DAM

8月最後の「朝日:俳壇歌壇」挿画のタイトルは〈DAM〉。正確にいえばダム施設上流に造られた貯水湖がこの絵の画題です。コップの底に沈んだ山間の集落…この空想絵画は学生時代から何度か制作しており、たぶん今回で4度目のような気がします。
コップ内で水道水に浸された村は、説明するまでもなくダム造成時に犠牲となった村の残像で、取り壊されることもなく水棺に納められた故郷の亡霊です。画学生のとき小冊子『岩波写真文庫・電力』誌面で見た〈湖底に沈む村〉を追った記事のたまらない哀切の情景に、若い感傷が刺激されこのような寂しい絵を描いたのでした。
(あれから二十余年経ち)この度また、お気に入りの人造湖を描いたわけですが、実は約20年前にも同じく朝日新聞の挿絵を依頼され、これと同じ絵の木版画を掲載したことを俳壇歌壇原稿を提出後に気がついた!なんたる失敗!…しかし本人が忘れたぐらいだから、新聞購読者もおそらく忘れているに違いない…そう思うことにしました。

〈静物クイズ:答はコップでした〉
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明日日曜日(9/2)朝刊からは、9月の新シリーズ『シューベルト歌曲集』が始まりまーす。
第一弾はどの曲かな?(ヒント:小夜啼鳥)