本間さん

RAF開会前日のプレス見学会の日、門脇地区地主の本間さんが私の作品に関連する資料を携えて石の蔵に4度いらっしゃいました。石巻周辺海域を記した大きな海図をベンチに広げながら、千石船の風待ち港や、荷を振り分けるための島の港、航海中に死んだ船乗りを弔うお寺のある港町など、港にまつわる話を沢山してくださり、見学グループが途切れた待機時間を有意義に過ごすことができました。

特に面白かった話は、石川啄木が修学旅行の集合時間に遅刻して、一人だけ北上運河の渡船で松島に向かったというお話で、生前はルーズなところもあった天才歌人の逸話に「私もやりそう…」と親近感が湧くが笑うに笑えず。どうして大事な待合せの時ほど、寝坊をしたり電車を乗り間違えたりするのだろう?と…(ぢっと手を見る)

〈対景図〉
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3月に本間家土蔵で見せてもらった昔の松島湾海図の上部には、海から見た陸地「対景図」がある。

〈延びる海岸〉
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上の対景図を引用しボールペンでレシートに描いた作品。石の蔵で展示中〈延びる海岸〉左から2番目の山の絵がそれだ。

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本間さんがくれた「陸前國塩竃松嶋眞景全圖」の拡大コピー。蟻のように小さい島々の名前が非常に細かい字で書いてある。銅版画挿絵には明治20年開通の塩釜停車場に到着した汽車の姿が見える。