カテゴリー別アーカイブ: 出来事

私は見物人で見仏上人ではない

一昨日訪ねた宮城県松島海岸の群島のひとつ〈雄島〉は古代からの霊場で、手掘りの岩窟と板碑が不気味な空気を醸し出す魅惑の小島です。四角く穿った大小の岩窟厨子・仏龕は島のそこかしこにあり、仏龕にぐるりと囲まれた広場も複数ある。そしてその昔、この岩窟広場のいずれかに平安時代の行者・見仏上人が12年も籠もり続けた庵があって、そこで法華経60000巻を読誦したというからビックリ仰天!私は本1冊も満足に読めないのに!
…くだんの庵はすでになく、伝説を立証できる人もいないが、なんと現在、見仏上人複数存在説が浮上し、12年間に至る岩窟広場暮らしが同一人物によるものなのか怪しいそうです。(食料もない極寒の島でどうやって生活するのか?不殺生を守るなら釣りもできないし…)

また岩窟と同様の霊験を感じる板碑の数々は、中世から近世にかけて立てられた石製の卒塔婆で、その多くは極楽往生を願う人々が経文などを石に刻んで生前に立てたものだという。かつては無数に林立する板碑が海鳥の群れのように見えたほどだったが、明治時代、松島の観光地化事業でほとんどの板碑が「不気味」という理由で海中投棄!近年研究者の手により海から3000近くの板碑が引き上げられ、瑞巌寺宝物殿でその一部を見ることができる。素朴な祈りに対する蹂躙の痕跡は、呪われた近代社会の始まりを予感させるものがある。

私は雄島でパスモを落とした!
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たくさんの一円玉がひっついてる石仏。
アルミ貨幣がどうして落っこちないのか不思議だが、私は島でパスモを落とした。
パスモの残額300円(桜新町⇔渋谷往復間の運賃程度)は神仏への賽銭と認めてほしい(私に現世利益を!)

岩窟広場
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ここに庵(見仏ハウス)があったのかも?

板碑ブーム到来!
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雄勝石・井内石の板にミステリアスなマーク(梵字)などが刻まれたカッコいいモノリス。

きのうは石巻
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津波被害の痕跡を残す石巻のお寺.多福院の板碑群

グッバイ氷柱

西武秩父線芦ヶ久保駅で降りて10分ほど歩いた山間に、冬場だけ見ることができる巨大氷柱群がある(見物料400円)。谷を埋め尽くすツララの集合体は美しくもあり異様でもある。凍てつく造形美が奇態とも言える冬の風物詩は、地元有志が毎日ホースで散水して、山の樹々に着氷させて作ったという(だから有料)。
本当に珍しくて素晴らしい眺めなので、皆さんにもお薦めの観光地ですが、残念なことに昨日2月末で見物終了〜今日から3月=春。群生ツララを見たい人は次の冬を待とう!

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見物客が来くなった谷合で静かに溶けゆくツララも見てみたい。

ヘビを捨てて山に行こう

特急ちちぶ9号に乗車し西武池袋線仏子駅〜元加治駅間の入間川橋梁を渡る。かつて秩父平氏一族が統治してたこの一帯は、発心集〈武州入間河沈水の事〉の現場からさほど遠くない。お話の主人公・管主は、漂流する屋敷の上で従者から「海が間近に迫ってます!早く逃げましょう」と促され濁流に飛び込んだ。必死に泳いで葦原にしがみついてると、流れてくるヘビたちの恰好の拠所になってしまい、どうにか浅瀬にたどり着いた時も巨大なヘビが何匹も巻きついたままだった!

屋敷ごと海に流出とあるが実際のところ川越から海まで流されるのに如何程の時間を要するのか?現場の上戸運動公園から荒川合流地点まで15Km、河口(新木場)まではトータル62Kmもある。氾濫時の急流は秒速4mほどだそうだから「62.000m÷4=15.500秒(258分=4.3時間) 」かな?この計算が合ってれば4時間18分でけっこう長時間。なので、すぐ海に流出とは考えられず、おそらく関西人の鴨長明は川越市が内陸部にあることを知らずに緊迫する状況を表現したのだろう。

大量のヘビがニョロニョロ絡みつく気持ち悪さを「地獄の苦しみ」と強調し、水から上がって真っ先にヘビをむしり取ったことが書かれてるので何か仏教的示唆があるのかと思ったけどヘビに特別な意味はないみたい。結局この話で鴨長明が云いたいことは「厭離の心を発すべし」の一語で、天変地異/家庭不和/世界動乱といった恐ろしい時局と付き合わずに世を捨てよう、という些か無責任な遁世の推奨だ。謎なヘビのくだりは「纏わりつくヘビをかなぐり捨てるように社会通念のしがらみを捨ててもよろしい」みたいな隠しメッセージなのかも?

発心とは、M.シュティルナー、辻潤にも通じる虚無的個人主義に近い。それは単なる厭世ではなく、無用な軋轢を回避する和平の知恵だとも言える。(同門のマルクス&エンゲルスと思想を異にしたシュティルナーは偉い!革命は絶対的指導者を誕生させる。平和のためと嘯く詭弁上等なボルシェビキの悪霊をどうしたらよいか?)

新版『発心集(上)』4-9話より
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屋根の上に妻子を残し濁流に飛び込む管主と従者の図

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グーグル地図の距離計測機能を利用してみた

人面石第1号の託宣

おじいさんが人面石第1号から「私の仲間がまだ川にいるから探しなさい」と夢で告げられ、その言葉を信じて秩父の川に行くと、夢の啓示どおり顔に見える石がたくさん河原にあったのだという。
集められた無数の石たちは、おじいさんが亡くなった今も、石と心を通わす我々(世界の人面石ファン)に微笑みと交流を提供し続けている。人面石第1号がおじいさんに託した石世界は、人間界では脆くも崩れやすい〈平和〉を、愛石の残留思念を発しながら寡黙に体現しているのである。

「人面石第1号」
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黒い顔に白い二枚貝化石の目と口がミステリアスな珍石館発祥の石。
第一発見者から石を譲られた男性が自宅に持ち帰ったら、奥さんから「不気味だから見たくない」と嫌がられ仕方なく初代館長(おじいさん)に委ねたそう…。(もらった夜に不思議な夢を見たという)

(書記長の石)
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ブレジネフ、ゴルバチョフ、エリツィン…。おじいさんの名付けたソ連.露の最高指導者石。
ここにКГБの揺曳.プーチン石はないが、あってもおそらく人間の顔はしてないだろう。

人面石命名

山と石と岩と人口氷柱を見るために秩父に行って人面石に名前をつけてきました。秩父本線影森駅を下車して15分ほど歩いたところにある『珍石館』は、普通の民家内に数千個の人面石を陳列した個人博物館で、私が数年前から行きたかったパラダイスです。
初代館長のおじいさんが水石から人面石採集に趣味が移行し、存命中に拾い集めた秩父産顔石と、日本全国(外国人も)の人面石ファンが持ち寄った顔石が無限大の宇宙を生成している。これらの人格を有する岩石群に囲まれ、無言のお喋りに耳を傾けるその時間はまさに至福!

現在は初代の娘さんが館長をなさっており、この2代目館長と旦那さんのお二人で親切に石にまつわるお話をして下さり面白かったです。水石の底切り&磨きOK派の館長と反加工派の私で意見の相違がありましたが、愛石は平和な趣味なので対立は無用!帰り際に人面石の命名をさせて頂き、私の名付けた石を後の見学者が「似てるか似てないか?」と論じてくれることに期待。これからもこの世界に類を見ない素晴らしい珍石館が存続することを切に願います!(また可愛い石達に会いたい。みんなも行くと良いよ。超オススメです)

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石の個性に合わせた木製台座は全部おじいさんの手作り。真の愛石家の姿を見た!(この中に私命名の人面石があります。さてどれでしょう?)

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鴨長明に似た石を探してたら…あった!
遮光器土偶とクッキングパパに挟まれた鴨石

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この有名な肖像画にそっくり(かも?)
ほかにも秀逸な名前の顔石多数 !後日紹介 

祝50!誕プレ集

あっという間の半世紀!私のように気儘な人間が50まで生き存えたことに驚きを禁じ得ないが、流石にあと半世紀(百歳まで)生存できるとは思えないので、余生は今まで以上にディレッタント数寄放題を極めたいと思う。そんな気分で50歳の誕プレは自分で購入・74式戦車キーホルダー/発心集/小型デジタル写真機/ランボルギーニ・カウンタック柄ミニカー専用トランク/可愛い♪とりちゃん…と盛りだくさん!だがしかし、どれも半世紀を象徴するような記念品ではなく、誕生日を口実にした単なる浪費とも言える(またもや鴨ライフから後退!)。

50歳で出家しシンプル鴨ライフを終生全うした鴨長明。常に移動可能な状態で、限られた物品しか所持しないストイックな鴨さんに戦車キーホルーダーをプレゼントしたら不快な顔をされるだろうか?これからは鴨さんに気に入られるような消費行動を心がけたい。

(50歳にふさわしい誕プレ)
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74式戦車キーホルダーの拓本
このレトロ戦車は武器学校(土浦)とりっくんランド(朝霞)で見たことがある。

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まるで何年も前からそこにあったような…
かざまランドのインテリアに馴染むカウンタック.トランク

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ミニカー専用のトランクだけどカウンタックのミニカーは2台しか持ってないので、読まずに放置されてた難しい本を入れてみたヨ。
「夢中問答集」は夢の中の面白い会話を集めた本ではなく、「菜根譚」は美味しい根野菜レシピを集めた本ではない。

鴨ライバル

武蔵美学園在学中より30年来の旧友から「下鴨神社に行きた〜い」と連絡が来たのは、不思議なことにちょうど私が「鴨推しとして聖地に行かねばなるまい…」と考えている時だった。なんというシンクロニシティ!30年に及ぶ付合いは伊達ではない。友人曰く、高校の時から「鴨長明となら話が合いそう」と思っていたそうだ。サバイバル術と楽器演奏に長けて一人上手な鴨氏とお友達になりたい気持ちはよくわかる。また続けて友人はこう言った「鴨は風間さんが来るのを喜んでいる」と…。第六感冴え渡る彼女がそう感じたのなら間違いない。高次の幻に招かれて桜のころ、鴨バイブルを携えた私達は聖地(=下鴨神社) 方丈ハウスへと向かう。

(30年前の影を慕いて…)
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空蝉師匠(塙先生)と美しき鴨ライバル(aya)と私

モジャモジャ動物園

あと数日で50歳になる自分自身に誕プレを与えてやりたい…。すっかり鴨ライフへの志を忘れて(物欲に駆られ) ホワホワの可愛い鴨やカルガモのぬいぐるみ画像を繰返し見続けていたら、その影響がとうとう夢に現れた。それはこんな内容だった。
頭の毛が特徴的な生き物を集めた〈モジャモジャ動物園〉という企画を動物園でやっていたので見に行くと、飼育員さんがハゲタカ、ダチョウ、七面鳥などの頭にシャンプーの泡を乗せて洗髪してる最中だった。どちらかというと頭頂の羽毛が薄い感じの鳥たちで全然モジャモジャではないし、獣がいる様子もなく鳥類ばかりだったので〈モジャモジャ動物園〉とは偽りのタイトルだなぁと思った。(泡の帽子をちょこんと頭に乗っけている鳥たちの無表情が可愛かった)

大阪名所 天王寺動物園 (絵葉書より)
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「あなたはだあれ?」

Uボート盆景

昨日3日は節分だったので豆をまき今年一年の無病息災を祈ってみたけど、大好きな煎り大豆が惜しくて外に3粒、内に3粒の合計6粒しか撒かず、撒いた豆を拾い食いしようかと思ったが理性が働きやめた。ケチな人物か、マメに働く人物かどうかは福の神が判断し、多分それ相応(大豆6粒分)のご利益リターンしか期待できないだろう。
こんなに節約(ケチ)を心がけている割に無駄な出費の多い私は、一枚で十分なお盆を四枚も買って、特に日用に使うわけでもなく絵葉書同様にただ眺めているだけで、用の美の「用」を用いず鑑賞のみして無駄をしている。(円形お盆に石と潜水艦を並べて遊んでみた)

(盆景用)
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島や山に見えるように底切りされた水石と、海中から浮上して見えるように作られた錫製Uボート。
(美術で稼いだお金をこのような無用の品に遣っても良い自由)

お盆のごく浅い沼

「感じの良いお盆が欲しい」その願いは昨日あっさり成就した。
お盆の条件「1.すごく古い2.木地(一枚板) 3.刳り貫き」に該当し且つ手頃な価格の品を長らくヤフオクで探し続けていたが、先日好条件のものが見つかり、誰とも競り合うことなくあっさりと落札。それも1枚でよかったのにセットで4枚なので急にお盆が増えた。(当初は長方形希望だったのに円形変形ばかり四枚も!)

だがこの幸運を「やった〜今年も買い物運が絶好調だ!」と喜んでばかりもいられない。なぜなら物欲が達成されるごとに憧れの〈鴨ライフ〉から一歩、また一歩と後退してしまうからだ。骨董への愛着と〈鴨ライフ〉の両立は難しく、私の病的な小物への執着心を玄界灘にでも投棄して身軽に変身しない限り、理想の生活は実現できないことを私は知っている。(鴨ライフとはなにか?それは後日)

(お手入れ前のお盆たち)
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直径30cmほどの木製お盆。四枚まとめて1000円
(右下)楕円形のものが気に入ったのでセット購入。裏に「鏡ヶ浦」と彫ってあるのは房総半島(館山)と何か関係があるのかな?(左上)蓮の葉を彫刻した趣のあるお盆には何をのせようか?

(そこらへんにあった物でお手入れしたお盆たち)
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ルイボスティー/コーヒー/プロッキーを使って塗りの剥げや退色を補い、ワセリンと椿油で軽く艶を出してみた。蔵出しほやほや感がだいぶ解消されたと思う。