法螺吹けども踊らず

濃い霧に包まれた高尾山山頂「プオオォ〜プオオォ〜プオオォ〜」と一斉に吹かれた法螺貝の音とともに背広姿の男たちがロープを引く。もたもたと引っ張られ無様にずり落ちた幕からモニュメントが現れパラパラとまばらな拍手が送られる…。巨大でも小さくもない中途半端な五輪マーク立像が、オリンピック開幕100日前を記念して高尾山に建立されたというこのニュースを、一昨日三度もテレビで見て「この風景は吉村さんの絵だ!」と私は着座したまま振り返り、背後に飾られた絵画と見比べた。(これは似てる!!)
この絵はC.D.フリードリヒ風の灰色に煙る山に(見る者もいないであろう)虚空に向けて五輪マークが屹立としているという水彩画だ。寂寞感が一周回って滑稽に見えるこの絵画に酷似するニュース映像は信じたくないけど現実で、この間抜けなセレモニーにも私の納めた血税がお役に立っていることだろう。幻の為にお金を使ったり法螺を吹くのはもう止めていただきたい。(法螺貝を吹いた山伏は無償ボランティアか?)

ニュース映像より
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吉村宗浩さんの作品『大地は永遠なり』
daitiha

【ROADSIDERS’ weekly】より
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あの都築響一さん発行のウェブ雑誌【ROADSIDERS’ weekly】にて、特集記事『風間サチコさんと登る魔の山』を掲載して頂きました!!開催中のTCAA展からかざまランドの秘密まで、美しい写真と詳細な取材報告が楽しめる充実の内容です。興味のある方は是非とも購読してください!(下の写真に吉村さんの絵が…)