秋の言伝

(きのう)肩透かしな台風12号が残していった冷たい風の吹く庭で作品を乗せた車を待っていると、季節外れのアゲハがふわふわと飛んできた。夏が終わったのに未だ桃色に咲いているムクゲの花の蜜を吸おうと、蝶は風に流されながらやっとの思いで花びらに取縋る、と途端に風に煽られて蝶は花から離される。これを何度もくりかえし終いには強風に拐われ遠くに飛んでいってしまった。
(グッバイ)と見届けて地面に目を遣ると、去年はY字郎の居た湿っぽい土から彼岸花の茎がニョキニョキと不気味に生えているではないか!例年とは異なる場所での彼岸花群生はY字郎くんのメッセージfrom涅槃だろうか?(枯らした私を恨まないでね)。 作品返却の運搬車は5分早く着いた。

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かつてY字郎のいた場所に萌え出ずる彼岸花の茎茎茎…