胸につかえた小石(もしくは宝石)

23日に発売された【芸術新潮1月号 特集 愛でたい映画】に〈鑑賞後30年経っても胸につかえた小石(もしくは宝石)のような3本〉というタイトルで、推奨映画について書いた文章が掲載されました。

文章冒頭には、10月に宿泊した三宮駅前ビジホに置いてあった布教用仏典「THE TEACHING OF BUDDHA」内に見つけた変な法話を引用し、法話に関連したお薦め映画『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』、それから『カルメン故郷に帰る』について語り、結びの一文でやっとフェリーニ『道』が登場。という内容になってます。
寅さんの主題歌にある〈ドブに落ちても根のある奴は いつかはハチスの花と咲く〉の歌詞への共感から、今回のテキストのテーマがすぐに決まり、長年モヤモヤしたままだった『カルメン故郷に帰る』について今一度考察することができました。執筆にあたり改めて『カルメン』を観直したら、セリフも展開も逐一覚えててビックリ!私はこの映画を何回みたのだろう?(それについては記憶がない)。『道』はダイジェスト版をみただけで悲しい場面を全て思い出した。涙が止まらないので全編鑑賞するのは止めました。

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布教用仏典及び聖書。このような書物が置いてあるホテルも今時珍しい。
(聖書は開かず)学生用参考書のようなTHE TEACHING OF BUDDHAを開くと〈酒席で友人が泥酔し寝てしまったので、そいつの着物の襟の中に宝石を縫いこんでそのまま黙って別れた男がいた。数年後、すっかり落ちぶれた友人と再会した男は「着物の襟を解いてみろ。その宝石はお前と着物がボロボロになっても輝きを失わなかったのだ!」と説いた。〉という変な法話が偶然目に止まった。困った時に役立つように、宝石のことを教えてあげてたらよかったのに…ポケットにメモを忍ばせておくとか。

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(P24)詳しく知りたい人は買って読もう

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