カテゴリー別アーカイブ: 出来事

稲妻の告知者

「私が愛するのは、人間たちの上にかかっている暗雲から、一雫ずつ落ちてくる重い雨滴のような人々である。彼等は稲妻がくることを告知し、告知者として破滅するのである。見よ、私は稲妻の告知者であり、雲から落ちる重い雨滴である。そしてこの稲妻の名こそ〈超人〉なのだ。」ツァラトゥストラはこう言った。

私は新しく購入した除湿機のタンクに水滴が溜まってゆく様を面白く眺めたり、コップの中の蝋燭が一生を終えるのを朝まで見届けたりしている。夕方には遠い雷鳴に耳を澄まし雨滴が落ちてくるのを待っている。テレビでは、オリンピックの無観客決定が報じられているが、このとんでもないドタバタ劇に関しては冷ややかに静観している。なぜなら私は、無観客開幕式もコロナ(太陽)もワクチン(卵)も、そして国家的祭典の犠牲者も「ディスリンピック2680」にて既に記し終えているからなのだ。

悪魔的、あまりにも悪魔的な!
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先日都内某所にて入手した悪魔的カセットテープでエドガー.ヴァレーズを知り早速中古CDを購入。この2枚組CD(日本版)は1998年発売で販売価格は¥5094。ごく普通に非合理的音楽が流通していたこの時代は今よりも文化的だったと言える。(伊未来派 L.ルッソロの絵は内容に合ってない)

解説がイカしてる(イカれてる)
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「アメリカ」という曲は1921年作曲なので、今となっては一世紀前になるな。★

花と籠

楽器屋の店先で『籠いっぱいのチョコレート』という題名の歌謡曲を作詞作曲する夢を見た。軽快なメロディーとロマンチックな歌詞が親しみやすい素敵な一曲だったが、目が覚めて30秒ほどで忘れた。鼻歌でも録音しておけばよかったと思う。

以前ヤフオクで『花と籠』という題名のDVDを見つけたが、これは高倉健主演の日本侠客伝シリーズ『花と龍』の誤字で、タケカンムリを加えただけでハードな任侠世界が乙女チックに変換されることに驚嘆を覚えた。私はこの映画を見たことはない。

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小倉から網走まで…

浦島太郎の宇宙旅行

(1+1の夢)文具店販売員の同僚から「さっき鉛筆を一本だけ購入したお客は、昨日も同じ鉛筆を一本購入したのだが、一本ずつ買った理由は1+1=2が本当なのか確認するためなんだそうだよ」と聞かされる夢を私は見た。
…この夢と同様「1」が日毎加算されてゆくように、太陽暦採用のカレンダーも着実に1日を累積し明日で七月朔日!早くも2021年は下半期に突入し、実感の有る無しにかかわらず今年も夏が来るのでした。昨日から無人島で開催の八木良太個展『浦島太郎の宇宙旅行』では、無為に通過する時間を目や耳で鑑賞できます。是非ともご覧あれ!

(時報のリングに集う無人島の衆)
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八木良太『浦島太郎の宇宙旅行』
6月29日〜8月1日まで
於:無人島プロダクション

(この夏こそ謎めく〈新浦島〉を…)
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夏に読むのにちょうど良さそうな『幸田露伴集/怪談』は時間が無くて読めないのではなく、集中力の欠乏で完読できないのだった。

高砂

男が海岸を歩いていると清掃道具を手にした不審な老夫婦に出会う。老人は男に「高砂・住吉の松も相生のように覚え。とはどんな意味でしょう?」と問い「古今集の世界では、相生=相老を意味しているのです」と答えを教えてあげる。そして海岸の松の木の周りを掃き掃除をしながら「実は私たちは老松の化身なのです」と告げる。…この有名な能『高砂』の場面が描かれているのが、先日購入した古いお皿なのです。

(皿宇宙)
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直径29cmの大皿は刺身の盛り合わせにちょうど良さそう。(だが私は家でお刺身は食べない)
私は骨董の目利きでないので制作年代や価値は不明。(絵と形が良ければそれで良い)
松の木の描き方がとても上手いので真似して描きたい。(勉強代1300円)

消えては結ぶまぼろし

〈東京都現代美術館は特例として本日月曜も開館!〉展覧会中断のガッカリ期間のあいだ、私は皿宇宙、紙モノ世界に逃避することで心の均衡を保っていました。皿はかさばるので一枚だけ購入、紙モノは…気晴らしを口実に買ってるうちにどんどん増加!増量紙類は主にノートゲルト/絵葉書/ステレオ写真で、立体に見えるはずのステレオ写真は11枚入手したうちの1枚しか立体に見えません。理由は「サイズを間違えた」から。

(ドイツ兵写真専門立体鏡)
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縄暖簾のような物体の向こう側を歩く二人のドイツ兵
二つの画像が一つに結ばれるとアラ不思議!広野は遥か遠くまで続くように見え、軍靴の爪先がフワッと浮いて見えるヨ。この謎めく実験装置でいろいろな場面を覗きたいが、残念ながら眼鏡に適合する写真はこれ一枚。

★入場無料の展覧会はあと2週間で終了!
TCAA受賞記念展 於: 東京都現代美術館
6月22日終了!会期中無休(月曜日も開館)
入場無料!予約はこちらからどうぞ↓
https://www.e-tix.jp/mot/tcaa.html

*ご来場の際は美術館情報をご確認ください
[東京都現代美術館HP]    [TOKAS広報サイト]

キネマの天地

野外公演の舞台が終わり観客が三々五々帰ってゆく中、高揚した気分を抑えきれず『蒲田行進曲』を歌い出したが.ものすごい下手くそで大恥をかく夢を見た。
(1)
虹の都 光の港 キネマの天地
(音程間違えた!)
花の姿 春の匂い溢るるところ
(軌道修正ならず!)
カメラの眼に映る 仮初めの恋にさえ
(声がひっくり返る!)
青春燃ゆる 命は踊る キネマの世界
(歌詞を間違えた!×世界○天地)
(2)
胸を去らぬ想い出ゆかし キネマの世界
セットの花と輝くスタア微笑むところ
瞳の奥深く焼き付けた面影の
消えては結ぶ まぼろしの国 キネマの世界
(…最初から最後までかすれ声!)

と、失敗を重ねた挙句「いや〜良い歌詞だなぁ」と胡魔化したり恥ずかしい思いをしたが、そんなにクヨクヨすることはない。だってこれは夢なのだから!

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懺悔の値打ちがあるポスター

先日探し物をしていると灰色事務机の隙間に四つに畳まれた白い紙を見つけた。何だろう?と広げて見ると『レントゲン博士まつり』のポスターだった。ポスターにはビルの15倍ほどの身長に巨大化したレントゲン博士が吉祥寺駅前に降臨した姿と祭情報が書かれている。「レントゲン博士 吉祥寺に現る。入場無料 くらしとアイソトープフェア X線発見100年記念 レントゲン博士まつり」会期は平成7年11月10日〜15日の6日間、場所は東急百貨店吉祥寺店8階催事場とあり、これは当時1995年に在学してた吉祥寺の武蔵野美術学園の下校途中に発見し入手したものと推測される。

だが、この変なポスターを手にいれた26年前の記憶が全く残っておらずとても心配。というのも、掲示された学校/駅/商業施設の人に「欲しいので会期が終わったら下さい!」と正直に学生らしい爽やかさで頂戴することがほとんどだったが、ごく稀に「もう終わって捨てる物だから貰って良いよね」と罪悪感を打ち消して(こっそり剥がして)キャッツアイしてしまうこともあったので、もしやこれも…。(恐るべきラスコーリニコフ時代)

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この興味深い祭事を見れなかったことがとても残念。

皿の夢

妄念に惑わされることなく無心に熟されてきた絵付け仕事の結果であろう、古伊万里に描かれた景物は、山=三角、帆掛船=四角、渡鳥=V字、海=横線など記号の如き進化を見せ、景物記号は古来からの様式に慣い配置され略式山水画と成す。少ない要素がかえって想像を生む余白となり、ちゃんと景勝に見えるから不思議だ。このような職人による積年の伝言ゲームの妙と、風景の夢幻境を湛えた皿宇宙を、有金を叩いてでも支配したいという願望が私にはあるが、陶器は嵩があって蒐集しても仕舞う茶箪笥が無いので、ヤフオクで見ても購入せず我慢している(絵葉書やノートゲルトみたいにペラペラならいいのに…)。そんな充足せざる夢が原因でこんな変な夢を見た。

畳敷きの部屋で女達がせわしなく食事の支度をしている。料理を盛った皿が三台の四角い座卓の上に何枚も並べられていく様を、霊体の私は空中に浮遊しながら眺めていたが、痺れを切らして女達の頭上でこう囁いた「料理が邪魔でお皿が見えない…。早く料理を食べてお皿の絵を見せなさい!」

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くさの味

「人流」とか言うへんな流行語を聞くと、ウォータースライダーのような巨大滑台に人間がじゃんじゃんと間断なく流されていく愉快な様子が想像されるが、はて、美術館はそんな大量の人間が流れ込む場所であろうか?その人流を抑えると言う理由で我がマジック・マウンテンは閉山の憂目にあっているのだ(解せぬ!)。  釈然とせぬまま措置を受け入れ気分がくさくさするので、私は庭に出て草をむしり、むしったドクダミでお茶を作って飲用し、くさくてへんな茶の味に苦虫を噛み潰したようなへんな顔をしてみる。

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フレッシュドクダミ

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吊るされたドクダミ

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萎びたドクダミ

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干からびたドクダミ

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抽出されたドクダミ
ドクダミ蔓延る庭そのままの味!気分は虫。

原始の鉱脈

岩田慶治の本だったか、水木しげるの本だったか記憶は曖昧だが、昔読んだ本のどこかに「山中で仕事道具を失くしたら、下半身裸になって山の神にお願いすると紛失物がひょっこり出てくる。」という山の男(マタギ・木樵・炭焼など)の間で伝わる怪しげな迷信が書いてあった。山の神は「女」とされており、彼女が喜ぶことをすれば、山の安全や恩恵が与えられるという古くからの信仰だ。醜女の神のご機嫌をとるために変な顔の魚(オコゼ)を奉納する神事は有名だが、トンネル工事の現場に奥さんが弁当を届けたりすると、山神が嫉妬して事故を招くからダメ、などの日常的な禁忌も割と近年まで守られていたそうだ。

原始の鉱脈
原始の鉱脈
『産業の山脈』に上書きされているのは太古の山の女神。虚ろなイーヴィルアイで天然資源を盗む不届き者を見張り、もしこの魔物的な目に見つかったら侵入者は呪われるであろう。反面、口元から漏れる水晶の煌きは野心に満ちた山師を誘うのだ。ラインの黄金と同じく、無垢の鉱物は誘惑し繁栄と没落を約束する。

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『原始の鉱脈』に貼られた木版画は、明治時代の教科書を切貼りした自作コラージュを元にして作った。この挿絵にあるような水晶の鉱脈は富士山の周辺に点在し、山梨産の水晶は明治時代に乱掘され大正時代に枯渇したという。(近年のパワーストーン流行でヒマラヤ山脈も危ない!)
鉱物とくに結晶はキラキラして大好きだが、人間が強制的に掘起して光に晒すからキラキラするのであって、石にとっては万年暗闇で眠っている方が幸せなのかと考えると複雑…。もう無闇に光る石を買うのはやめようと思う。 (私は誘惑に負けない!)

【お知らせ】
緊急事態宣言延長につき、東京都現代美術館も5/31まで休館になりました。6月に再開されるのか不透明ですが…残された会期に期待!