「獄門核分裂235」について

 

この作品もネタを寄せ集めたモンタージュ作品なので、ちょっと解説します。
まず中央の建物は霞ヶ関の経済産業省のビルで、その土台になっているのは戦前、戦中まで国民の統制を担って来た内務省(悪の枢軸!)の建物です。その左に国会議事堂、右に警視庁となってます。ちなみに経産省のビルの胸にあるのは「大政翼賛会」のマークです。
獄門化した経産省の背後にはアメリカがビキニ環礁で行った核実験で炸裂した「ブラボー」のキノコ雲。1954年3月1日に実験は行われ、ご存知のとおり第五福竜丸が被爆したわけですが、なんとその次の日に日本初の「原子力開発研究予備費」という予算が上程されたのです。しかも2億3千5百万、ウラン235に因んだゴロ合わせ!この感覚信じられません。世論が反核に向かう前に急いで成立させたのかもしれませんね….。
この予算を岸内閣で成立に尽力したのが中曽根康弘で、戦後すぐに原子力導入の道筋を作って来たのが正力松太郎と後藤文夫です。岸を含め4人は戦中は内務省の官僚で、正力、後藤は大政翼賛会の中心人物で後藤は内務省大臣でした。戦後、A級戦犯として巣鴨に拘置され、釈放後すぐに原子力導入に着手。結局の所は「原子力の平和利用」という建前のうしろにはアメリカとの取引があり、「国民は統制すべきもの」という変わらぬ理念があって今にいたるという事です。…..そんな背景を一つの作品にしてみました。

gokumon
中央にアイゼンハワー、左から時計回りに後藤文夫、小阪順造、中曽根康弘、岸信介、橋本清之助
正力松太郎。ドラゴンボールのような里見八犬伝のような…..。原子核と電子な仲間たち!