新秩序

外に出ないので何か口に出して喋ることも無く、食事に関しては白米も肉も口にしない禁欲的僧侶のような生活が続く。そして早くも秋になった。季節の移ろいとともに黒部市美術館の会期が迫っていることに焦っているけれどそれも人には言わず、私は沈黙したまま脳内で焦っているのだ!(さあ大変!)
しかしこうして黙ったままでいると精神や身体に悪影響がありそうなので、セリフ付きの歌を歌って声を出すことを日課としている。何曲か歌う中でも『番場の忠太郎』という浪曲演歌はもってこいで、節回しの難しさやセリフの長さが適度な脳トレになっている(と思う)。詳しい事情は不明だが、幼少期に生き別れになった母親と旅先で偶然再会したものの素っ気なくされて、悲しさと怒りが噴出し〈本人に会わずとも目を瞑って思い出せばよい〉と開き直る渡世人のお話の歌だ。私は有名なセリフ「おっかさんッ!!! えッ?違うってぇんですかい!?」のところが面白くて気に入り、何度言っても自分の声が滑稽に聞こえ、思わず噴き出してしまい楽しい気分になる。(半ばキレ気味に言うのがコツだ)

クロベゴルト〈新秩序〉
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ここに描かれているのはダム湖とダム穴とそれを塞ぐお風呂の栓です。
ヴォータンの槍には世界を制圧する契約の言葉が刻まれているが、ニーベルングの劇中でははっきり明かされない。どんな言葉か勝手に想像し〈新秩序〉ならぴったりではと思い、治水と治山の新世界に英語で新秩序=ニューオーダーと書いてみた。(英国かどこかにニューオーダーというテクノバンドが実在すると後で知った)