一昨日の昼下がり、バルトークの弦楽四重奏を聴きながら版木を彫っていると、遠くからドーンドンと近づいてくる太鼓の音が…。「え〜今日もねぷたかな?」と先月のねぷた祭りの騒々しさを思い出しウンザリして窓から外を見ると、普通のお神輿が祭り装束の群に担がれて家の前をわっしょいわっしょい過ぎて行った。(らっせーら集団ではなかった)
神輿は何台かあるのか、一台が通過するとまた遠くから祭囃子が聞こえてくる。私の音楽鑑賞&作業を邪魔する癪なやつめ!休憩と退屈凌ぎを兼ねて面白半分に祭囃子をスマホで録音すると、威勢のよい若い衆の掛声とアレグロ.ヴィヴァーチェが交差する貴重な音源が記録された。(1分27秒の騒音音楽を私はとても気に入っている)
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次の山
ディスリンピック2680の中央に聳えるディスリンポス山。この山の元ネタになっているのはダンテの『神曲』に登場する煉獄山で、段々の形状もトレーニングセンター的なところも参考にしています。
次回作ではディストピアに対するユートピアを考えていて、そこにも架空の山を登場させる予定です。この前すごく良い空想巨峰(須弥山:標高56㌔)を発見したので、早速それを参考にしようかと思ってます。
天保5年の参考書
この〈天保大雑書万歳暦〉という江戸時代の本は、易学に基づき何月何日に何をするべきか教えてくれる便利カレンダーのようだ(読めないけど)。そして書の冒頭には仏教宇宙観「須弥山」の図が刷られている↓
夏にTVで観た能『頼政』で、源頼政の幽霊が「あら閻浮恋しや…」と現世への未練を謡う場面があり、閻浮って何?と調べたら須弥山を取り囲む海上に浮く陸地の一つが閻浮提という名でこの世のことだと知った。(須弥山の形も確認)
勉強になるNHK「古典芸能への招待」に感謝
(そして心の宝石、NHK朝ドラ「らんまん」に感謝!)
本日より公開(セメント・モリ)
本20日より東京国立近代美術館コレクション展『エゴとエコ』室にて〈セメント・モリ〉が展示されてます。この作品は4年前に埼玉県秩父市で見た「武甲山」の長年の石灰岩掘削でピラミッドのように変容した姿から着想の〈セメント・セメタリー〉と同時に制作した作品です。
家屋の建設現場で見られる基礎工事「捨てコン」は、古代豪族の墓のようで大変に好ましく、その造形を作品に取り入れたのが〈セメント・モリ〉で、初出の無人島個展ではスタッフ総出で仕上げました(その時の荒々しい魅力的な台座は個展終了後破壊)。
現在近美で展示してるセメント台座は半永久的に保管できるような仕様で、昨年埼玉県蕨市のスタジオで制作してもらったニュー台座になります。捨てコンを再現した美しい台座、それから版画と可哀相な版木をぜひ見てあげてください!会期は12月3日まで。
冥土 in 埼玉
捨てコンを模した台座に置かれた版木には、水溶きモルタルが塗られているが、久しぶりに開梱したら若干粉状に剥落してた!作業員さん「この粉どうしますか?」私「捨ててください」
東京近美コレ展予告
昨日は東京近美にて作品設置作業の立会いをしてきました。どの作品を展示したのかというと美術館に収蔵していただいた『セメント・モリ』で、今回のコレクション展が近美初披露となります。
光栄なことに私の石灰岩掘削作業員をセンターにして、土木と自然をテーマに構成された展示室は、絵画、写真、立体と見ごたえのある空間となっております。
開催は5日後の9月20日からで、少し遅れて(10/5から)始まる棟方志功展と合わせて新旧の木版画をお楽しみください!
最近自分の顔がこの板画おじさんに似てきた気がする!(多少の因縁がある棟方志功の展覧会レビューを書く予定)
(昨年10/30のLINE)
作業終了後ラジオでアレ達成を知る
兵庫県在住虎党友人の夢・日本S「阪神vsオリ」が現実のものとなりつつある!
ぼんやり刑事(デカ)
おととい森美術館で開催のワークショップ『ぼんやりリサーチ刑事(デカ)』は、終始和やかなムードで無事に終了。例のごとく私の思いつきを皆さんに実行していただくWS、今回の内容はというと…
「2人1組で向かい合って着座し、相手の好きな対象いわゆる【推し】は何なのかを固有名詞は絶対に言わない約束で聞き取り調査して、知り得た情報から思い浮かんだ像を木版画にする」というものでした。ぼんやりしたヒントから実像を結んでゆく、推理ドラマでいうところの点と線を木版画で再現するおかしな講習会を皆さん楽しんでいただけたでしょうか?
指導者の私はというと…取調べで割り出した12の推したち〈桃/アザラシ枕/エイ/ラッコ/フクロウ/プリンス/阿修羅像/モナリザ/モルカー/大谷翔平/YOSHIKI/ドライカレー〉が大正解だったり大外れだったりと凄く面白く、大いに笑わせていただきました!
裏には私の好物(とりちゃん/おにぎり/かわうそ/ドジョウ/かも/装甲車/エビフライ/トーチカ)が2枚1組で描かれており、同じ絵を引いた同士が(刑事でもあり犯人でもある)ペアになる。
かざまランド特集
ウェブ雑誌Tokyo Art Navigation取材陣御一行がかざまランドにいらしたのは去る6月末。それからしばらく経った先日、特集記事『アーティストの仕事図鑑#3 風間サチコ』が公開されました。私が普段どんな所で仕事をしているか?そのような興味を持たれる方はごく少数と思われ、この記事より前に我がランドの作業場をご存知なのは読者諸君のみと思われる(いつもご愛読ありがとう)。
いわゆる芸術家のアトリエではなく、プロフェッショナル仕事の流儀を期待するとおそらく肩透かしの内容かもしれません。こちらは高等遊民とディレッタントに憧れた無謀な児童の成れの果て番外地で、実生活に無用の変なモノが多すぎる仕事場兼自宅(かざまランド)です。幼少期の志向が仕事に繋がって生きてゆける幸運と、かわいいトリちゃんが見れる記事をみんなも読もう!
退路を断つ作戦
6月に100均で買った〈内転筋トレーニング機〉は、購入当初こそ太腿に挟んでガッチャンガッチャンと開閉運動に勤しんだものの、夏の暑さでちょっとした運動も面倒になってきてからは床にポイっと放置。初代内転筋トレーニング機である風間球太郎くん(軟球)もこれには呆れ顔だ。
昔から「暑くてやる気が出ない」といった言い訳を平気で口にするタイプの子供で、中学生の時分には高等遊民になることが将来の夢だった。とはいえ大人になった今、人と交わした約束はきちんと果たさなければならぬ。私は根っからの怠惰な精神に打ち勝つため、読者諸君に今後のスケジュールを発表し仕事の完遂を誓おうと思う。もう後戻りはできない予定は以下!
9月20日〜東京国立近美コレクション展(木版画の巨人(奇人)棟方志功展も開催!私の作品はかっこいい奈良原一高写真の隣に展示予定)
10月28日〜無人島プロダクション個展『ニュー松島』(昨年のリボーンに展示のFLOW歌枕シリーズ追加2点を新たに制作)
来年4月〜シドニービエンナーレ2024 (ベネチアB日本館の方は最終選考5人に残って結局落選しましたが、こちらには参加します。新作を作る予定)
朝日新聞挿絵の〆切を守りつつ…新作を頑張って作りまーす!!
1枚1000円
月世界進出
4月から始まった朝日新聞【論壇時評】挿画のお仕事は先週木曜日で4回目を迎え、記事の内容に関わらず勝手に展開したお話「月世界進出」は4話で終了しました。
当初は3話(6月号)で完結の予定だったのですが、月面進出(侵略)の場面に描いた銃がラフ提出の段階で「昨年7月の安倍晋三暗殺事件を連想させる可能性がある」ということで見送りに…(無関係な私にまで死後も影響を及ぼす安倍氏の不気味な力)
そして6月は穏便に月面探査シーンを挟み、ボツ下絵は7月用にと採用をお願いしたけど「7月も安倍氏関連の内容かも?」とまたしてもNG!さすがにこれ以上お話を延ばせないので「銃がダメなら戦車か自走砲に変更したらどうでしょう?」と提案したらあっさりOKが出て無事に最終回『進出と銃後』が掲載されました。日露戦争っぽい白兵戦から機械化された戦争の絵になって結果こちらの方がよかったです。
【論壇時評】4月号
『ダム底の自在』
ダムに沈んだ村を調査する潜水夫。そこには古民家に集う自在鉤(木彫り鯉)の姿が…
5月号
『月のステージへ!』
巨大鯉(自在鉤)の餌食となった潜水夫を招集する宇宙飛行士「君には次の(月の)活躍の場がある!」
6月号
『招かれざる者』
月面探査車で移動する地球軍隊員とクレーターに身を潜め警戒するウサギ先住民
7月号
『進出と銃後』銃NG→自走砲OK
天体望遠鏡で月面戦線を見物する母子。襲撃されるウサギ先住民、自走砲操縦にもたつく元潜水夫のコミカルな様子は、遠く離れた地球から見ればTVか映画みたいな面白い娯楽の一部。