これは慰められない!

蔵書紹介のために本箱(衣装プラケース)を引っ掻き回してたら「ああ、こんなのもあったけ?」と色々発掘!それはかつてのブームの残滓である戦前戦中の防空/防共/慰問/博覧会/国策広告/オリンピック/エログロナンセンス等々の紙物の類いで、劣化著しくページを繰るごとに紙片が落ちてあんまり触れたくないのですが、せっかく苦労して重たい箱をおろしたのだから、と一部を写真に収めてみました。本日は「慰問絵葉書」のコレクションの一部を紹介いたしましょう。

いもん1
小学校の初等科から高等科までの学童の筆による絵画の数々。
地元の神社の仕切りで慰問袋用に描かされた作品のようです。
これなら慰められそう、という絵は僅かでほとんどが無気力と暴力に支配されている。

いもん2
「悪い人をやっつけろ」のスローガンに行き届いた教育を感じる。
それにしても戦闘場面と兵器の描写が上手すぎる!

いもん3
戦場の記憶に苛まれ夜ごとの悪夢にうなされる蒼白の男。
帰還後の悲壮を予想した学童の絵画をもらった兵隊は何を思うだろうか?
しかし絵葉書が散逸しないでまとまって残ってるということは、学童に描かせてみたら凄く不安定で不吉な作品が多くて、送るのやめてボツにしたものと推測されます。

いもん4
個人的に好きな一枚。
スキー?サーフィン?鑑賞眼の秀でた兵隊さんにしか理解されないような素敵な絵画。