私が卒業した都立高校は全日と夜間の二部で、試験ナシで入学できる定時制高校は、義務教育をサボタージュした私みたいな落ちこぼれにぴったりの受皿学校だった。
昼の子たちとは登下校時刻すらニアミスしない暗黙の掟があったり、遠慮がちなハイスクールライフだったが、その中でも印象深い思い出のひとつが「夜のプール」だ。
夏休み明けの晩夏、誰かが「プールに入りたい!」と余計なことを言い出し、翌週の体育は水泳に決まった。全日の生徒が繰り返し使った汚い水にはアオコが発生し、ボウフラも湧いてそうだ…。しかし我々夜学生たちは喜び勇んでプールに入った!そして投光器に集まった羽虫の群れが容赦なく口の中に入った!「わーい」の歓声はギャーと悲鳴に変わり、一瞬で意気消沈しプールの授業はすぐに終了した。
新しい校舎に思い出はないが、蛍光灯の明かりを見てると「挫けず頑張って」という気持ちになる。
旧校舎は重たい鉄の窓枠で夏は開けっぱなし。コウモリが飛び込んで来てヤンキー生徒に殺された…野蛮すぎる!