今から約20年前、島根県松江市の古社・神魂神社を参拝しここで奇妙な体験をした。巨木が林立する暗い石段を登り少し拓けた境内に着くと、古代にタイムスリップしたような厳かだけど胸騒ぎのする神殿が聳えている。太くはない柱の上にある本殿はどうして400年以上も変わらず残っているのか?とても不思議だ。おそらく結界に守られた神の領域の存在に間違いない。
畏怖の念で本殿を見上げると、開かれた扉に描かれた日月に強烈な日光が当たり反射して見えた。そこまでは事実なのだが、私は何故かこの記憶を「輝く神鏡を見た」と無意識に捏造し、思い出の光景は壁画ではなく本殿に祀られた古鏡の姿となっていた。そして昨年末、あんな素敵な呪物が家にあったらいいなという物欲は成就した!