玄関の柱に飾られたアフリカの偶像のような金属製彫像は、何かの呪術に使用するものではなく、研究用原子炉『弥生』の竣工を記念した文鎮である。東日本大震災の年から更に原発グッズ収集熱が高まり、この原子炉文鎮も当時のコレクションの一つであるが、フォルムの面白さに満足し、特に『弥生』が何物であるかは無関心であった。今頃になってやっと検索してみると『弥生』は東京大学工学部の高速中性子源炉で、茨城県東海村に在るということが分かった。
1971年4月に臨界に達し以来40年近く稼働してたが、2011年、東日本大震災による計画外自動停止から永久停止に至り、現在は廃止措置中だとのこと。日本で最初の高速炉研究がここから始まり、長年にわたって研究に使用されていた原子炉も、私達がその存在を知らないうちにひっそりと除籍されていたと知る。日本全国の研究炉所在地マップから『弥生』は消され、同じく白い巨象=『高速増殖炉もんじゅ』も消されていた(でもそこには在る)。
そして先月、もんじゅ敷地内に人材育成を目的をした研究用原子炉の建設が決定された!! あの寂寞とした不気味なトンネルに再び車両が往来し、活気が戻る日はそう遠くない(が、あのままでいい)。
カテゴリー別アーカイブ: 出来事
東京近郊
S市在住の知人から「町を案内するから来なよ」と誘われ、S市駅に集合し早速案内されたのは古い寺院で、小振りな山門をくぐって境内に入ると一面真っ白の銀世界である。しかしこれは雪ではなく、寺の隣にある巨大セメント工場の石灰石置場から飛んでくる粉塵が堆積したものなのだ(と知人は言う)。寺の奥庭の斜面には粉塵で白く化粧された五百羅漢が無数に並んでいる。ひとつひとつ顔を見ると、全てが苦痛に歪んだ形相をしている。これは日露戦争の戦没兵士に似せた羅漢なのだ(と知人は言う)。なんだか恐ろしくなり足早に裏門から出ると、そこは住宅地の入り組んだ小路だ。畝畝と曲がる路地を進むと、博多にわかの面を模した無数の瓦に覆われた変な民家を発見する。この家には人が通りそうな箇所にパイプ雲丹の風鈴が無数に下げられており「侵入者に対しての警戒心が異常だ」(と知人は言う)。やっと細い路地を抜け国道沿いに出ると、急に小雨が降って来て、知人の着ているブロード生地のワイシャツの所々が円形に透けて見えるのだった。これは雨粒が落ちた箇所が濡れてそう見えるだけだ(と知人は言う)。色々と珍しい名所を案内してもらい、私は感謝の念を伝えて知人と両手で握手を交わし、待ち合わせたS市駅で解散した(という夢を見た)。
(君も絶対ほしくなる夢のミニ文具)

これらの魅惑的なミニミニ文具は、小学児童から支持されている近所の文房具屋で入手した。
マジックインキの姿をそっくりそのまま縮小した「マスコット消しゴム」には大型タイプと明記してあるが見てのとおり大型ではない(1個50円)
手榴弾を模したミニボールペンは、1個100円ではなく8個100円とお買い得!無造作に貼られた[ボールペン][100円]の札が大変に好ましい。
忘却と自失の予防
おととい無人島プロダクション加藤翼くん個展の初日で、気心の知れた仲間同士で飲んで油断が生じたのか珍しく酔ってしまい、地下鉄で眠りこけて気がつけば一駅乗越し用賀駅…飛び起きて下車した(中央林間まで行かないでよかった!!)。外気を吸わないと一層気分が悪くなりそうなので徒歩で帰ることにし、途中長い登り坂では自らを元気付けるため歌を歌う。〈セレナード〉よし!音程は外れてないぞ!〈パダンパダン〉暗い夜道にぴったり!〈詩人の魂〉OK! 歌詞は間違えてないね!もし歌詞を忘れたら?ラララで済ませばいいさ。ブルジョワ、アーティスト…そしてバガボンドも!(酔っ払いが歌う理由には自失の予防もある)
きのうは伊勢佐木町〜野毛町あたりの怪しげな歓楽街で呑み、石川県羽咋郡に『モーゼの墓』が存在するという情報をバーで得た。7月に訪ねたUFOの町・羽咋の近辺にそんな有名預言者のお墓があるとは知らなんだ(酔って忘れないように石板に刻んでおこう)。
(君にはどんな秘密がある?)

加藤翼:個展「Superstring Secrets」
2020年10月1日(木)-10月31日(土)
於: 無人島プロダクション
open: 火~金|13:00-19:00/土・日|12:00-18:00
close: 月
曼珠沙華
叙情よりむしろ恐怖を感じる北原白秋の詩「曼珠沙華」を中学の時に読み、彼岸花を別名:曼珠沙華と呼ぶことを知った。今年かざまランドの庭に曼珠沙華が大発生し、球根でしか殖えないこの植物が何故突拍子も無いところから突如生えて私を驚かすのか?(球根を撒いた覚えはない)彼らが意思を持って移動したとしか思えず、秋の深まりを告げる真紅の花々に叙情よりむしろ恐怖を感じる。
【告知 】(知らぬまに展覧会が始まり終わる!!!)
・Crack Up – Crack Down
2020年6月19日 – 10月11日
会場:ウジャドゥスキー城現代美術センター、ワルシャワ、ポーランド
★ワルシャワでグラフィック展やってました…「人外交差点」ほか出品。10月11日まで!
秋の言伝
(きのう)肩透かしな台風12号が残していった冷たい風の吹く庭で作品を乗せた車を待っていると、季節外れのアゲハがふわふわと飛んできた。夏が終わったのに未だ桃色に咲いているムクゲの花の蜜を吸おうと、蝶は風に流されながらやっとの思いで花びらに取縋る、と途端に風に煽られて蝶は花から離される。これを何度もくりかえし終いには強風に拐われ遠くに飛んでいってしまった。
(グッバイ)と見届けて地面に目を遣ると、去年はY字郎の居た湿っぽい土から彼岸花の茎がニョキニョキと不気味に生えているではないか!例年とは異なる場所での彼岸花群生はY字郎くんのメッセージfrom涅槃だろうか?(枯らした私を恨まないでね)。 作品返却の運搬車は5分早く着いた。
ステレオスコープ
小説『魔の山』にも〈遊戯室で不人気の光学玩具〉として登場するステレオスコープは、我ランド遊戯室でも微妙な人気のオモチャである。というのも、肝心のステレオ写真を持っていないからで、並んだ二つの画像を二枚の凸レンズで覗いたときに現れる驚きの立体効果など試しようがないのだ。仕方がないので私は「別々の石を二枚のレンズで同時に見る」という試みを思いつき、さっそく日曜日に実行してみた。結果「二つの石の像が重なると、一枚のノッペリとした岩肌に見えるだけで、かえって立体感がなくなる。」ということが判り、この遊びは全く面白くないことが判った。
(携帯式ステレオスコープ)

本来なら写真を差す枠の向こうに石二つ

左: 用賀の高校で拾った石
右: ワルシャワで拾った石
この立体鏡は伸縮自在。携帯サイズになるよ!(電話の代りに持って歩こうかな?)
【お知らせ】
日産アートアワード展(於:ニッサンパビリオン/横浜)と大阪高島屋展は明日22日が最終日!よろしくお願いいたしま〜す。
ハザードマップ
弦巻から三軒茶屋に通じる「蛇崩川緑道」という名前の素敵な散歩道がある。小川を塞いだ暗渠の小径は緑陰が深く、わたしはそこが住宅地であることを忘れてプーランク「愛の小径」など上機嫌に歌いながら三軒茶屋に向かって歩いていく。と、次第に小径は幅の広い舗装路に変わっていき、沿道の植え込みには白黒モジャ猫たちの生息が確認できる。
先日ポストに投げ込まれてた〈世田谷区 洪水・内水氾濫ハザードマップ(多摩川洪水版/内水氾濫.中小河川洪水版)〉を見ると、普段はなんでもない緑道や一般道路の地下に潜む昔の水脈が、大雨の際には氾濫を起こす可能性があり、いかにもかつて暴れ川であったことを連想させる名の「蛇崩川」も例外ではないという。どの水脈や河川からも離れた風間ランドは危険区域に該当しないが、白黒モジャ猫生息地は内水氾濫の危険性を示す水色に塗られていた。
TDK謹製CD棚
今まで100均購入のプラスチック製小物入れを2個積んでCD棚の代用としていたが、先日ヤフオクで素晴らしいTDK謹製CD専用ラックを発見し、(送料込み)1800円で購入!重厚な合板製の家具調高級棚には、底部中央に金字でTDKのマークとロゴがあしらわれている。私は小さな三角形の集合体が結晶のようにデザインされているTDKマークが昔から好きで、TDKマークのあるカセットテープに殊更魅力を感じていた。(そして今!)この素敵な棚が幸運にも手に入り、雑然としたCDコーナーが(やっと)整理整頓できた!

(スッキリ収納!!上段には…)竜鉄也 演歌60分/大川栄策・冠二郎のカセットテ〜プの横にリーフェンシュタールのナチ礼賛三部作のDVD。そしてマイスタージンガー全曲集/プフィッツナー室内楽集/艶.怨.演歌 藤圭子CD集が並ぶ理想的な陳列の完成。
暗黒の園
昨日をもって練馬区の遊園地「としまえん」は94年の歴史に幕を降ろしたという。私は高校生時代に、西武の社員だった父がくれた大量のタダ券を利用しここで何度も遊ばせてもらった。内臓が背後に置き去りになる感覚の絶叫マシーンが苦手なので、チビッコでもOKな乗り物で遊ぶのが常であったが、中でも一番お気に入りのアトラクションは『アフリカ館』だ。
これは博覧会のパノラマ館を継承したようなマネキンを陳列した見世物で、軌道を流れるジープに乗って、未開の暗黒世界アフリカを探検する仕掛けになっている。エジプトの王族やマサイ族に歓迎されながら暗くカビ臭い館内をジープが進んで行くと、次は野生の王国が待っている。すごく暗くてよく見えないが、密林に潜む動物が単純な動作を繰り返し、突如ジャガーが「ガオー」と叫びながら頭上を飛んで消えていくのがアフリカ館唯一のドキドキ場面だ。カバの池が発する湿気と匂いでだんだん息苦しくなるが(安心しろ)出口はすぐそこだ!…眼前が明るくなると何故かそこは空港のゲートで、4~5人のスチュワーデスがへんな発音で「サヨウナラ・サヨウナラ・サヨウナラ」と手を振りながら見送ってくれる。当時この機械的なサヨウナラを口真似するのが大流行(私とトヨミの間だけで)。原住民や動物の自動人形が醸し出すうら寂しさと、モワっとした空気が懐かしい。














