。それは過去の持ち主たちの認めた美の価値と愛着が石に残存し、その残留思念のような何かが、時間を超えた交感を促し続けているからで、この念のような何かが、優れた美術作品、骨董および工業製品に共通するアウラではなかろうか。
我が愛石命名の由来である、杉浦茂マンガのキャラクター「四次元ボーヤ」を中尾拓哉さんがご存知だったのはとても嬉しい交歓でした。嬉しさのあまり喋りすぎてタイムテーブル記載の〈今後の予定〉を話す時間がなくなるほどでした(中尾さんスミマセン…)。なので追記。

《今後の予定》3月末:無人島P転居記念展、現美リニューアル記念展参加。4月:ワルシャワ展参加。6月:東京ディスリンピック。  秋(?月): ウィーン展参加。10月:黒部展(コンクリート組曲)…

今現在このような予定です。奇しくも四月には四次元ボーヤの生みの親、杉浦茂先生のお誕生日(4/3)にワルシャワに亡命ではなく出張することが決定。初のヨーロッパ旅行で緊張しちゃうけど、私は〈クブシュ〉見学に目的をすり替えてポーランドを夢見る!(無論仕事を忘れてはいない)

(クブシュとは?)
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1944年ワルシャワ蜂起のシンボル的存在である即製装甲車〈クブシュ〉
民間トラックを改造したこの変な車は一台しか製造されず、その貴重な実車が(なんと!)ポーランド軍事博物館に展示されているという。(バリケードに使われて大破した鹵獲ヘッツァーも展示!)

来場者皆様ありがとう

一昨日の銀座トークに来場の少数先鋭参加者の皆様、寒い中お集まりいただき誠に有難うございました!デュシャンが百年後の鑑賞者のために用意した未完の謎、仮想地底王国・かざまランドの実態など、現世社会では全く役に立たないお話に2000円を支払ってくださったお客様に感謝です。
置物だらけの室内風景、石の写真を見せられ、そのうえ「版画のできる女スパイになりたい」などの迷妄発言を聞かされた皆様の反応が心配でしたが、アンケートには概ね好評の感想が書かれており安心しました。
しかしそのアンケートの集計で、あまり知りたくない事実を私は知りました。「イベントを知ったきっかけは?」という質問の回答大半がツイッターと中尾さんの紹介で、当ブログで知った人は皆無、即ちゼロ人だということ。なので私がここで謝辞を述べても〈誰にも届いていない〉。
来場者皆様の読まない窓外の黒化粧に書かれた謝意は、四次元空間を漂いながらいつかはきっと貴方のところに届くはず!と私は信じる。

(かざまランド作業室近影をご紹介)
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秘密の王国が借家の一階部分であった事実に皆様はガッカリしたことだろう

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まだ1ページも読んでいないリラダン全集などが並ぶ書棚

明日トーク会決行!

参加申込者ゼロという窮状から「無観客試合か中止か?」と開催が危惧された明日11日のトーク会は、少数の方々のお申込みによりゼロから脱し、どうにか開催されることが決定!申込者様、どなたか存じ上げませぬが有難うございました。
明日はデュシャンが作品として「物」を選ぶ行為と、私が石を拾って眺めたりする暇人趣味とを関連づけたりと、中尾さんと色々なお話をするつもりです。私の語る内容は自己完結ではあるが難しくない(はず)。《予約なしでも入場可能》ですので、接待ゴルフが急遽中止になったとか、連休最後の予定に空きができた皆様は、是非ともお気軽に(有料だけど)お越しください!よろしくお願いいたします。

〈トーク観覧者限定オマケ〉
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夜なべの内職作業にて袋に封入された粗品たち

【最終告知】
『予感の帝国』刊行記念トーク会 &サイン会
かざまランドへようこそ!〜サチコとアートと〇〇と。
中尾拓哉・風間サチコ

2月11日 (月)  19:30〜21:00
銀座蔦屋書店ブックイベントスペースにて
*参加料 2000円*オマケつき!

《予約なしでもOK!》
→詳細情報はコチラ

分析:蜘蛛の巣グラフ

掲載誌面の写真を送ってもらっただけで、現物が手元になかった『芸術新潮2月号』を先日入手しました。記事を確認すると見開きページ以外に、縄文から現代に至る奇想の系譜の数々が、子気味良いタイトルで分類されたコーナーにもディスリンピック画像があり、奇想の傾向が点数化されたグラフも添えられていました。
さて、私の点数はというと…「異様・やりすぎ5点(満点)、役立たず・怖い4点、アニミズム・キッチュ3点、イノセント2点、かわいい1点」という評価で、異様とやりすぎ感が満点と突出し、かわいいは1点しかもらえなかった。
この分析結果を眺めて発見したことは、点数の低かった〈イノセント・かわいい〉が抜きん出ている作品をこの特集から探し出し、そこから私の不足する要素を学べば、このいびつな蜘蛛の巣グラフがバランスのとれた八角形の図形になる、ということです。では、私の作品に足らない無邪気さと可愛さを過剰に備えた作品とはどんなものか?以下がその参考とすべき先人の優秀作品です。

〈ウヒョ〜!かわいさ満点!〉
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イノセント・キッチュ・かわいらしさ5点満点の羨ましい作品。
これは人体に巣食う病気の虫で、左下の獣のような虫〈脾積〉は「甘いものが好きで歌を歌う」と書いてあり、その点は私に似ている。(それが何の病気の原因になるのか?)

〈イノセント満点!隻手の音声〉
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両手を叩くと音がするが、片手だけの場合どんな音がするか、それを報告しなさい。という白隠創案の禅問答を描いた隻手の図。「技巧を捨てて世俗化に抗う」白隠スタイルは理想だけど、やりすぎ満点の私には無理だな….中の字が異様に巨大で細長い書画《動中の工夫 静中に勝ること百千億倍》なら私にも実行できそう!(デスクワークに飽きて外をウロウロ歩いちゃうから)

〈やりすぎ満点!縄文ブーメラン〉
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左様!山下先生の分析どおり、私の作風は異様且つやりすぎの傾向にある。そしてその原点は縄文のアニミズム宇宙に存在する。付け加えれば、縄文はブーメランの軌道ではなく永劫回帰の円環上にあるというのが私の持論だ。

トークは2月11日

昨年末から年をまたぎ、正月を過ぎてもまだ読んでいた、中尾拓哉さんの長編論考『マルセル・デュシャンとチェス』を読み終えました。この本では、デュシャンがなぜ《(通称)大ガラス》の制作を中断してチェスに没頭し、そして秘密裡に遺作《1.落ちる水 2.照明用ガス、が与えられたにせよ》を制作し突如発表したのか?という謎について、デュシャンのチェス哲学に沿って推理していきます。私の頭脳ではチェスのルールが理解できず、さらに話が幾何学にまで及ぶと、なんともお手上げ状態ですが、持ち前の想像力と曲解術を駆使して、 チェス盤にデュシャン脳が交差するダイアグラムの迷路をどうにか(たまに飛ばしながら) 脱出できました。それはちょっとした達成感…。
「重要作品は5点あれば良い」とデュシャン自身が語ったように、タブローとの決別、レディメイドの誕生、未完の大ガラス、沈黙〜からの〈遺作〉と要所を見極めた無駄のない活躍。なんと完成度の高い芸術家人生!と驚嘆しつつも、この完璧な美の賢者にも何処かスキがあるはず、と探りながら読むのも楽しい『デュシャンとチェス』です。

〈そして〉この著者である中尾拓哉さんと2月11日、銀座蔦屋書店にてトークイベントを開催しま〜す。デュシャンよりもピカビアを愛する私ですが、デュシャンについて触れ、そしてかざまランドについてもお話しする予定。是非ともご観覧くださいませ!

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「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。」
…そのようなデマ拡散の事実を知らずに私は安穏と暮らしていた(今は違う)。

★告知★
『予感の帝国』刊行記念トーク会 &サイン会
かざまランドへようこそ!〜サチコとアートと〇〇と。

場所:銀座蔦屋書店ブックイベントスペース
日時:2月11日 (月)  19:30〜21:00
*要申込*参加料 2000円
→詳細情報はコチラ

芸術新潮は今日発売です

本日25日発売の『芸術新潮』2月号〈奇想の日本美術史〉特集にて、我がディスリンピック競技場の中央部分が掲載されました!
「平成の曾我蕭白になりたい」という私の夢は平成終了までの3ヶ月以内に実現されることはなく(否、永遠に無理だろう)、それでも平成ギリギリ〈奇想の系譜〉に名を連ねることが叶い、このように印刷物に名前が残れば、後世の読者が私のことを奇想の画家と認知してくれる望みはある(かも)。

『ディスリンピック2680』全画面に描かれた人間(と人間みたいな奴)は総勢約2.400人で、今回誌面に採用された中央部分には1.200人。これは足立元さんがカウントしてくれた人数で、作者である私はこの大人数にほとほとウンザリし数える気力がなかった。特に中央の人文字(マスゲーム)は、下絵段階でパースに苦戦し、彫りと刷りでは周囲の描写との調和に苦労した。丸木美術館で徹夜して、それでもオープニングに間に合わなかった箇所がまさにこの人文字地獄!

全体主義、統制社会、逆ユートピアの呪いとお祭りを表現するのに不可欠だった動員人数は2.400。芸術新潮でご覧いただけるのは、そのうちの1.200。掲載されてない左右の場面は画集『予感の帝国』観音ページを参照、もしくはこれから国内2カ所で巡回予定の本作『ディスリンピック2680』の展示を待たれたし!

世界をディ刷る風間サチコ vs デロリ・テロ!!!
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煉獄山(ディスリンポス)の乙女を総動員しても甲斐庄楠音の地獄美女に太刀打ちできそうも無い。