モガからの手紙

大正時代のモダンガールから手紙が届いたよ!(ヤフオク経由)

2015-11-02 19.56.19
絵葉書のイラストは蕗谷虹児氏作『絶望』
サインには1923年とあり関東大震災の凄惨を描いた作品と思われます。絶望に耐性のない児童の仕業か?ガシャガシャと鉛筆で心乱れる落書きがされてます。

2015-11-02 19.57.52
「レター有りがとう。貴女のシスターの御らんになったバーセルメスの映画ってバンパイヤーの出るのなら「経験」じゃあなくて?何しろお話ししてね。私ね都合がよかったら三日に伺うわ。文子さんと一しょではいけない?一人だと何だかはづかしいんですもの。私も伺うから貴女もキット家にいらっしゃいネお約束してヨ。 イタンペスター」
(….なぜお友達の家を訪問するのに一人でははづかしいのか?イタンペスターとは何?)

消印は大正13年9月2日。関東大震災から丁度一周年に当たる1日に筆をとったのでしょう。しかし震災に一切触れることなく乙女ちっくな日常が綴られてます。宛先は渋谷で差出しは青山です。死んだ祖父母が「代々木野っ原」「渋谷くんだり」と言ってたのを思い出しますが、渋谷は今よりずっと田園で被害が少なかったのかもしれませんね。東京人のノンシャランな気質からか…。案外こんなふうにケロっとしてるのもいいかな?

2015-10-29 00.27.36
大正時代といえば、今日は東京ステーションギャラリーで「月映展」を観ました。
目次<つくはえ—伴病めり>。。か細くも確かな強撚糸の如き木版の文字に、感涙禁ずること能わざりしよ!!(20才頃から熱心に鑑賞し、ほぼ作品を暗記してるので図録は買わない)
詩画集を見ると詩を書いてみたくなりますが、でもここでは書かない。尾形亀之助も油絵ヤメて詩人になったしな。でも今は美術家をヤメない。