円い窓

「円」の図像から生まれるイメージは、世界の完成あるいは宇宙、永劫回帰の普遍性である。もしくは禅的に、円相から悟りの抽象を見出すかもしれないし、円窓は私達に内在するミクロコスモスの入口にも、己をうつす鏡にもなりえよう。
私の頭部に出現しては消失する円形脱毛は、ディスリンピア帝国競技場の完成とともに快癒し、私の意識の外に消えたはずであったが、先日整髪中にニュー(ハゲ)競技場を発見する。ポジションで例えるならセンターバック(分け目に近いので露出しないように要注意だ)。そして最大級の面積を誇るハゲピッチは、私の心身状態をうつす鏡のように円く無毛だ。

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(勝利という大義のために)大袈裟に転んだり気怠く球を回したりの醜態を晒すことを厭わない。勝負の世界を苦汁で描いたようなF・クレメンテ画『優しい嘘』