ふもれすく

本日9月1日は関東大震災100回目の震災記念日。そして、地震直後の騒乱に乗じて伊藤野枝と大杉栄とその甥っ子宗一くんが憲兵によって虐殺された甘粕事件から100年目でもある。そんなことからアナキスト研究界隈では「2023年は大杉栄ブームがくるのでは」ともっぱら噂されていた。(が、流行ってるだろうか?)

正直いうと私はカリスマ的存在の大杉栄よりも、大杉に野枝を略奪された辻潤の方に興味がある。辻潤は今で言うところのサレ夫として大正時代のゴシップにもなり、間抜けな男のように見受けられるがそうではなく、その正体は世を達観した大ニヒリストで碩学のインテリだ。いかにも風狂なフーテンといった振舞いは、世間の役に立たないことが最高の叛逆であることを体現しているのだと私は勝手に思っている。
文筆家としての才能は高く、ヘンテコな英語や造語が散りばめられたモダンな文体で書かれた批評は鋭い。そんな呆けたを顔しながら、正統の価値をおちょくる面白い本の数々を皆さんにオススメしたいところだが (実は) 私はちゃんと読んでないのだ!(わかったように紹介してすみません)

まずは大震災100年を機に震災後のエッセイ『ふもれすく』でも読もうかな?
ふもれすくとはおそらくシューマンのピアノ曲〈フモレスケ〉のことで、泣き笑いの状態をフモレスケというらしい。(顔で笑って腹で泣くフーテンの寅さん的な?)

人外交差点に出現した亡霊
六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト展
信号機の下に佇む3人
簀巻きで井戸に落とされた大杉と野枝と宗一君

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ですぺら、 癡人の独語など…