千里眼の魂を飛ばす

発売中の文芸誌『kotoba秋号』に、昨年(初日に台風19号襲来!!)の秋に開催された黒部市美術館〈コンクリート組曲〉の取材記事が掲載されています。この『見えないアート案内』という川内有緒さん執筆の連載は、目の見えない1名と目の見える3名のグループが美術館巡りをする紀行のレポートで、見に来てくれると聞いた時は「どうやって見るのかな?」と少し不思議でしたが、記事を読んで納得!見える人が見えない人に作品の視覚情報を「言葉」で伝えて、イメージを仲間同士で共有し、作品について語り合う鑑賞方法だったのでした。なるほど、そのように図像を説明して見てくれるのなら、私の情報過多な(ネタ尽くし)作品は有利だなぁと、ミニマルや抽象のような静謐さのないゴチャゴチャ絵画にも取り柄が一つ発見されました。

見えないものを情報で肉付けしていくという点では、忘却の暗黒書庫から古本を引っ張り出し、情報を集めてネタにしている私の手法と似ているとも言える。そしてその情報収集は、この正方形の小部屋にてリモート(ヤフオク、アマゾン等)で行っているのだ。『未來のイヴ』人造人間ハダリーのように地底の人工楽園に住まい、暗黒の甲冑体から千里眼の魂を飛ばして「居ながらリサーチ」するのも新コロナ時代にはよかろう!と思う。

〈見えないアート案内〉
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とても興味深い内容です。詳細は伝えきれないので書店で見かけたら是非!

〈kotoba秋号:ベートーヴェン特集〉
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ベートーヴェンの秘密情報が満載で〜す
第九の流行はワーグナーの功績と書かれてる。大晦日は二人の天才に感謝!!