中年は氷島をめざす

昨日の野老氏との対談というより寧ろ放談だったト—クイベントは、一時間30分愉快にしゃべって無事に終了。お集りいただいた聴衆の皆様ありがとうございました!府中市美公開制作の行事もこれが最後で、26日会期終了まで作品展示されるのみとなりました。入室可能日は25、26日だけですが、ご高覧の程よろしくお願い致しま〜す(私は不在です)
そして昨日19日はmy誕生日でもありました。とうとう四捨五入して50歳の年令に…紛う事なき中年です!トホホ〜。しかしそう悲観してばかりもいられないので、若かりし頃に読んで「この詩集は年をとらないと共感できないなぁ」と思ってた萩原朔太郎「氷島」を購入。もちろんカッコいい復刻版を!題名「氷島」は私のスロ—ガンでもある「南風のもとに生きるよりも氷上に生きるに然ず」というニ—チェの言葉に由来すると憶測します。現に初期の恋愛詩に対する小解で「我の如き極地の人、氷島の上に独り住み居て、そもそも何の愛恋ぞや。過去は恥多く悔多し。これもまた北極の長夜に見たる、侘しき極光(お—ろら)の幻灯なるべし。」と自虐の弁を吐露しているので間違いない。…過去は恥多く悔多し(笑!)左様、若気の至りに赤面することも多いが、きっとこの先には更にデッカい恥が私を待っているであろう。ドンマイ朔太郎!私は恥の大河も溺死必至で渡る覚悟だよ。そして悔恨の涙にうるむ極光オ—ロラを見るのだ!

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「ザ.アイスランド」これは大学ノ—トを模したデザインが美しい詩集「氷島」
「自己愛にあふれた悲壮」という二十代当時の感想は、萩原朔太郎がこれを書いた年令と同い年になっても変わらなかった…それはそれで良い。

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「箱も良い」出版社名のロ—マ字がびっちり並んだ包装紙風デザインも芸が細かい。