FL0W再び

先週末の『ニュー松島』OP会にお越しいただいた皆様、お忙しいところ誠にありがとうございました。初日に来られなかった皆様は12/3までと会期が長いので是非ともご高覧ください。(無人島は土日も営業。月火祝休廊)
展覧会内容は、昨年の石巻リボーンアートで展示のニュー松島作品群に新FLOW2点を加えたニュー『ニュー松島』です。不可解で不気味なFLOWシリーズの謎解きは、無人島窓口に置かれた解説ファイルを見てみよう!私の汚い文字で書かれた作品資料で余計に混乱すること間違いなし!

これがそれだ(現物は会場でみよう)
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「FLOW(沖つ国/不老山)」の解説書
要約すると…防潮堤で分断された旧名所・不老山を常世と現世の境界を守る門番と見立ててみたよ。イメージと題名は万葉集(おそろしきもの3首の内3888番)から引用「沖つ国 うしはく君の塗り屋形 丹塗りの屋形神の門渡る」屋形船は近世の軍船・安宅船や補陀落渡海の船を模してる。

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これは岩窟が不気味な雄島の光景「FLOW(雄島/誰まつしまぞ)」
右の見仏上人(木版画)を刷ってから版木を彫ったり塗ったり細工して松尾芭蕉(版木)に変身させた。この解説書では見仏上人が持ってる蛇腹が法華経(6万部)だということと、題名の出典は雄島の芭蕉句碑「朝夜さを 誰まつしまぞ片心」でこれが旅行前の慕情だと説明。(中央の五輪塔(空)(風)(火)(水)(地)の解説は後日)

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旧北上川の歌枕を描いた「FLOW(袖の渡り/涙川)」石の小舟=袖の渡りの左右には和歌4首が流れている。右①みちのくの(の←巻石)袖の渡りの涙川 心のうちに流れてぞ住む(相模)②涙川あさき瀬ぞなき陸奥の袖の渡りに淵はあれども(藤原行家) 左③とこもふち 淵も瀬ならぬ涙川 袖の渡りはあらじとも思ふ(清少納言)④しるらめや袖の渡りは時雨して 道の奥まで深き思ひを(寂然)
川下りの舟で棹をさす船頭さん(中央)は、おくのほそ道の序文から〈船頭=旅の住人、すなわち時間の概念〉という意を汲み往来可能な時間の象徴として登場。