(再び)カルメン故郷に帰る

赤瀬川源平さん写真展用文章を書き終え、今日からは芸術新潮から依頼の文章に取り掛かる。こちらは推奨映画3本について語る企画で、映画に詳しくない私が選んだ映画は(1) 木下恵介『カルメン故郷に帰る』(2) 山田洋次『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(3)フェリーニ『道』で、いずれも30年ほど前に何回か観たものだ。
〈観ると複雑心境に取り憑かれ、事あるごとに思い起こされる〉というのが推奨の理由で、特に『カルメン故郷に帰る』はモヤモヤ感が継続すること間違いなし!観光絵葉書のような浅間山を背景に、茶色っぽい村民とケバケバしいヒロインの対比が厳しく、何より登場する人物が無知か世間知らずで、互いを理解する努力もせず無神経な言葉(ほぼ放送禁止用語)を放ち続けるのがつらい。
ストリッパーで自称芸術家のリリィ.カルメン(おきん)と村民から芸術家と認められてる盲人の音楽教師。どっちも芸術家とは言い難いが、そもそも芸術家って何だろう?(モヤモヤ)
暗すぎる歌「わが故郷(そばの花咲く)」と能天気な歌「花のパリはシャンゼリゼ」が劇中何度も歌われ、この強烈な2曲が映画鑑賞後も脳内でリバース再生されること間違いなし!このような呪縛を恐れない者のみ観るがよい!

(日本初)総天然色の悪夢(再び)
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内容確認のためレンタ落ちDVDを観よう。
そしてモヤモヤを再燃させよう。