カテゴリー別アーカイブ: 出来事

温室漫画

「こちらになります」と案内されたのは、三階建の某国大使館の最上階一室で、その窓からは広々としたテラスに建造された温室を見ることができる。「先生、いかがでしょうか?」と訊く案内係に促され、よくよく観察すると、プラモの箱を立てて置いたような形体をしたガラスの温室を中心に、雨交じりの暴風がゴーゴーと渦を巻き、その雨粒が、手前のガラスには左方向に、向こう側のガラスは右方向に打ち付けられて、ガラス越しに見ると、その雨の筋が格子状に見えて面白い。そして外の樹木が暴風雨によって激しく煽られ靡いているのに、薄い箱のような温室の中の植物だけは、微動だにせず静寂を保っている。その「動と静」のコントラストが素晴らしい。「よろしい、漫画にしましょう!」と私は答え、この珍しい光景を漫画化することを約束したのである。

…朝方このような夢を見て「作品のヒントになるかも?」と思い、内容を記憶するよう努めたが、昼に思い起こすとまるで面白くない夢であることに気がつく。(ということがよくある)

(夢のスケッチ)
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案内係から「物資の乏しい時代に、王貞治と金子兜太がギターとバイオリンの交換をした」という逸話を紹介されましたが、これは夢の中のウソのお話です。

私は着飾らない

『私は着飾らない』という題名の素敵な絵画を購入しました。作者は吉村宗浩さんです。先月末、吉村さん個展(代々木/パールブックS&G)で、吉村さんと歓談中にこの絵の中の人物とバチっと目が合い「この顔は?」と固まりました。似てる…私に!スーパーマーケットで買い物してるとき、店内の鏡に映ったぼんやりした顔。そんな表情に近い。しかしこのモデルは(私ではない)、兵庫県内のとある駅で3度すれ違っただけの名も知らぬ女性とのことで、私のドッペルゲンガーは兵庫県在住だと判明。兵庫県には旧友が住んでいるけど、こんど遊びに行く際は、この人物と鉢合わせしないように気をつけよう。もし遭ってしまったら名前を訊こう。

「ようこそ人間たち」
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ようこそかざまランドへ!
四次元ボーヤもハダリーも貴女を歓迎する。
(私は着飾らない/私はたまに着飾る)

ぬばたまの

ぬばたまの 黒き画面に没入す 雑言住まう現し身の国(四度目のスマホ故障に遭いて詠む。ヤフコメの見過ぎに注意!) 昨夜またアイホンの画面が前触れもなく真っ黒になり、今朝になってやっと復旧!充電する辺りが過熱してるので、たぶんバッテリーが限界なのだと思う。買換えるのが最善の策とはいえ、この旧式小型アイホンに愛着があり新機種購入には抵抗がある。なのでしばらくは生命危うしアイホンを続投する。きわめて不安定な通信機器が、皆様とつながる唯一の連絡手段なので、もしメール返信等が途絶えたら「私のスマホがいよいよ冥界入りしたとお察しください。よろしくお願い致します。」

〈アルバムを作りました〉
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頼んでもいないのに「アルバムを作りました」と送信してくるグーグルフォト。スマホが受信機なので、この一方的お節介も受信できなくなっちゃう!(写真は一昨日金曜日に西洋美術館で撮った西洋絵画で、台東区の風景ではない)

うつせみの

古賀政男の詞を「万葉集の引用に過ぎない」と指摘する声を聞いたことがある。しかし、万葉ロマンの風化を古賀メロが少しでも食い止めている、と考えれば、古典からの引用に問題があるどころか、むしろ4千5百首の歌を詠んだ天皇、防人、民間人その他大勢のいにしえびとは、草葉の陰で喜んでいるに違いない。
秋の夜長にピッタリな名曲『影を慕いて』の三番の歌詞〈君故に 永き人世を霜枯れて/永遠に春見ぬ我が運命 / 永ろうべきか空蟬の 儚き影よ我が恋よ〉では「永」を三度重ねた技巧と、枕詞「うつせみの」にかけた「ひとよ」の万葉テクが泣かせる!時間では癒せない絶望を表現するのは、14世紀に渡り継続された変わらぬ情けである。(ちなみに私が好きな枕詞は闇黒ムードの「ぬばたまの」だョ)

〈人生の並木路〉より引用
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11/9刊行の作品集『予感の帝国』の作家経歴ページには、私の顔写真ではなく古賀政男の肖像画(これ)を掲載する。

嵐の前に

台風襲来の危機感を煽るTV報道を見て「何か備えなければ」という気分が高まり、今日は珍しく午前中から活動し、とりあえず、今後ますます価格高騰が予想される葉物野菜を買いに隣町の大型スーパーまで行った。その道中でなんという種類か不明のキノコが大発生しているのを目撃!この場所(M学園校庭ウラ)は形の良い石や、へんな絵の描いてあるケシゴムが落ちていたりする私が気にっている地帯で、本日もまた嵐を前に素晴らしい光景を見せてくれたというわけだ。

(おいしそうな謎キノコ)
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天然のキノコがこのように沢山生えているのを初めて見た!
地味で無害そうに見えて有毒だったりするのかも?(うかつに食べてはいけない)

(ごろつき人相書き)
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同じ場所で採取したバガボンドな風貌をした石たち

悪霊

この『悪霊』とはロシアの文豪が書いた長編小説の題名ではなく、小学4年生の姪っ子が考案した最新ゲームの名前です。小説『悪霊』は、登場人物・ピョートルの延々と続くお喋りに疲れて、私は下巻を読むまえに挫折してしまいましたが、かのピョートルに負けず劣らずお喋りな姪は、独自に作った算数のテスト/ クイズ問題 / 謎解きゲームを普段から準備しており、機を見計らっては大人の私達に回答を求めて来ます。それに付き合うと、細かいルールの解説、また回答の説明を聞かなければならず、せっかちな私は姪と遊んであげたい気持ちと、逃げ出したくなる気持ちで半々になります。

ゲーム『悪霊』の入り口
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実家の食堂のドアに貼られた「都会」の紙片。
どうやら悪霊は都会にいるらしい…。

〈ヒント〉
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さとり 学校
パソコンのじょうほうをさとっている

かまいたち
都会にいるヨ。
人のではいりが多いなぁ〜。

…などと書いてあるが、このゲーム会を欠席した私にはさっぱり意味が解らない。

思い出はカーキ色

不定期に送信されてくる『この日の思い出を見てみよう』というお節介メールは、決まって朝の8時15分に届く。今朝もまたこの着信音でウッカリ目を覚ましてしまいました。本日の「思い出せ」指令はこの写真で、これは2年前の今日9/16に、陸上自衛隊朝霞駐屯地の「りっくんランド」を見学した時の記録です。道路工事をする自衛隊員を描いた油絵・10式戦車・ヘリ部隊のヘル着用の私、以上の3枚が提示されています。(この私のがっかり顔は「悪臭を放つヘルメット」に起因する。)この日のりっくんランド見学の目的は、府中市美術館公開制作で制作するアルミ箔襖絵『人間富嶽』に登場させる現役戦車を写真撮影することにありました。

そして、あれから2年経ち再びアルミ箔ドローイングに着手せんと只今準備中で〜す。銀色絵画『九(ディス)軍(リン)神(ピアン)』は、11〜12月に恵比寿ナディッフ地下室で開催する、ファースト作品集『予感の帝国』出版記念展にて三分の一ぐらい公開予定!そのほか漫画ディスリンピック原稿・本家ディスリンピック部分などなど展示予定。「ぼんやり階級トート」に続く新作グッヅも絶賛開発中!お楽しみに!

(陸自ファンの汗でヘルメットが臭い)
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ナナヨン/キューマル/ヒトマル式…陸自戦車の好きな人には楽しいか〜もね?(私は違う)

さよならルミちゃん

数日前、実家のルミちゃん(金魚)が死にました。飼い主の母に「エサを与えすぎると水質が悪化する」と再三にわたり忠告していたのですが、なかなか理解してもらえず….とうとうエロモナス菌に感染し目が飛び出る症状が!エロモナス感染は飼育魚にとって死刑宣告に近く、私が過去に溺愛してたホトケドジョウ君たちも、この憎きエロモナス菌によって死に至ったのです。ドジョウ君の場合は、腹が赤くなり臓器不全を起こして死ぬという可哀想な末路でした。
私は治癒の可能性を探り、グリーンF.G液で薬浴させ「婦人病の薬が効く」という怪情報を頼りに自分が病気になったフリをして薬を入手。これもまた効果があるという噂のココアに婦人病薬を混ぜて、手作りの丸薬をこしらえて、絶食中のドジョウ君に「エサだよ」と騙して食わせました。こうやって手を尽くしたのですが、少しも回復の兆しも見せず絶命…。石も水草もない暗い部屋で絶食させられ、さぞや辛かっただろうなぁ。
ルミちゃんは病気で出目金みたいになっても母から「かわいい」と言われ、オヤツもいっぱい食べて天国へ旅立ったのだから、それはそれで良かったのかもしれません。

(くまモンとルミちゃん)
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ポップアイ症状が痛々しい最後の写真

(母が描いた在りし日の肖像画)
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水草を食む金魚たち (きっと天国で再会しているに違いない)

〈麺紀行〉袋の人

百均ショップの夏用乾麺の並ぶ棚に鍋用スープが少しずつ進出しつつあるのを見て、夏の終わりを感じる今日この頃です。そして以前ご紹介した蕎麦の袋にも秋は訪れました。
〈大切な人の笑顔がうれしくて本気になって、打ちたて・茹でたて味わい舌づつみ〉と一途な女心をにじませた文面が微笑ましい『ざるそば』の袋だったのですが、先日購入したら例の文は書き換えられ、このような変化が!〈最新の設備を導入した事により、保水性の良い水々しいそばが出来上がりました。ぜひ、ご賞味下さい。〉…彼女に何があったのか?一切の私情を挟むことなく、最新設備導入をアピールする姿勢には以前の無邪気な姿はありません。この事務的な文言に、秋空のように切り替えの早い女心が見て取れます。きっと新型製麺マシーンの導入とともに気分一新したのでしょう。それもまたよし!

(リニューアルパッケージ)
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健気なあのコは何処に…

(旧パッケージ)
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思い出はここ(冷凍庫の扉)に

(自己紹介)
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麺であることは見ればわかる
「殊の外うまい」とはご謙遜。確かに1kg 250円の割には美味しいヨ

あやしい雲行

一昨日のお昼。あまりの暑さに台所で麺を茹でることすら苦痛になり、乾麺派の私も不本意ながら手抜きをしてカップうどんを食べることに。〈そして夜〉世田谷区を襲った激しい雷雨に大興奮。室内からの雷光見物と撮影に夢中になり、閉め忘れた窓から吹き込む雨に気づかず。〈その処理〉階段の踊り場が水浸しになり、雑巾で吸い取った雨水はどん兵衛の空き容器に一杯ぶん採取された。〈そのあとも〉ただいま製作中の漫画執筆は続行される。しかしそれもあやしい雲行だ。

(未完成原稿:右から左)
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隔離島で暮らしたいと提案する日出鶴丸に
「それは無理よ」「あの島、健常者は住めないの…」と月光が告げると
「なんだ、そんなこと簡単だよ」と谷崎潤一郎『春琴抄』の文庫本を差し出す日出鶴丸…

この変態小説が示唆するものは何か?月光同様、察しの良い読者諸君ならお解りであろう。

(同族の闘争)
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版画と漫画の道具がせめぎ合う我が作業机