人形峠大殺戮

近日中には参院本会議で特定秘密保護法案が可決されそうですね!「懲罰の対象は官僚や役人だし一般市民には関係ないじゃん。」などと思ってたら大間違いです。どれだけ霞ヶ関の官僚が出鱈目で無責任な仕事をして、それをごまかして来ているか…。最近このマンガを読んで、人形峠のウラン鉱毒事件の事を思い出しました。そして、いかにしてこの悲惨な結果を霞ヶ関が「処分」したのかをおさらいしてみると、霞ヶ関にフタをする秘密保護法の恐ろしさを考えざるをえません。
…1981年リイド社発行、さいとう・たかを作「人形峠大殺戮」。まずは強烈なタイトルと表紙に目を奪われますが、マンガの内容もセンセーショナルです。…広島、長崎級の原爆が10万発は作れるほどのウランが埋蔵されている(ウソです)という人形峠鉱山。そこに目をつけたテロリスト達が「素人でも作れる核兵器」の製造方法を発見した博士を拉致して、人形峠に保管されているウランの強奪を策略する…。というのがあらあすじです。そこに津山事件まがいの大量殺戮事件の伝説、集落の水子の風習、奇形児やらで派手に脚色されてます。
むちゃくちゃです!!いくら80年代でもこれはない。せっかく人形峠を題材にしたのにこの内容はヒドい。…人形峠の問題は第一にずさんな労働管理で起きた作業員の被爆と大量の野ざらし残土による土壌汚染です。そして次に低レベル放射性物質である大量のウラン残土の処分に困った原子力研究開発機構がおこなった残土の処理方法です。…1955年に鉱床が発見され87年までに8・6万トンの鉱石が発掘されたが、鉱床は期待にそぐわず貧弱で質も悪かったため掘っても掘っても採算にあわず、45万立方メートルものウラン残土だけが残りました。動燃(現原子力開発機構)は住民からの訴えを潰したりはぐらかしたりし続け、本格的に処理にあたったのは2000年に入ってからです。その方法とは残土で作った「ウラン入りレンガ」の販売とアメリカのユタ州の先住民族の居留地に「輸出」(実際は日本が6億6千万円払って引き受けてもらった)という形での投棄。いわずとしれた霞ヶ関の外郭団体、原子力開発機構。潤沢な予算でこんな酷いお仕事を!
このような事実だってジャーナリストや研究者が取材したからこそ分かった事です。「テロ事件の恐れがあるから原子力関係は話せません。」「保護法に抵触するから話せません。」と役人が取材を断る「後ろ盾」になるのが秘密保護法というものです。官僚行政の仕事をチェックする事も難しくなるはず…新暗黒時代の幕開けは近い!
(人形峠土産ウラン焼き。ウラン入り釉薬の茶碗!ヤフオクで出品されてた〜)
人形峠
黒いケモケモの赤ちゃん。可愛い〜!
(いや、これはヤバいだろ….。)