腹中より発光する霊性

『年忘れにっぽんの歌』出演者発表の報道記事に、私が見たかった福田こうへいと三山ひろし/山内惠介/大江裕らフレッシュな演歌歌手の名前が確認された。どうやら私が観覧した前日の収録だったらしく凄くガッカリしたが、福田さん達がいなくても素晴らしいショーだったので満足はしている。

15日収録は今年で引退する橋幸夫や休業宣言をした氷川きよし、小田井メンバー脱退の純烈などが登場し、歌手人生に区切りをつける姿に感慨深いものがあった。またその対極に存在したのが、細川たかし/畠山みどり/里見浩太朗のような現役バリバリの高齢歌手だ。

里見浩太朗(86才)は時代劇『八百八町夢日記』の夢さん時代から変わらぬ若々しい姿と声。畠山みどり(83才)は私の大好きな曲『出世街道』を歌ってくれて感激したのだが、足が少し悪くて、舞台袖からスタンドマイクまで歩いて登場する演出で歌い出しに間に合わず、一回目がNGになってしまった!司会者の徳光さんから「すみません、もう一回歌って下さい」と指示され、二回目のイントロが始まると客席から応援の拍手が沸き起こった。そしてtake1と全く変わらない完璧な歌唱に再び拍手喝采!それを受けた老歌手は「なに?この拍手。同情かしら?」と言い放ち、超ベテランのド根性を見せつけた。〈敵は百万、こちらは一人〉という出世街道の歌詞そのものだなぁ!

細川たかし(72才)は大ヒット曲『北酒場』を衰え知らずの伸びやかな歌声で朗らかに歌い上げた。その堂々とした姿…陽気なキャラクターに隠されたマフィアの首領のような威厳が遠い2階席からもよく見え、人好きそうな笑顔と、人を寄せ付けない怖さの両面を併せ持つ様子に妖怪のような不気味さすら感じた。自ら陽気な人物像を形成し、腹中の闇からとんでもない霊性(異次元の歌声)を発するこのピカピカ狸は、サンプラザ入場前に謎公園で見たあの狸燈と同類の者にちがいない。

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見たかったな〜こうへいさん…

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梅沢富美男と前川清。お話は面白く歌はカッコいい!
『夢芝居』すごい艶っぽいお声でうっとり♡
前川清「今年は特に何もなく、ただ一日が過ぎるのが早い。変化と言えば飼育魚を鯉からメダカにかえたぐらいかな?」と爆笑トーク後に『そして、神戸』熱唱