皆殺しのばあんか

ず〜っと前に描いて寝かせておいた落書きをヒントに、新キャラクターを描いてみました。名前は「スクールウォーズマン」見てのとおり番長です。どうして番長かというと、15年ほど前に山松ゆうきちの「2年D組シリーズ」というマンガにはまって、自分も無性に番長が描きたくなったから、ただそれだけです。めったにマンガを読まないので蔵書も少ないのですが、何故かこういう「極北」な作品が手元にあります。
山松ゆうきちのマンガは「救いがない」という点で極北です!代表作「2年D組」は花澤高校の番長上杉治を中心に描き出された、富と貧困、性と暴力が炸裂の青春学園コメディーです。朴訥としたタッチの絵柄と乾いた笑いがクセになります。この作品が描かれた70年代は「青春残酷モノ」がブームになって、色々な漫画家が青春の残酷を作品にしましたが、エゲつなさと笑いが同居している山松作品は群を抜いていると思います。(2年D組、花澤高校が舞台なので「熱笑!花沢高校」の作者どおくまんと山松は同一人物だと勘違いしてました。リスペクトでしょうか?)
「2年D組シリーズ がんばれ番長」は表題作のほかに、短編が3本挿入されてます。いずれも超弩級に救いのない内容なのですが、久しぶりに読んでみて、この『皆殺しのばあんか』に強烈な読後感をもよおしました。ラストのページの一コマに戦慄!山松ゆうきち…やはり極北の漫画家です。

swm
「スクールウォーズマン」詰め襟がフェイスガードに進化してます。

番長
「2年D組シリーズ がんばれ番長」朝日ソノラマ/Sun comics(1977年頃?)

皆殺
短編「皆殺しのばあんか」…殺る気マンマン

皆殺2
極貧の母子家庭(親父は服役中)で育った中学3年生の美夫は、左目と足に障害をもちながら、新聞配達のバイトで家計を助けている。そんな美夫の唯一の楽しみは、配達中に、庭で犬と戯れる金持ちの娘を塀越しにのぞくこと。そして毎週日曜日には、パパとデパートでショッピングする娘をストーキング。その贅沢三昧の買い物の後を「かっくん、かっくん」と足を引きずりながら付いて廻るのだった。

皆殺3
娘の愛犬を誘拐して可愛がる美夫。しかし裕福な環境で飼われてた犬は、小遣いをはたいて買った肉に見向きもせず…。そして「さぞ動揺してるだろう」と悲しむ娘の表情を期待し、デパートに赴くと、娘の胸にはパパから買ってもらった新しい犬が!…あんなに可愛がっていたのに!?美しい娘の裏切りにぶちキレた美夫は、殺人罪で獄中にいるヤクザの親父が残していった長ドス(宝物)で、吊るした犬を滅多刺し!

皆殺4
そして戦慄の一コマ!

美夫「100万円の犬の肉だよ」
母 「肉代は助かるし 高い犬だけあって  うまいねぇ」

・・・殴られたりドスで脅したりの母子を繋ぐ「貧しさ」の連帯とその団欒。
世間からバカにされ「金持ち=美」という幻想からも裏切られた美夫は「皆殺し」を誓う…