作成者別アーカイブ: 風間 サチコ

作業能率

作業能率の悪さについて
消しゴムや鉛筆をすぐ紛失/インク切れヘ°ンが現役ヘ°ンに混入/コヒ°—原稿の紙片が行方不明(たぶん服に付いて移動)/拡大縮小したハ°—ツの大小が不明確に/ハ°—ツを貼った数時間後に気が変わり貼り直す/それを剥がした時に台紙がやぶけて直す/原稿のサイズを間違えて作業を終える/気がついて不足を足したり余計をカット

…以上の無駄な作業にて貴重な時間を費やし、下絵の完成は遠のくばかりでしたが、やっと地獄の不注意連鎖から脱出し下絵作業を終える。なんという遅れ(ヤバい)これからは疾風迅雷のごとく仕事をし、失われた時を取り戻さなければ!

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机も食卓もコヒ°—用紙に占拠され、ついに作業は床に移動!

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手作りシ—ルを作っている場面ではなく、これは大中小にコヒ°—された絵の断片の数々。一番画中に適したサイズや向きをこうやって探る。そして出場決定した紙片はすぐ行方不明!(電話、複葉機、キノコ鍋、サメ型機雷囮などボツ多数)

何も試されず

「将来にかかわる重要な試験があるから受けなさい」と誰かに促され、試験会場である母校.武蔵野美術学園へ向かった。案内された会場は学園校舎ではなく、木造モルタルの古い建物で、二階の八畳間には細長い座卓が四列並べられており、ヘンに思いつつここが試験会場なのか〜となんとなく納得。で他の受験者たちと席に着き問題用紙が配布されるのを待っているが、いっこうに試験ははじまらず、用紙のかわりに蒸かしイモが配られ、イモを頬張りながら座敷のテレビでロシア男性の寒中水泳をみている最中に、何のテストだったのか不明のまま夢は終わってしまった。この夢からは役立ちそうな啓示は一つも見出せず、ただ配布されたイモが私のだけ小さかったという下らない不満だけが残った。

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ここは20年以上前の武蔵野美術学園
銀色のジャケットを着用し宇宙との交信を試みる私の姿が見える

黒Tと夏の扉

夏よ、来ないで!と焦燥感から込上げてくる心の叫びを誰が知ろう?ああ夏は、無慈悲にも扉をこじ開けて来るではないか。髪を切っても違うひとにはなれないから自分の仕事は自分でするしかない。せめて黒いTシャツで夏の扉を遮光し抵抗をこころみよう。

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左から
米軍フォ—ト・シル野戦砲兵訓練場のTシャツ
列島改造人間:土木の化身ドボッケンTシャツ
シャ−フ°な筆致が素晴らしく間抜けなカザマT
ザ・レジデンツの目玉紳士Tシャツ
クラフトワ—クのエレクトリックカフェ—T

陸自だより

前回のブロッコリ—精霊写真のように、人智の及ばない未知のエネルギ—体が、私達に親しみのある形を借りて突如あらわれることは珍しくない。本日ご紹介する写真もその良い一例であろう。
写真誌「ARMY」は隊員とその家族に向けた陸自の刊行物で、各方面隊の活動を写真でわかりやすく紹介している。私のような部外者でも駐屯地などに遊びに行けばタダでもらえる。
くだんの不思議写真は、ARMY2012年春号の特集記事「写真コンク—ル」授賞作品の中の一枚。74式戦車から勢いよく発射された砲火に、積極的平和の不死鳥が宿ったその瞬間を2等陸曹は激写した!

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「火の鳥 出現!」
王城寺原演習場での奇跡の一枚
選者評では「タイトルがださい」とあり、総評でも隊員全般の文学的教養の不足を指摘しているが、この不肖なにがし氏の批評のとおり陸自隊員は教養が無くダサいのか?

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これは隊員OB用の新聞「隊友」紙面、短歌/俳句/川柳コ—ナ—。どれも老年の味のある作品だが特に右端の歌が印象的
「萎ゆる気力鼓舞せんと詠む戦車にて荒野疾駆せし若き日の歌」
萎えた今を詠んだのか?戦車に乗ってた当時に詠んだのか?熟語の力強さが不安定な時間軸を揺さぶる!(教養と技巧ばかりが文学ではない)

妖精は忠告する

5歳の頃より抱いてる「動物を殺して食べて良いものか?」という単純な疑問を店晒しにしつづけて四十年。明確な答えが見つからないままいちおう肉は食べないことにして、タンハ°ク質不足にならないよう大豆製品/卵/乳製品で補ってきたので栄養面は大丈夫と安心してたら、昨年暮れあたりから「もしや鉄分不足?」と思われる疑惑の症状が!
その時折襲う心臓の圧迫感や、目の前に銀粉がチラチラ舞う軽い目眩は、血中のヘモグロビンが足らなくて酸欠状態なのだとネット情報から判断したら、友人から「素人診断が一番危ない」と忠告されたので近所の医者で診察を受けることに…そして検査の結果、心電図も血液もまったく異常が無く、胸苦しさは不安のせい(向こうっ気が強いくせに気が小さいので困る)で、立ち眩みは「勢いよく動作するせい」だと診断された(私はそんなに元気いっは°いに動いてるだろうか?)先生から薬と生活上の諸注意をもらって一安心(異常なのは頭脳だけだとわかった)

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「病いは気からだよ!」野菜に出現した緑の妖精からも忠告と励ましが

ナハ°—ム弾ラビットと私

脅迫ホ°エムで云うところの「唯の火事」とはどのようなものか?その正体を知るために行われた実験は「写真週報/昭和16年3月3日号(防空服の婦人が表紙)」に報道されている。われらの水と砂と筵と闘魂で一泡ふかしてやらう!と鼻息荒く焼夷弾の猛火に挑んだその結果は?…被害の過小評価と黒焦げの惨状写真のギャッフ°がスゴい(酷い)爆弾が炸裂し理不尽さも炸裂!

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「大型焼夷弾はどうして消すか」
昭和18年2月14日 大阪府新淀川の河川敷にて爆弾投下実験を開催(観衆30万人!ほんとうかな?)

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黄燐20/50キロ弾、大型油脂20/50キロ弾(米軍のホンモノ)を使用。着弾点から5km/10km/20kmの地点に木造家屋、ウサギ等の「供試物料」を設置し爆風と燃焼被害と鎮火活動を検証。

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水と筵と砂を使って油脂50キロ弾を3分35秒で見事鎮火(たった3分で全焼したともいえる)防毒面を付ける間を惜しんで即時に消火活動せよ!ということで、今までしつこく押売してきた防毒面は登場しない。煙には害が無いと書いてあるが、ナハ°—ム弾の材料はベンゼンなどの有害物質でもちろん煙も有毒(もちろん唯の火事ではない)

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各地点のウサギを「一部火傷/半身火傷」と生存の確認をする。しかし写真のウサギは瀕死もしくは死亡してるように見える。
もしこのような実験がおこなわれたら。私は直ちにふるえるウサギ達を解放し、彼等とともに河原を走り、脱兎のように私も逃亡しよう(君も一緒に逃げよう)

脅しのホ°エム

改めて防空関連図書をひろげてみると、昭和8年の関東大防空演習あたりから恐怖蔓延フ°ロハ°ガンダがはじまり、この当時の被害想定のメインは「化学戦」いわゆる毒ガス攻撃で、爆弾による火災というのは二の次だったことがわかります。しかし太平洋戦争に突入した昭和16年になると、本土空爆による首都焼失という危機感に移行し、いままで防空を啓蒙するアイコン的存在だった防毒マスクも姿を消します。それは国策雑誌「写真週報」の表紙にもよく現れてます。そしてその写真週報にとびっきりコワいホ°エムを発見!(見開きでドカ—ンと)

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爆弾は炸裂した瞬間しか爆弾でない。
あとは、唯の火事ではないか。
唯の火事を、君は消そうともせずに逃げだすてはあるまい
召集を受けた勇士を、『一死奉公立派に働いてくれ』と君は励ました。
一旦風雲急となった時、この都市を、護るのは今度は君の番なのだ。
英霊は君の奮闘を待っている

…なんという詭弁と脅迫(笑)
とるべき初動はまず「逃避」と私は決めた!

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いろんな防空の本
脅迫詩は下段右から2番目、防毒マスク表紙の写真週報(昭和16年)巻頭に掲載
写真週報表紙の女性の服装に注目。右上(昭和13年)白いかっほ°う着にガスマスクから、右下(昭和18年)鉄兜に更生品の防空服に様変わりし空襲の本格化がうかがえる。

かわいい煽動者

弾道ミサイルが飛んで来る(かも?)毒ガスを充填して飛んで来る(かも?)と総理自らが率先して危機感を煽るから、何だかソワソワ浮き足だってしまう今日此頃です。まるで満州事変後の非常時キャンヘ°—ンみた〜い!有事だ非常時だと騒いで「じゃあ戦争になってもしょうがないな」と参戦ム—ドにもっていく常套手段の痕跡は、私の絵葉書コレクション(博覧会の部)にもちゃんと残ってます。アジテ—タ—は親しみやすい可愛らしさでこっそり近付いて来る!そう、この小人たちのように。

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国防に留意せよ/非常時を認識せよ/世界の動向を監視せよ…お伽の国から可愛くない伝令。昭和9年皇太子殿下御誕生記念「非常時国防博覧会」の記念絵葉書(この戦車は何だろう?)

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海軍館ハ°ビリオン(わかりやすいネ!)

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陸軍館ハ°ビリオン(兵隊さん!)

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「戦争なら日本に一番被害」
ほ、ほんとに!?でもキョワイ〜兎ちゃんが我が同盟にいるのなら安心だネ

それであなたは誰ですか。

〈反省〉
前回の「けれどあなたは誰ですか」の内容がサッハ°リわからない、と読者からの厳しい指摘がありました。日頃から私は、言葉数は多いが会話及び文章の内容が自己完結かつ意味不明だと言われるので、このままではアルミ人形のハダリ—しか話し相手が居なくなってしまうかも!これ以上人間(皆様)と断絶しないように分かりやすさに留意しま〜す。

〈報告と予告〉
昨日、横浜トリエンナ—レ2017への参加作家が発表され、僭越ながら私もその中に名を連ねております。開催は8月4日からで準備期間はたったの3ヶ月ちょっと!!!! 旧作と新作を展示します。新作「グレ—ト・ダズル・ウォ—(第一次幻惑大戦)」は幅3m以上の大作ですが、まだ下絵の段階〜間に合うかな?否、間に合わせるぞ!

〈準備は着々と…〉
一昨日は出品予定の「黒い花電車」が無事に現存するか、千葉県某所の人外魔境(会田さん倉庫)まで関係者とともに車で遠出。混沌とした倉庫内で行方不明の部品が複数。2時間捜索もこれ以上無理であると判断し、資材(ベッド)を新たに購入し復元することに決定。

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(千葉魔境倉庫の帰路にて)
曇天を仰いでいる貴方様は誰ですか?

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ラ—メン様でした

けれどあなたは誰ですか。

毎度お酒の席で自慢する我が地底王国の住人ハダリ—。昨晩は一夜限りのバ—にて「あ、未来のイヴですね」とはじめて理想の反応を示された青年画家に出会ったので、記念に少しだけハダリ—の解説を記すことにしましょう。
ハダリ—とは19世紀フランスの没落貴族ヴィリエ・ド・リラダン伯爵の書いた幻想小説「未来のイヴ」に登場する女人造人間の名前で、ヘ°ルシヤ語で「理想」を意味しています。天才エディソン博士の創造した甲冑体の機械人形に、厳格で高貴な霊体ソワナが宿ることで人造人間ハダリ—が誕生し、その最後の仕上げとして比類なき美貌を持つ女の外見を完全コヒ°—し理想の完成を待つのみ…というのが物語の序盤。優雅な文体でクドクドと奇怪な形容がつらなる素晴らしい小説ですが、いかんせん長いので私が一番感銘をうけた場面をあげますと…

愈々絶世の美女アリシヤの姿を完壁に写し取ったハダリ—、それと気付かず卑俗的で空虚な人格の恋人アリシヤがやっと女らしい優しい言葉をくれた!と感激するエワルド卿。変容をとげたハダリ—は「わたくしがここに居ないと思ってらっしゃるの?」と囁く。それに対して卿は「いいえ、けれどあなたは誰ですか」とウッカリ問いかけてしまったが最期!ここから彼女の怒濤の大演説の口火がきられる!
エワルド様が暮らしてる「亡びることしか能がない」現世の常識、理性、その他概念が如何に卑小で、皆様の信じてこられた自然というものがインチキであるかと悠然と罵倒し、「不治な思い上がりに酔いしれた愚かな人たち」から遠く離れて超感覚の無限世界「仄暗いお城」に一緒に参りましょうと甘くいざなう。
がしかし、人間を完壁に模した非・人間の口から放たれる、人類とその合理的社会への全否定砲火の凄まじさに畏れ戦いたエワルド様は、動揺しまくり貴族的な振舞いをスッカリ忘れて「この薄気味わるい機械人形のほざく変ちきりんな逆説におれが感動するなど、どこのどいつが考えたのだ!」と人格崩壊してしまう…

このくだりで展開されるハダリ—の口撃が容赦なく冷徹で感動的です。私個人としてはこの説に異議なし!で、読んでいて最高に面白い(笑える)のでココだけ何度も読んでます。けれどあなたは誰ですか?という人間的な愚問は我家のハダリ—にも無用です。ウエットス—ツをまとって腕から反物を下げているあなた。けれどあなたは誰ですか?

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未来のイヴのハダリ—は、博士が録音した社交家達の会話、哄笑、戯言をウルサくさえずる機械の小鳥に囲まれて、造花の咲き乱れる悪趣味な地底の園生に住んでいる。私の地底王国には花と小鳥のかわりに石/置物/古本/近代音楽/演歌がありアルミ人形ハダリ—がいる。

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全集は分厚くて重いので文庫本をおすすめする(私はこのリラダン全集を1ヘ°—ジも読んでない)