松平頼則の命日

本日10月25日は敬愛する思想家マックス・シュティルナーの誕生日でもあり、日本の現代音楽家・松平頼則が亡くなった日でもある。
十二音階技法と雅楽を融合させた作品群で有名な松平頼則(1907〜2001/享年94歳)は、鳥類研究家[鳥の子爵]を父に持ち、大量の剥製が置かれたお屋敷で幼少期を過ごしたという。父親のディレッタントが昂じて没落華族となってしまい、家柄や富の恩恵を受けることは難しくなったが、封建的な世界と距離が置けたことで、感情に訴えかける愛国主義を嫌悪し、新しい時代の人工美を愛する意識が芽生えたのかもしれない。自身の作曲に取り入れた南部民謡や雅楽も、単に郷土愛やナショナリズムの情緒的なモチーフとしてではなく、音階の一種として冷徹に分析し、セリー音楽と同列に考えて合体させるという斬新な発想は(私には難しくてわからないけど)すごいと思う。
この20世紀を丸ごと生きた芸術家は、なんと!私の遠い(すごく遠い) 親戚で、元左翼サラリーマンを家長とした我等ファミリーが、徳川家毛細血管の末端に存在するなど松平家の皆様はご存知ないはず。まして風間ランドを根城とする変な縁者の存在など皆目ご存知でないだろう。それで良い!

かざまランドの家宝(ヤフオクで入手)
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墨跡が踊る『雪は踊る』の音符は踊る!
昭和初期にはサティやドビュッシーを得意とするピアニストとして活躍。
1931年5月3日。何処かでドビュッシーを弾いた時に書いた色紙でしょうか?

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(たぶん先生はお嫌いであろう)ドイツ後期ロマン派の音楽ばかり聴いて、現代音楽を聴かなくなっちゃった。今日は命日だから頼則先生のCDを鑑賞し、偉大な仕事に思いを馳せよう!