今から27年前、武蔵美学園油絵科友人の実家(名古屋市)に遊びに行き「さっちゃんに見せたい場所があるの…」と案内された友人一推しの名所は、『千種総合教室』という名の人生勝利の源泉でした。洋裁教室から泉のごとく湧き出た発明と説諭(上着に関する愛憎)は、古ぼけた長屋のアウトサイドまで止めなく拡張していました。さすが一目置いていた友人が「ぜひ見て!」と推奨する物件。「わぁ!すごーい!!」という驚嘆の声を押し殺して、ヒソヒソ声で(これは素晴らしいね)と感想を述べながら、静かに勝利のヒント集を写真機に記録し現場を後にしました。
〈服は人間のパスポート〉
「特許技術を廻せば 無限のデザインが生まれる 服は人間のパスポート わが身を包む服」二階の看板に大書きされたポリシー
〈自由タイム〉
「生徒募集:特許この宝の山本物の力どこよりももっと進んだ技術学ぶことの素晴らしさ自由タイム3ヶ月知恵こそ人生勝利の源泉です」
〈時代の音〉
「基礎原型の発明/ほんとうの時代1991年がここから始まる。」
…楽聖らしき人物が「時代の音」を予言するこの看板には、旧来の上着の欠点『着崩れ』を駆逐し本物の豊かさを手に入れよう。という洋裁指導者の綱領が書かれている。
制圧すべき『着崩れ』とは何か?(真相は次回)