車窓から

アナキストの生家へ向かう車中「篠ノ井線から見える景色は日本三大車窓だそうですよ」と学芸員Oさんが教えてくれたので期待して外を眺めていると、列車がスイッチバックで峠を越えてから長野盆地が窓の下方にチラチラ見えはじめた。写真を撮りたくて席を立ったり座ったりしてたら地元の人らしい女の子が「姨捨駅に着くと良く見えますよ」と教えてくれ、その通り一時停車した姨捨駅ホームからは、善光寺平の爽やかなパノラマが眼下に広がり青と緑が眩しかった。

その帰りは〈あずさ〉に初めて乗車した。にわか雨に濡れた刈り入れ途中の黄色い田圃や、白い花が満開のそば畑を見て、それからたくさんの知らない川を越え甲府から八王子へ、田舎から田舎へと走って新宿に着いた。私はタイミングが合わずうまく撮れない写真と、撮り損なって後方にどんどん流れゆく車窓風景を見ながら「いつかこんな油絵を描いてみたいものだ」と思った。

IMG_4470
姨捨駅ホームから

IMG_4638
あずさ車窓から

IMG_4640
なんでもない風景を描いてみたい(いつか)

IMG_4820
リヒターも車窓風景を描いたのかな?(竹橋の近美にて)