特火点の窓

紙粘土トーチカのエッジをカッターナイフで削り出していると、むかし行ったあのトーチカこのトーチカ、写真でしか見たことのないトーチカを思い出します。
かつてはそこで息を潜め、ジッーと海を凝視していたのであろう誰かの念が、コンクリートの壁に今でもベットリこびりついてるような薄気味悪い感じ。しかしその仄暗い閉所に切り取られた銃眼より臨む長方形の海の眩いキラキラ感!不気味さと爽快感が一気に押し寄せてくる内部と、大量のコンクリートを使用した単純なのに異様な外観。デッカい捨物から滲み出る寂寞とした風情はなんとも捨て難い。排除困難なコンクリート魂でがんばって風化に耐えて欲しいものです。
トーチカは岬の端っこや小高い丘の変な所にあるので見に行くのは容易でないです。なのでまずは粘土模型からはじめて、みかん箱サイズ、犬小屋サイズといったかんじに完成度を高めていけば、いつかはマイ・トーチカが出来るかも?自分の庭があればチャレンジしたいけど残念なことにここは借家です。

2015-05-03 23.16.03
酔いにまかせて制作した四角いトーチカ1号
しらふで制作した円筒形のトーチカ2号
(触ると白い粉が落ちるので灰色に着色するか目下思案中)