釣鐘墨

通常ならばプレス機で刷る規模の板木を、27年間使用しすっかり目の潰れてしまった自作バレンで無理やり刷っているので、肘がビリビリする故障を起こすようになり「これでは選手生命が持たない」と危機感を覚え、私は板木を刷らない方法を考案した。それが新作『セメントセメタリー』に導入した新機軸〈乾拓法〉である。乾拓とは、凹凸のある被拓物に紙を当て、鉛筆やクーピーでこすり出すフロッタージュ技法と同じ要領で、基本的には薄めの和紙と釣鐘墨という名前のカワイイ梵鐘型の固形墨を使用するらしい。
そして先ほどチャレンジした第一回乾拓作品がこちら。かなり微妙な山岳風景画である。

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ぼや〜っとしちゃった!ぼや〜っとした武甲山の姿。

(とてもカワイイ釣鐘墨)
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蝋で固めた墨は硬く油分がある。

(釣鐘墨と紙があれば)
どこでも採拓できる便利品!
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〈偽造通貨〉お金を増やしたい人は、参考作品のように5百円玉を採拓し、丸く切り抜いたものをお財布に入れてみてはいかが?