日別アーカイブ: 2017年9月12日

ゆく石くる石

歳月と残留思念の棺のように放置されていた旧居の解体工事がやっと始まりました。なかなか剥がれないカサブタのように憎たらしい存在でしたが、いざ幕に囲われて準備が整うと、いくばくか惜別の情が湧いてきます。
侘しい心持ちで古ぼけた玄関にふと目をやると、そこには、かつて私が気に入っていた石に「残す」と赤い字のシールが貼られているでは!本当に?信じられない!庭石などは残土や瓦礫とともに、知らない山にでも投棄されると思っていたので、こんな起死回生のチャンスを石に与えられるとは有難い!…施工予定表には造園の計画もあり、どうやら新しい庭に飾られるようです(楽しみだ〜)万物流転の世にあっても再生の光明はたしかに在る!

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ああ、歳月よ憧れよ!かつての幸福よサヨウナラ!

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玄関脇には「残す」決定の下された幸運の石が、倒木や小石を配して私が遊んだままの姿で残存していた。(小石は私物だが引越しのとき運び忘れた!)

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ここにも残留組!
石灯籠の目玉状の石…本当はすご〜く欲しかった。

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(しかし実は…)水石を一つ失敬してしてきたのだ。虎の背後に鎮座する没個性的な石がそれ(大家さんゴメンなさい)その隣の最新水石は、自然に欠けた形が不思議でかっこいい。台座は原始美術のような味がある。