ゾンビの代謝

2004年に美浜原発第3号機タービン建屋で発生した蒸気噴出事故は、冷却設備配管のつなぎ目付近で気流の渦がクルクル回り続けたストレスにより、金属管の厚みが10mmからMAX1.4mmまで磨耗し破損。そこから一気に噴出した高熱蒸気を浴びた下請け作業員が5名も死亡したという痛ましい大事故だった。どうしてこんなに薄っぺらになるまで配管を放置してたか?それはその問題箇所が運転開始から28年間も「点検リスト」から抜け落ちてたせいで、劣化配管の交換をしていなかったというお粗末な理由からなのだ。
原発寿命40年説は「定期的に部品を交換し、新陳代謝させて若返らせてるから大丈夫」という主張に基づいてるのだが…。「点検リストに載せ忘れた」という凡ミスの軽さと、失われた命の重たさのギャップに驚愕する。配管の模型を美浜原発PRセンターで見学しやるせない気持ちになったが、あれから二年、この原発が寿命40年説を覆し延命されるという報道を聞いて再び驚愕!そして国から1基につき25億円の蘇り応援予算がつくというので3度驚愕&戦慄!(カーボンニュートラル実現を口実にしたゾンビ計画の恐ろしさよ…)

 

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オリフィス(結合部品)付近で偏流が発生し続け薄くなった金属管

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その誓いは本物?

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島のような美浜原発だが対岸から見ると意外に近い

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(飲んでも大丈夫な)トリチウムくんの兄貴分、プルトくんのボールペンや美浜原発PRセンター特製あぶらとり紙など、魅惑の原発グッズ展示中の東京都現代美術館は休止中〜