永遠の弁慶縞

『永遠の弁慶縞』…とは魔の山登場のセテムブリーニ氏が、四季を通して更には主人公の滞在期間(7年)のあいだ一度たりとも衣装替えしなかったズボンのことで、その徹底した清貧スタイル(永遠の禁欲)に敬意を表したハンス.カストロプの言葉である。
〈弁慶縞〉は、江戸で流行った所謂ギンガムチェックで、セテムブリーニ氏のような20世紀初頭のイタリア人と〈弁慶縞〉の組み合わせを奇異に感じた私は、ドイツ語版魔の山を取り寄せて調べてみた。氏の服装を描写した記述〈hellgelblich karierten Hosen〉で検索すると「明るいベージュ色のチェック柄ズボン」というのが正しいようだ。 kariertenは格子模様(チェック柄)全般を意味し、弁慶縞に限定したものではないということが解った。やっぱり何だか変だと思った。(ヨーアヒムもヨーと伸ばさずヨアヒムが一般的だと思う)

永遠のロマン(小説)
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コラージュ・ロマン(小説)は1日で読める。
デア.ツァウバーベルク・ロマン(小説)は231日かかる。

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Satana(悪魔)の場面で氏の風変わりな清貧ファッションが紹介されている。(ドイツ語で全く読めないけど)