タゴール冥想岩

音楽の聖人は楽聖ベートーヴェン、そして詩の聖人は詩聖タゴールだという。だが私はこの高名なインド人の詩をひとつも読んだことがない。ここにある古絵葉書〈タゴール冥想岩〉には、良くも悪くもない岩石写真が印刷されているが、なぜ岩に詩聖の名前がついているのか?冥想岩とはなにか?解説一切なく全てが不明だ。この絵葉書の秘密を探るべく、暇人の私は今日もコタツに入ったままネットサーフィンに出かけるのだった。(それは止観とは程遠い小波立つ雑念の旅)

【タゴール冥想岩まとめ】
●絵葉書の発行時期しらべ
岡倉天心と深い親交があったタゴールは天心の死後、彼の面影を慕って大正5年5月に来日し、茨城県五浦の六角堂にこもり瞑想したという。詩聖滞在の3ヶ月間、町中がタゴールフィーバーに沸いたらしいので、その熱狂から発行された絵葉書なのだろう。[大正5年(1917年)発行か?]
●岩の場所しらべ
天心先生が生前瞑想してた六角堂で座禅を組む異国の詩人、ガンダーラ彫刻のごときタゴール翁の神々しい姿を目の当たりにして、一門の弟子たちはどんなに感激したことか!その感動を後世に残すべく六角堂付近の岩に〈タゴール冥想岩〉と名付けたのだろう。しかしフィーバーが去り当事者が亡くなった今、岩の存在はすっかり忘れ去られ、この希少絵葉書しか残っていない。

以上推測が当たってるかは、五浦海岸岩場にタゴール冥想岩絵葉書を持参し確認するしかない。

謎が深まる謎俳句つき絵葉書〈タゴール冥想岩〉
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「人に似た岩は黙して河鹿あな 小波」
人に似てないこの岩を(つべこべ言わず)人と観て悟ることの難しさ…(小波とはおそらく俳人の巖谷小波:イワヤサザナミのこと)