平和は特車にのって

先日につづき今日も蒐集絵葉書の一部です。とにかく戦前の博覧会絵葉書を集めまくった時期があり、特に国防博覧会のヘンテコな戦車や軍艦型のパビリオンにはハマりました。これはその残滓の末尾をかざる戦後の国防博絵葉書です。戦後の防衛部隊といえばもちろん自衛隊ですが、この絵葉書は「平和」にたいする配慮からか、あきらかに自衛隊の広報イベントなのに主催も明記されておらず、会場がどこの自衛隊なのかも不明。だいいち博覧会の名称が『近代科学博覧会』で、どこまで意味をぼやかせるか?そんな挑戦すら感じる!敗戦国だから最新科学を利用してはならんのは重々承知。しかし武器を科学と言い換えるところに戦争の機械化の肯定がある!!科学(なら)素晴らしいよネ。

科学博2
『平和と防衛のための近代科学博覧会』開催年不明
利用するのはあくまでも近代科学!(カタ落ちで我慢!)
主催と開催地はどこなのか?この「藤崎」というのは仙台のデパート。そして絵葉書に塩釜港と書かれてあるので宮城県のようです。ってことはデパート主催で仙台駐屯地で開催されたのかもしれない。戦中も大丸や松坂屋で小規模の国策博覧会が開催されてたので、デパート主催で防衛博がひらかれるのはぜんぜん不思議ではない。

科学博
メインは武器だけど科学だから宇宙開発にもふれてる(一応)

特車
ひゃっほ〜い!楽しそう。「特車展示場で少年達に試乗サービスするM24型軽特車」
M24軽戦車は第二次世界大戦で活躍した米軍の戦車。「特車」というヘンな呼び方は平和に配慮した自衛隊発足当時の名称。戦争に使わないから「戦車」ではない。
定員5名なのに13人以上の児童と隊員が乗車!平和に配慮して安全にはあんまり配慮してない模様…。
今では陸自の音楽隊がパンツァーリート(戦車の歌)を披露するぐらい…時代はかわった!