お魚ゲルト

川に釣り糸を垂れて魚を釣ったことはないが、網で川魚を捕獲したことはある。それは今から16年程前のこと、愛玩ホトケドジョウの水槽に他種淡水魚の投入を企てた私は、タモ網とポリバケツを携えて多摩川へと向かった。流れのない水溜りのような小川に小魚の群れを発見したので、小さなハゼ類5匹と何だかよくわからない稚魚十数匹を網で掬って捕獲。「これでドジョウ君たちに新しいお友達ができるぞ」と喜んで帰宅しさっそく水槽に新入り小魚を泳がせたのであった。

それから3日後…。なんと!不明稚魚群は獰猛なハゼに食われて(跡形もなく)全滅!捕食者の身元を図鑑で調べたら〈ウキゴリ〉という名前の肉食ハゼだった。どうりで与えた乾燥エサには見向きもせず稚魚を屠ったというわけだ。私は愛するドジョウたちに危害が及ぶまえに、恐ろしいウキゴリを川に返すことにした。小魚5匹を入れた青いポリバケツをぶら下げ、多摩川河川敷を遡ること約5km、ゆるい流れに奴らを放流しウキゴリ返却のミッションを完遂した。
〈さて今日の謎ゲルトは〉そんなマヌケな昔話を思い出させるお魚ゲルトです。

(小魚ゲルト)
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ウキゴリは小生意気なかんじの可愛い川魚(この絵にちょっと似てる)

(人面魚ゲルト)
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船か魚か人間か?不気味な生物を捕獲した老婆は、得意満面で網を担ぎ家に帰るところだ。
ウキゴリを捕獲しポリバケツで運搬中の私も、こんな顔で田園都市線に乗っていたはずだ。